シズカナル森のナカへ完結…二択の登編

tsuusan

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(どこにいるんだよ?)

(もうわかんねぇ。)

登は、どこを探して良いか分からない。

フラフラ歩いていた。

(あんなのが転がってる所に、わざわざ来るわけないだろうし。)

(違う町に逃げたのか?)

(そうだよなぁ~。)

(こんな怖い世界に閉じ込められたら…)

(誰でも逃げたくなるよな。)

(参ったな…。)

歩き続ける、登。

駅の方に自然と向かっていた。

無表情の人々が増えてくる。

(こいつらほんと不気味だな。)

(隣どうしなのに、話ししないのかよ?)

(ん?…なんだ?)

駅の方へ向かう度、人がバタバタ倒れている…。

(な、なんだよ。)

(いい加減にしてくれよ。)

(もう狂いそうだ。)

そう思いながら、とぼとぼ歩いていた登…。

少し前を歩く、後ろ姿の女…。

その手には、血まみれのハンマーとナイフ…。

ハンマーを置き、すれ違う女性の髪を掴む。

女性を倒し、馬乗りになる女の後ろ姿…。

(な…なにしてるんだよ…。)

女はナイフで、女性をメッタ刺しにする…。

(あの制服…)

(後ろ姿…)

(まさか…)

(うそだろ…)

(お前…なのか?)

(れいな…。)

「れ…れい…な?」

女の身体が一瞬ビクッと動き手が止まる。

そして…振り向く女…。

血まみれの顔…。

冷酷な目付きの…。

れいなだった…。


「なに…やっ…てんだお前…。」

「お前が…そんなこと…。」

登はそれ以上、言葉がでない…。

「ノボル…」

「の、登?」

れいなは、ナイフを投げ捨て、登に駆け寄る。

「登…」

「逢いたかった…。」

登を抱きしめるれいな。

「逢いたかった。」

泣いているれいな。

登は、立ち尽くしていた…。

れいなからの血の臭い。

そして血まみれのれいな…。

本物だと思えない。

だが、

感情のない世界で、泣いているれいな…。

混乱する登。

その時、

登の後ろから声が聞こえた。

「ノボル」

レイナだった…。

登は、無言でレイナを見る。

「ソノコハ」

「モウ」

「アナタノシッテイル」

「ワタシジャナイ」

泣いているれいなを見る登…。

「怖かった…。」

「辛かった…。」

登の胸で、泣きじゃくるれいな…。

「ダメ」

「ハナレテ」

「ノボル」

無表情のレイナ…。

(俺…)

(俺が知っている)

(れいなは)

(こっちだ。)


泣いているれいなの手を握る。

「れいな」

「逃げるぞ。」

「こんな狂った世界に居たらだめだ!」

れいなの手を引っ張り、走りだす登。

「イカセナイ」

レイナは登の前に立ち阻む…。

「許してくれ。」

「ごめん。」

レイナを片手で突飛ばす。

倒れてしまう、レイナ。

「全力で走れ。」

「れいな!」

手を引かれ、登を涙目で見つめる…れいな。

「うん。」

登とれいなは全力で走っ行く。

「ダメ」

「ノボル」

レイナは起き上がり追いかける。

「森の館までだ。」

「頑張れ。」

走り続ける、登とれいな。

レイナの姿が、後ろに見える。

(くそ。)

(早いな。)

(感情がないから、疲れないのか?)

(もう一度だけ。)

「先に走ってろ。」

「あいつを食い止める。」

「止まるなよ。」

登は、れいなの手を離した。

「登。」

「必ず来てよ。」

れいなは、走り続ける。

立ち止まり、レイナを見る登。

レイナも立ち止まり…

無表情で登を見つめる。

「イカナイデ」

「ワタシ」

「ノボルノコト」

「スキ」


(…。)

(ありがとう…。)

(でも…。)

(ごめん。)

「ごめんよ…れいな。」

両手で、レイナを突き飛ばした…。

勢いよく倒れてしまったレイナ…。

登は、れいなを追いかけ走った…。

全力で走る登は、れいなに追いつく。

「登…良かったぁ…。」

森に入り、館を目指す。


「ダメ」


レイナは追いかけて来ていた…。


(この距離なら。)

(間に合うはず。)

登とれいなは、館に入る。

「あっちだ。」

息を切らし、鏡まで走る。

レイナは、思ったより早かった。

鏡のそばまで来た時…。

「先に行って」

「必ず行くから…。」

れいなは、登に、先に行くようにと言ってくる。

言い争う暇は、無い。

すぐ後ろにレイナはいる…。

「必ずだぞ!」

登は、先に鏡の中に入る。

「ノボル」

レイナは、登を呼ぶ。

ブレザーの内ポケットに手を入れ…。

振り向くれいな…。

レイナの心臓にナイフが刺さる…。

力が抜けて、れいなによしかかる…レイナ…。

耳元で囁き…

れいなはレイナを突き飛ばす…。

冷酷な目…。


「サヨウナラ」


れいなは、手を後ろに組み、鏡の中へ入って行く。

「ヤメ…テ」



遅いれいなを登は心配していた。

「れいな大丈夫か?」

れいなは、笑顔で答える。

「大丈夫だよ。」

登は鏡を持ち上げる。

「よけてろ、れいな。」

「こんな鏡」

「割れちまえ!」

思い切り床に投げつける。

鏡は砕け散った…。

「もう大丈夫だな。」

振り向く登…。

「れ…いな?」

後ろに手を組み…

笑顔で登に近づく、

れいな。



ねぇ…


登…


私のコト…



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