シズカナル森のナカへ完結…二択の登編

tsuusan

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鏡の世界に入った登は、走り始めた。

(待ってろよ。)

(今行くからな!れいな。)

レイナも鏡の世界に入り、登を追いかけてきた。

「ダメ」

「ノボル」

追いつかれないように、登は走り続ける。

(しつこいなぁ…。)

建物の隙間に入ったり、フェンスをよじのぼったりする登。

レイナの姿は見えなくなる。

(よし!うまくいったな。)

登は周りを警戒しながら、レイナの家に向かう。

レイナの家の前に着いた…。

(な、なんだよ…血?)

ドアノブにべったり付いている血…。

(れいな!)

登は、ドアを開けた。

(鍵がかかってない?)

レイナの家に入り、れいなを探す。

バスルームの前に、血に染まったブラウスが落ちていた。

(まさか…)

(そんな…)

登はバスルームを開けた。

れいなは居ない。

その後家の中を探したが、れいなは居なかった。

登は、レイナの家を飛び出す。

走りだす登。

(どこに行ったんだ?)

(そうだ!母さん。)

(母さん何か知ってないか。)

登はノボルの家に向かう。

家の前にタクシーが止まっていた…。

不意に運転手を見てしまう。

「うわぁぁ!」

(な、なんだよこれ…。)

喉を刺され、血まみれの運転手…。

(か、か、母さん!)

登は、ノボルの家のドアを開けた。



頭が血まみれになり、倒れている母の姿があった…。

「か、母さん!」

登は母の身体に触れる。

「誰が…誰がこんなことぉぉ!」

怒りがこみ上げてくる。

ふと、階段に血の後があるのに気付いた。

階段を恐る恐る上がっていく。

ノボルの部屋の扉を開ける…。

(お、俺…なのか?)

(だ、誰が?)

(誰が?)

(こんなひどいこと…。)

裸で、無惨な姿のノボル。

(う、気持ち悪い…。)

ショックと臭いで吐きそうになった。

外にでて深呼吸をする。

(誰なんだ?)

(まさか?)

(昨日来た、れいな?)

(来たのは俺を…?)

(いや、俺は眠た。)

(もしそうならチャンスだったはず…。)

(本物のれいな?)

(いやいや、それこそありえないな。)

(は!れいな。)

登は、れいなを探しに行く。

(どこだ?)

(学校か?)

(行ってみるか。)

学校へ向かった登。

クラスの扉の前に着き、開ける。

扉を開けても、誰も登を見ない。

無表情のクラスメイト達…。

授業中だった。

(なんなんだこいつら?)

登は、先生に聞いてみる。

「先生、麻宮は?」

無表情で答える。

「キテナイ」

(なんだよ。)

(こいつもか。)

登は、走り出し学校を出る。

(いったいどうなっているんだ。)

(あとは、バイト先か。)

登は、レイナのバイト先へ向かう。

無表情で歩く人々。

不気味に感じる登。

バイト先の店の前に、倒れている人。

恐る恐る見る登。

グチャグチャの顔で、息絶えている。

(おぇ、気持ち悪い…)

登は吐いてしまう。

(店の前にあるのに無視かよ?)

(この世界、狂ってやがる。)

(いるわけねぇよな。)


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