彼女はオタク男

tsuusan

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ずっと大好き

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愛は、部屋に入ると、そのままベッドに横になる。
天井をみつめ、アイリのことを思い出していた。

愛は悲しくなり、涙が溢れてくる。

そんな辛く、苦しい時、あいつが現れた。


大魔道師カナ・エール

愛を見下ろしながら語りかける。
カナ・エール「素晴らしい顔をしているではないか。」

愛は飛び起き、カナ・エールを見る。

カナ・エールは、満足そうに愛に語りかける
カナ・エール「魂からの叫び良かったぞ」

そう言って、カナ・エールは、なにかを愛に渡した。

愛は、無気力にそれを受けとる。

カナ・エールは消えていった。

愛はカナ・エールから渡されたものを見る。

それは、ボイスレコーダーだった。
愛は、何も考えず再生ボタンを押した。

ボイスレコーダーから聞こえてくるのは、桜庭ゆうまともう一人の声。

愛は、その内容を聞いて憤る。

アイリの純粋な心は、桜庭ゆうまに利用され、遊ばれたあげく、捨てられた。

愛は、心をかきむしられる。

怒りの感情のなか、アイリの笑顔を思い出す。悲しくなって、切なくなり、アイリへの申し訳なさの気持ちでいっぱいなった。

どうしてアイリにあんな事言ったんだろう

どうしてアイリを信じなかったんだろう

大道さんも鬼怒先生も、アイリの事、信じてたのに

愛は、アイリに謝りたい。そう思い、夜が明けるのを待った。



そして次の日の朝


愛は本社に向かう。大道マネージャーを、ロビーに呼び、ボイスレコーダーを渡す。

大道がなにこれ?と聞くまえに、愛は、焦った様子で、大道に、質問する。
愛「今すぐ、アイリと連絡とれませんか?」

大道は、昨日、アイリのマネージャーから相談されたことを愛に伝えた。
大道「昨日、アイリが辞めるって言ってきたそうだ。入ってる仕事も白紙にしてくれと。アイリにお前…」

愛はその言葉を聞いた瞬間走り出す。漠然と駅に向かった。


周りの人が愛に気づき声をかけてくるが、それをふりきり、がむしゃらに走った。

愛は、駅のなかをひたすらに探す。
アイリが駅にいるなんて保証はない。
ただ、アイリに会いたい一心で愛はアイリを探した。


愛が駅のホームまで探しに行った時、その願いが叶った。


アイリが寂しそうに、ぽつんと一人立っていた。


愛は、大声でアイリを呼んだ。


アイリは驚いて、愛のほうを見る。

愛は、アイリに駆け寄り、力強く抱きしめた。
溢れでる涙とともに、心から謝る。
愛「アイリ、ほんとにごめん。ごめんね。」


アイリは、愛が来たことに戸惑う。
アイリ「愛さん、なんでここに?」


アイリの質問を無視して愛は泣きながらお願いした。
愛「アイリ、アイドル辞めないで」

アイリはその、お願いを受け入れなかった。
アイリ「もう…いいよ…」
愛はその言葉を聞いてさらに声をあげる。
愛「そんな事言わないで。お願い。」

アイリは優しく愛に気持ちを伝えた。
アイリ「私…、アイドルに向いてないよ。夢は諦めたの…。」

愛は、泣きながら、説得を続けた。
愛「アイリは、アイドルだよ。ずっと…ずっと大好き。これからもずっと… だから辞めないで!」


愛が叫んだ瞬間
まばゆい閃光が辺りを照らす。

人々の記憶から、人気アイドル平間 愛は消えて、なにも残らなかった。

愛という存在は、完全に初めからいない…。

そう上書きされた。




気付くと愛は、部屋にいた…。

大魔道師カナ・エールが、愛をじっと見ていた。


愛に、カナ・エールは問いかける。
カナ・エール「お前の望む姿を言え」


愛はカナ・エールを睨んで言った。

愛「アイリをずっと、ずっと大好きなオタク男になりたい!」



閃光が走る。


愛は、無意識に胸を揉んでいた。

柔らかくて、大きな胸は、なくなっていた。

愛は、全身鏡をのぞく。

鏡の中には、油てかてかオタク男、平間ひろしの姿だった。


大魔道師カナ・エールは、いつもより力強く、ひろしの顔面に、唾を飛ばす勢いで言った。

「まっじきんもちわるぅ。 くっさいし。」


吐き捨てて、カナ・エールは消えた



平間ひろしは、ふと思いだす。
アイリのグッズ全て捨ててしまったことを…。


アイドルオタク男、平間ひろしは、大好きなアイドル、加藤アイリのグッズを求めて、となり街へ向かった。



終わり

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