王宮まかない料理番は偉大 見習いですが、とっておきのレシピで心もお腹も満たします

櫛田こころ

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全員のまかない

第4話 先代のまかない

 いやはや……めでたいことですねぇ?

 ワルシュ君からの通達で知りましたが……彼の養女むすめちゃんであるイツキちゃんがですよ?

 お付き合いされていた、公爵家の次男殿と……どうやらご結婚なさるそうです。

 ワルシュ君の時は無理でしたが……もちろん、僕も参加しますとも。


「うーん。お祝いの品に何をお持ちしましょうか?」


 引退したとは言え、僕も料理人の端くれ。

 それに、イツキちゃんも料理人……しかも、特級料理人ですからね? 下手なものは贈れません。

 おまけに、異世界から来た……素晴らしい知識をお持ちの料理人ですしね。……教わったことは、あの『オハギ』ですが。


「! 僕なりのオハギを贈ってみましょうか?」


 基本的には……東方大陸で手に入る食材で作っていただきました。

 それを……僕なりに、改良するのは……大丈夫のはずです。さて、何から取り掛かりましょうか?


大豆ソイル小豆ロッシ……大豆ソイルの若豆」


 基本的には、リーゾもち米ライシを使って……食べやすいようにまとめて、柔らかく甘く煮込んだ豆類をまとわせる。

 このような食べ方は……実際東方大陸には無いんですよね? イツキちゃんはあの時誤魔化していましたが、僕だから大丈夫でしたけど。

 それはさておき……どれでどのように作りましょか?


「基本の小豆ロッシは絶対。たしか……豆の皮をすり潰す方法もありましたよね? それなら、手間をかける分喜ばれるでしょう。それに若豆も……」


 引退してからは、東方大陸で料理を学ぶだけで満足していましたが。

 まさか、若い頃に戻ったかのように……こんなにも料理に意欲的になるとは。それもイツキちゃんのお陰ですね?

 アレルギーと言う未知だった病を見抜き……王国でのフルコース料理を廃止してくれた大恩人。

 僕にアレルギーはありませんでしたが、ハーフエルフやエルフの知人には何人か居たんですよね? ワルシュ君から聞いた対処法を伝えれば、ピタッとなくなったそうですが。


「……うん。いい見た目ですね?」


 考えながら作っていたら、あっと言う間に出来上がってしまいました。味見もきちんとしましたし、もち米ライシ達との相性も抜群。

 あとはこれを、ボーンの加工皮に包んで亜空間収納に入れておけば。

 片付けをして出立すれば、結婚式までは間に合うでしょう。途中途中、転移方陣を使っても間に合うはずです。


「皆さん、待っていてくださいね?」


 うっかり、結婚式に間に合わないことになったらいけませんからね? 早め早めが大事です!

 ただ、早過ぎた場合はどうしましょう?

 その場合は、ジェイシリアで適当な宿でも取りますか?
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