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第61話 幕間12 クリステル
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遠くから悲鳴が聞こえた気がして、目を開ける。でも、すぐに全身を突き刺すような痛みに襲われて唇を噛んだ。
どうして。
どうして。
どうして。
何故、わたしがこんな目に遭わなきゃいけないというの?
呼吸をすれば喉が焼ける。
何も食べていないのに、胃の中から何かがせりあがってくる。ベッドに横になっているのに、眩暈が激しい。吐き気と苦痛。このまま死んでしまえば楽になると何度も思った。
でも、納得いかなかった。
この世界では、血筋の良さがものを言う。
貴族として生まれたら、下賤な人間の上に立つことが義務付けられる。平民は貴族に従うことが義務付けられる。それが人間の価値だ。血の重さだ。
わたしは貴族の人間としてこの世界に生を受けた。物心ついた時から、人の上に立つべき人間として教育を受けてきた。
お母様は貴族としての矜持を持ちなさいといつも言っていた。
だからこそ、許せなかったのだ。プライドが全て邪魔をした。
お父様とお母様は子供の頃から婚約関係にあった。それなのに、お父様があの下賤な平民の血を受け入れて子供を作ったのは、あの女が『聖女』だったからだ。貴族よりも敬われる立場にあったからだ。
平民の癖に神殿内で大きな顔をしていたあの女。あの女のせいで、わたしは『二番目の娘』となってしまった。
由緒正しきわたしたち一族の血が負けたなんてあり得ない。
だからお母様が舐めた辛酸をどうにかして返すことにした。
あの女の娘――絶対にわたしの姉なんかじゃない――の立場を奪ってやった。あの娘――ヴェロニカから聖女の力を奪い、わたしのものにした。
その力を使った魔術師には禁じられた術だと言われたけれど、お金さえ出せば何でも願いは叶う。魔術師はすぐに受け入れてくれた。
そしてわたしが新しい『聖女』となることにしたのだ。
平民の聖女と貴族の聖女。どちらが立場が上なのかはだれが見ても明白のはずだ。
わたしが適当に声を出せば、聖なる魔力が漂う。歌を歌うだけで誰もがわたしを神のように崇める。
目の前にある光景すら今までと違って見えた。何て素晴らしい世界だと思う。
でも、その幸せは長く続かなかった。
ヴェロニカを生贄として死んでもらったはずだったのに。
それとも、死んだのがいけなかった?
ヴェロニカから奪った神歌の声は、唐突にわたしの喉から消え失せた。そして代わりに生まれたのがこの苦痛だ。
喉が焼け、呼吸ができず、白かった肌が黒い染みに覆われ、悪臭と共に水泡が生まれた。ほんの少し身じろぎしただけで、水泡が破け、膿が滲み出た。
お父様もお母様も似たような症状が出たけれど、わたしほどじゃない。お父様は痛みを堪えながらも歩くことができたし、お母様だってそうだった。
でもわたしはベッドから起き上がることもできず、喉が渇いて召使を呼んでもこの症状が感染するのではないかと恐れてやってこない。
屋敷の中にお父様の怒号が響く。お母様の悲鳴も。
わたしはただ自分の部屋のベッドの中で、痛みと共にそれを聞くことしかできなかった。
長く続く痛みのため気を失う。
目が覚める。
気を失う。
目が覚める。
その繰り返しの中で、感じた異変。
カーテンが引かれたままの部屋は薄暗い。でも、僅かな隙間から太陽の光が床に細く線を引いていた。
そんな中で、幾人もの人たちの悲鳴が聞こえる。
「領主を探せ!」
知らない男性の声がドアの向こう側で響いた。どこかのドアが力任せに破られる音も。
悲鳴が次々と上がる合間に、男の野卑な怒声が響き続ける。
「領主とその一族を殺せ!」
「見つけたら引きずり出せ!」
「あいつらのせいで俺たちは搾取され続けてきたんだ!」
「思い知らせてやれ!」
それは明確な殺意を含んだものだった。
貴族とかそんな立場の人間ではないだろう。薄汚い平民の男たちが、この屋敷を襲っているということだ。
わたしはそこで、必死に身体を捻った。
ベッドのシーツに肌が触れるだけで痛いというのに、そんなことを気にしている場合ではなかった。身体を転がすことで、床にずり落ちる。全身を貫くような激痛も、必死に我慢しなくてはいけない。
薄暗い部屋の中でも、ベッドのサイドテーブルの上には水差しと痛み止めの薬が置いてあるのが解る。それを震える手で掴み、薬を噛み砕き、水差しから直接水を飲んだ。それすらも痛い。
わたしの寝室には誰もいないから、逆に好都合とも言えた。
立ち上がるのがつらいから、這うようにして寝室の奥へといく。そこにあるウォークインクローゼットの扉を開き、中に転がるようにして入る。扉を閉めて完全な暗闇がわたしの身体を包むと、少しだけほっとした。
暗いから自分の身体がどうなっているのか見えないのもよかった。
醜くなった自分の身体なんて見たくない。王都に行けば、きっと名だたる名医がいるだろう。魔術師でもいい。お金ならたくさんあるし、わたしの身体を治してもらうまでは絶対に死ねない。
わたしは平民の上に立つべき貴族なのだ。
暗闇の中で手を伸ばし、さらに奥の壁を探る。子供の頃から教えられた場所。そこには、自分の身が危険になった時に逃げ込む隠し部屋への仕掛けがある。壁の一部に小さな切れ目があり、一枚の板が外せるようになっている。その中には、隠し部屋の扉を開けるレバーがあった。
死にたくない、ただそれだけ。
負けたくない、ただそれだけ。
単純な想いがわたしの身体を突き動かし、痛みを一瞬だけ忘れさせてくれた。
「……よかった」
隠し部屋の中に入ると、埃が立ったし黴臭くもあった。暗くて見えないけれど、この部屋のどこかに非常時に使えるようにと魔道具のランプが置いてあるはずだ。
今は動けないから、少しだけ休もう。
わたしはじゃりじゃりする床に倒れこんだまま、急激に思い出すことになった苦痛に呻く。
ああ、意識が途切れる。
意識が――。
「お嬢様?」
唐突に、すぐ近くで女性の声が聞こえた。
わたしは冷えた床の上でうつ伏せで倒れていて、身体を起こすことができなかった。一体どのくらい気を失っていたんだろうか。
「クリステルお嬢様、ですか?」
ランプの明かりが左右に揺れ、わたしの頭上で輝いているのが解った。でも、わたしの視力は随分と落ちていて、そのランプを持っている女性の姿を捉えるのが難しかった。
でも、わたしのことを『お嬢様』と呼ぶのだからこの屋敷の召使だろう。
「……痛いわ」
起き上がることができないわたしは、必死でそう声を絞り出した。掠れていて、相手に伝わったかどうかは怪しい。いえ、きっと伝わらなかっただろう。わたしの今の声は酷くひび割れていて、老婆のよう。くぐもった音にしかならなかったと思う。
「……酷い」
彼女はわたしを見下ろした格好のまま、その声を震わせた。その声の裏に潜んだ嫌悪に似た感情を感じ取って、忌々しく思う。誰がお前たちを雇っていると思っているの? わたしのお父様から給料を受け取っている以上、不遜な態度は絶対に許されることではない。
後でこの召使の処遇をお父様と相談せねば。
そう考えた直後、少しだけ心の中に不安が芽生えた。
お父様はどこ?
お母様は?
お父様たちの寝室の奥にも隠し部屋がある。きっとそこに隠れているはずだ。誰も知らない部屋。レインデルス一族の人間しか知らない隠し部屋――。
そう、一族の人間しか知らない。
それなのに、どうしてこの召使が入ってこられたの?
わたしの身体が今までで一番震えたと思う。
頭上から見下ろしているこの女は誰?
「見つけました、こっちです!」
急にその女が叫ぶと、遠くから複数の足音が向かってくるのが聞こえた。
殺されるの? 嘘でしょう? こんな死に方は厭。
わたしは何とか腕に力を入れて、上半身を起こす。動いて、動いてちょうだい。わたしは何としてでも生き延びるんだから。
「あなた誰よ」
今度は声になったはずだ。喉の奥が破れて血の味がする。それでも、わたしは暗い部屋の中で声を張り上げた。
「あなた、うちの召使なのでしょう!?」
「……昔ですよ」
その女は吐き捨てるように言った。
――昔? 昔とは?
「わたしのご主人様は今も昔も先代の聖女様のみですし、わたしが恩を感じているのは、あなた方が殺した聖女様だけです。この隠し部屋のことも、聖女様に聞いたことがありました。だから、情報を提供したんですよ」
――誰に?
狭い隠し部屋の中に、乱暴な足音と共に次々と男たちが乗り込んできた。そのため、その女は隠し部屋から逃げるように出て行ってしまった。
どういうことなの。何が起きているの。
先代の聖女って、ヴェロニカの母親のことよね? 随分と昔、あの平民女に仕えていた召使は全部首にしたはずだ。召使たちはあまりにも聖女に入れ込んでいたから、あの女が死んだ後に騒ぎ始めてお父様が問題視したのだ。首にした理由は適当にでっち上げたと記憶している。
つまり……今いるのは、その辞めさせられたうちの誰か?
裏切者!
たとえ首になったとしても、主の情報を売るなんて、これだから下々の人間は厭なのよ!
そう叫びたかったのに、もうわたしの体力は限界を迎えていた。そのまま前のめりに倒れ、立ち上る埃を吸い込む。咳き込むことすらできないまま、わたしは意識を手放したのだった。
どうして。
どうして。
どうして。
何故、わたしがこんな目に遭わなきゃいけないというの?
呼吸をすれば喉が焼ける。
何も食べていないのに、胃の中から何かがせりあがってくる。ベッドに横になっているのに、眩暈が激しい。吐き気と苦痛。このまま死んでしまえば楽になると何度も思った。
でも、納得いかなかった。
この世界では、血筋の良さがものを言う。
貴族として生まれたら、下賤な人間の上に立つことが義務付けられる。平民は貴族に従うことが義務付けられる。それが人間の価値だ。血の重さだ。
わたしは貴族の人間としてこの世界に生を受けた。物心ついた時から、人の上に立つべき人間として教育を受けてきた。
お母様は貴族としての矜持を持ちなさいといつも言っていた。
だからこそ、許せなかったのだ。プライドが全て邪魔をした。
お父様とお母様は子供の頃から婚約関係にあった。それなのに、お父様があの下賤な平民の血を受け入れて子供を作ったのは、あの女が『聖女』だったからだ。貴族よりも敬われる立場にあったからだ。
平民の癖に神殿内で大きな顔をしていたあの女。あの女のせいで、わたしは『二番目の娘』となってしまった。
由緒正しきわたしたち一族の血が負けたなんてあり得ない。
だからお母様が舐めた辛酸をどうにかして返すことにした。
あの女の娘――絶対にわたしの姉なんかじゃない――の立場を奪ってやった。あの娘――ヴェロニカから聖女の力を奪い、わたしのものにした。
その力を使った魔術師には禁じられた術だと言われたけれど、お金さえ出せば何でも願いは叶う。魔術師はすぐに受け入れてくれた。
そしてわたしが新しい『聖女』となることにしたのだ。
平民の聖女と貴族の聖女。どちらが立場が上なのかはだれが見ても明白のはずだ。
わたしが適当に声を出せば、聖なる魔力が漂う。歌を歌うだけで誰もがわたしを神のように崇める。
目の前にある光景すら今までと違って見えた。何て素晴らしい世界だと思う。
でも、その幸せは長く続かなかった。
ヴェロニカを生贄として死んでもらったはずだったのに。
それとも、死んだのがいけなかった?
ヴェロニカから奪った神歌の声は、唐突にわたしの喉から消え失せた。そして代わりに生まれたのがこの苦痛だ。
喉が焼け、呼吸ができず、白かった肌が黒い染みに覆われ、悪臭と共に水泡が生まれた。ほんの少し身じろぎしただけで、水泡が破け、膿が滲み出た。
お父様もお母様も似たような症状が出たけれど、わたしほどじゃない。お父様は痛みを堪えながらも歩くことができたし、お母様だってそうだった。
でもわたしはベッドから起き上がることもできず、喉が渇いて召使を呼んでもこの症状が感染するのではないかと恐れてやってこない。
屋敷の中にお父様の怒号が響く。お母様の悲鳴も。
わたしはただ自分の部屋のベッドの中で、痛みと共にそれを聞くことしかできなかった。
長く続く痛みのため気を失う。
目が覚める。
気を失う。
目が覚める。
その繰り返しの中で、感じた異変。
カーテンが引かれたままの部屋は薄暗い。でも、僅かな隙間から太陽の光が床に細く線を引いていた。
そんな中で、幾人もの人たちの悲鳴が聞こえる。
「領主を探せ!」
知らない男性の声がドアの向こう側で響いた。どこかのドアが力任せに破られる音も。
悲鳴が次々と上がる合間に、男の野卑な怒声が響き続ける。
「領主とその一族を殺せ!」
「見つけたら引きずり出せ!」
「あいつらのせいで俺たちは搾取され続けてきたんだ!」
「思い知らせてやれ!」
それは明確な殺意を含んだものだった。
貴族とかそんな立場の人間ではないだろう。薄汚い平民の男たちが、この屋敷を襲っているということだ。
わたしはそこで、必死に身体を捻った。
ベッドのシーツに肌が触れるだけで痛いというのに、そんなことを気にしている場合ではなかった。身体を転がすことで、床にずり落ちる。全身を貫くような激痛も、必死に我慢しなくてはいけない。
薄暗い部屋の中でも、ベッドのサイドテーブルの上には水差しと痛み止めの薬が置いてあるのが解る。それを震える手で掴み、薬を噛み砕き、水差しから直接水を飲んだ。それすらも痛い。
わたしの寝室には誰もいないから、逆に好都合とも言えた。
立ち上がるのがつらいから、這うようにして寝室の奥へといく。そこにあるウォークインクローゼットの扉を開き、中に転がるようにして入る。扉を閉めて完全な暗闇がわたしの身体を包むと、少しだけほっとした。
暗いから自分の身体がどうなっているのか見えないのもよかった。
醜くなった自分の身体なんて見たくない。王都に行けば、きっと名だたる名医がいるだろう。魔術師でもいい。お金ならたくさんあるし、わたしの身体を治してもらうまでは絶対に死ねない。
わたしは平民の上に立つべき貴族なのだ。
暗闇の中で手を伸ばし、さらに奥の壁を探る。子供の頃から教えられた場所。そこには、自分の身が危険になった時に逃げ込む隠し部屋への仕掛けがある。壁の一部に小さな切れ目があり、一枚の板が外せるようになっている。その中には、隠し部屋の扉を開けるレバーがあった。
死にたくない、ただそれだけ。
負けたくない、ただそれだけ。
単純な想いがわたしの身体を突き動かし、痛みを一瞬だけ忘れさせてくれた。
「……よかった」
隠し部屋の中に入ると、埃が立ったし黴臭くもあった。暗くて見えないけれど、この部屋のどこかに非常時に使えるようにと魔道具のランプが置いてあるはずだ。
今は動けないから、少しだけ休もう。
わたしはじゃりじゃりする床に倒れこんだまま、急激に思い出すことになった苦痛に呻く。
ああ、意識が途切れる。
意識が――。
「お嬢様?」
唐突に、すぐ近くで女性の声が聞こえた。
わたしは冷えた床の上でうつ伏せで倒れていて、身体を起こすことができなかった。一体どのくらい気を失っていたんだろうか。
「クリステルお嬢様、ですか?」
ランプの明かりが左右に揺れ、わたしの頭上で輝いているのが解った。でも、わたしの視力は随分と落ちていて、そのランプを持っている女性の姿を捉えるのが難しかった。
でも、わたしのことを『お嬢様』と呼ぶのだからこの屋敷の召使だろう。
「……痛いわ」
起き上がることができないわたしは、必死でそう声を絞り出した。掠れていて、相手に伝わったかどうかは怪しい。いえ、きっと伝わらなかっただろう。わたしの今の声は酷くひび割れていて、老婆のよう。くぐもった音にしかならなかったと思う。
「……酷い」
彼女はわたしを見下ろした格好のまま、その声を震わせた。その声の裏に潜んだ嫌悪に似た感情を感じ取って、忌々しく思う。誰がお前たちを雇っていると思っているの? わたしのお父様から給料を受け取っている以上、不遜な態度は絶対に許されることではない。
後でこの召使の処遇をお父様と相談せねば。
そう考えた直後、少しだけ心の中に不安が芽生えた。
お父様はどこ?
お母様は?
お父様たちの寝室の奥にも隠し部屋がある。きっとそこに隠れているはずだ。誰も知らない部屋。レインデルス一族の人間しか知らない隠し部屋――。
そう、一族の人間しか知らない。
それなのに、どうしてこの召使が入ってこられたの?
わたしの身体が今までで一番震えたと思う。
頭上から見下ろしているこの女は誰?
「見つけました、こっちです!」
急にその女が叫ぶと、遠くから複数の足音が向かってくるのが聞こえた。
殺されるの? 嘘でしょう? こんな死に方は厭。
わたしは何とか腕に力を入れて、上半身を起こす。動いて、動いてちょうだい。わたしは何としてでも生き延びるんだから。
「あなた誰よ」
今度は声になったはずだ。喉の奥が破れて血の味がする。それでも、わたしは暗い部屋の中で声を張り上げた。
「あなた、うちの召使なのでしょう!?」
「……昔ですよ」
その女は吐き捨てるように言った。
――昔? 昔とは?
「わたしのご主人様は今も昔も先代の聖女様のみですし、わたしが恩を感じているのは、あなた方が殺した聖女様だけです。この隠し部屋のことも、聖女様に聞いたことがありました。だから、情報を提供したんですよ」
――誰に?
狭い隠し部屋の中に、乱暴な足音と共に次々と男たちが乗り込んできた。そのため、その女は隠し部屋から逃げるように出て行ってしまった。
どういうことなの。何が起きているの。
先代の聖女って、ヴェロニカの母親のことよね? 随分と昔、あの平民女に仕えていた召使は全部首にしたはずだ。召使たちはあまりにも聖女に入れ込んでいたから、あの女が死んだ後に騒ぎ始めてお父様が問題視したのだ。首にした理由は適当にでっち上げたと記憶している。
つまり……今いるのは、その辞めさせられたうちの誰か?
裏切者!
たとえ首になったとしても、主の情報を売るなんて、これだから下々の人間は厭なのよ!
そう叫びたかったのに、もうわたしの体力は限界を迎えていた。そのまま前のめりに倒れ、立ち上る埃を吸い込む。咳き込むことすらできないまま、わたしは意識を手放したのだった。
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