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戸惑い元ブ男
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平間ひろし改め平間 愛。
闇の使者、大魔道師カナ・エールとのやりとりは、まだ続く。
ひろし改め愛は、カナ・エールの言う事を、ただただ聞いて受け入れていくしかなかった。
カナ・エール「愛よ、お前に道しるべを与えてゆく。まずは明日、学校へ行くのだ。お前の制服や着るものなどは、全て女物に上書きしてある。なに食わぬ顔で、愛として行け。」
その言葉を聞いた瞬間、愛は急に眠くなり、寝てしまった。
そして朝がきた。
愛の名前を呼ぶ声が聞こえる。いつも聞いてる、朝の優しくも怒鳴りまじりの声。
母「愛ちゃん、早く起きなさい。学校に遅刻するよー。ほんとねぼすけなんだからー。早く起きて。」
愛は混乱した。昨日までは、「ひろし起きて」だったのに、愛ちゃんと呼ばれている。とりあえず返事をした。
愛「起きてるよーおはよう。」
聞き慣れない自分の声。やはり昨日の出来事は、夢じゃなかった。とりあえず、愛は鏡の前へ立った。
愛(うわぁ。女だよ。本当に女になっちゃった。とりあえず色々見ようかな。)
興奮しっぱなしの元オタク男の愛。時間を忘れて鏡を見ていたら、母が部屋へ入ってきた。呆れながら母は愛に言う。
母「なにしてんの?早く着替えなさい。」
母に下着や制服を渡されたとき、愛はとっさに思った。
着かたがわからん・・・
他の人たちの記憶は、生まれた時から、ひろしではなく、愛として、女として認識されている。
だが、愛の記憶は、愛として生きてきた記憶ではなく、ひろしとして生きてきた記憶。
愛は困った顔をしながら母に言う。
愛「お母さん、着かたがわからないんだけど・・」
母は、なにを言ってるのかと思いながら、勝手に解釈した。めんどくさがって着せて貰おうとしてるなと思った。
母「ほれほれ、早く着て。甘えてもぉ。」
そう言いながら手際良く着させてくれる。元ひろし愛は、なんとか着かたを覚えた。
学校へ行く時間がきた。
愛「いってきまーす。」
母「はい、いってらっしゃい。気をつけて。」
学校への道は歩いて20分くらい。
愛は見慣れた道を慣れない女の服装で歩いていた。
スカートなんか履いて歩いた事のない、元ブ男。
風がスゥーと股を通って行き、なんとも言えない感じ。
そんな事を感じて気持ち良くなっている時、あいつが現れた。
大魔道師カナ・エールだ。笑いながら愛に言う。
カナ・エール「朝は良い見ものだった。着かたがわからないんだけど?って。困るお前の姿は素晴らしい。」
陰険な大魔道師は、そう言って消えた。
学校の門の前に着くと、信じられないことが元ブ男にふりそそぐ。
門の前にいる教師からの挨拶だ。
「平間おはよう。」
あり得ない。この教師に挨拶なんてされたことなどなかった。
ひろしが通る時、他の女生徒も通る。そちらには挨拶して、ひろしなんか見向きもしなかった。
愛は戸惑いながら、挨拶を返し、教室へ向かう。
そしてまたしても、あり得ない、自分には縁のないことだと思っていたことが起きる。
女子たちからの「おはよー」乱射。
その一発一発に返事を返しながら席に向かう。
ストレートに席に行けた時と違い、自分の席は遠く感じた。
席に着いても、どんどん愛は困る事になる。
女子たちが愛を取り囲み、おしゃべりを始める。
「ねぇ愛。昨日のドラマ見たぁ」「やっぱ○○くんカッコいいよね」 などなど。
元ブ男ひろしの愛には、まったく興味のない話。適当に相づちを打ってその場をしのぐ。
昼休みも愛は女子たちに取り囲まれるのであった。
闇の使者、大魔道師カナ・エールとのやりとりは、まだ続く。
ひろし改め愛は、カナ・エールの言う事を、ただただ聞いて受け入れていくしかなかった。
カナ・エール「愛よ、お前に道しるべを与えてゆく。まずは明日、学校へ行くのだ。お前の制服や着るものなどは、全て女物に上書きしてある。なに食わぬ顔で、愛として行け。」
その言葉を聞いた瞬間、愛は急に眠くなり、寝てしまった。
そして朝がきた。
愛の名前を呼ぶ声が聞こえる。いつも聞いてる、朝の優しくも怒鳴りまじりの声。
母「愛ちゃん、早く起きなさい。学校に遅刻するよー。ほんとねぼすけなんだからー。早く起きて。」
愛は混乱した。昨日までは、「ひろし起きて」だったのに、愛ちゃんと呼ばれている。とりあえず返事をした。
愛「起きてるよーおはよう。」
聞き慣れない自分の声。やはり昨日の出来事は、夢じゃなかった。とりあえず、愛は鏡の前へ立った。
愛(うわぁ。女だよ。本当に女になっちゃった。とりあえず色々見ようかな。)
興奮しっぱなしの元オタク男の愛。時間を忘れて鏡を見ていたら、母が部屋へ入ってきた。呆れながら母は愛に言う。
母「なにしてんの?早く着替えなさい。」
母に下着や制服を渡されたとき、愛はとっさに思った。
着かたがわからん・・・
他の人たちの記憶は、生まれた時から、ひろしではなく、愛として、女として認識されている。
だが、愛の記憶は、愛として生きてきた記憶ではなく、ひろしとして生きてきた記憶。
愛は困った顔をしながら母に言う。
愛「お母さん、着かたがわからないんだけど・・」
母は、なにを言ってるのかと思いながら、勝手に解釈した。めんどくさがって着せて貰おうとしてるなと思った。
母「ほれほれ、早く着て。甘えてもぉ。」
そう言いながら手際良く着させてくれる。元ひろし愛は、なんとか着かたを覚えた。
学校へ行く時間がきた。
愛「いってきまーす。」
母「はい、いってらっしゃい。気をつけて。」
学校への道は歩いて20分くらい。
愛は見慣れた道を慣れない女の服装で歩いていた。
スカートなんか履いて歩いた事のない、元ブ男。
風がスゥーと股を通って行き、なんとも言えない感じ。
そんな事を感じて気持ち良くなっている時、あいつが現れた。
大魔道師カナ・エールだ。笑いながら愛に言う。
カナ・エール「朝は良い見ものだった。着かたがわからないんだけど?って。困るお前の姿は素晴らしい。」
陰険な大魔道師は、そう言って消えた。
学校の門の前に着くと、信じられないことが元ブ男にふりそそぐ。
門の前にいる教師からの挨拶だ。
「平間おはよう。」
あり得ない。この教師に挨拶なんてされたことなどなかった。
ひろしが通る時、他の女生徒も通る。そちらには挨拶して、ひろしなんか見向きもしなかった。
愛は戸惑いながら、挨拶を返し、教室へ向かう。
そしてまたしても、あり得ない、自分には縁のないことだと思っていたことが起きる。
女子たちからの「おはよー」乱射。
その一発一発に返事を返しながら席に向かう。
ストレートに席に行けた時と違い、自分の席は遠く感じた。
席に着いても、どんどん愛は困る事になる。
女子たちが愛を取り囲み、おしゃべりを始める。
「ねぇ愛。昨日のドラマ見たぁ」「やっぱ○○くんカッコいいよね」 などなど。
元ブ男ひろしの愛には、まったく興味のない話。適当に相づちを打ってその場をしのぐ。
昼休みも愛は女子たちに取り囲まれるのであった。
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