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番外編
第224話 本当の喜び
「……マジ、か? スイード?」
「…………本当、です」
その日の晩、帰宅した旦那様に……さっそく言ってみることにした。
何回かつっかえてしまったけど……ちゃんと、言えた。
すると、旦那様は……大きな手で顔を覆った。その仕草に、やっぱり喜んでくれなかったのか……とショックを受けたけれど。
少しして、ドカドカと音を立てながら、スイードの席に来て……すぐに優しく、けど力強く抱きしめてくださった。
「…………よかった」
と、安心し切った声でそう言ってくださった……。
「……旦那、さま?」
「最近調子悪そうにしてたから、なんかの病気かと思ったぜ。……それどころか、すげーいい知らせじゃねぇか! あんがとな!!」
スイードの顔を覗き込むように見せてくださった表情は……とても笑顔、だった。
「……んで」
「ん?」
「よ……ろこんで、くれ……て」
「ったりめぇだ。カミさんも当然大事だが、大事な命を宿してくれたんだぜ? めちゃくちゃうれしいに決まってるだろ?」
「ふぇ……」
感情が込み上がってきて……スイードは、めちゃくちゃ泣いてしまった。
旦那様は子どもをあやすように頭や背を撫でて下さったが、嫌な感じは……しない。とても……嬉しい。
泣き止むまでしばらくそのまま続き……スイードが、ようやく止まってから……旦那様は今度は高く抱き上げてくださった。
「ワルシュより、先に子どもが出来ることも嬉しいが……生涯ないと思ってたのもある。最高にいい人生にしような!」
「! はい!」
それから、暗部を辞めなくてはいけない話については……育児が落ち着いてから、復帰するのも有りではと旦那様が言ってくださったのに驚いた。
スイードは……良い人材だから、完全に離れるのは勿体無いとも。
孤児で、存在しても意味のない人生だと思っていたから……そんな嬉しい言葉をかけてくださることが、すっごく……嬉しくて。
また泣いてしまったけど……旦那様に、幸せになっていこうと改めて言われ。
その誓いを形にしたく……スイードから、初めて口付けをさせていただいた。
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