彼女はオタク男

tsuusan

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アイリと愛

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アイリは、オファーを受け、了承した。

今、大人気の平間 愛。
アイドルが好きなアイリは、当然、愛の事を知っている。大好きになっていた。平間 愛と、一緒のステージに立てるなんて思ってもいなかった。アイリは純粋に喜んだ。


愛の心は、複雑な気持ちに支配されていた。ずっと大好きだった加藤アイリ。そのアイリ本人に会える。

嬉しさが爆発しそうになる自分もいるが、すぐに裏切られたという憎悪もでてくる。復讐を望み、アイリを、自分のライブに呼ぶことに成功した。だが、どうやって復讐するか、なにも思いつかない。愛は頭がおかしくなりそうだった。

ライブ打ち合わせの日、ついに愛は、アイリに出会う。

愛の心の中はアイリへの思いでいっぱいになり、しばらくアイリをみつめているだけだった。

アイリは自分を見て、黙っている愛に挨拶をする。
アイリ「初めまして、愛さん。加藤アイリです。愛さんとお仕事できて嬉しいです。」

その言葉を聞いた愛は、我にかえった。あたふたして挨拶を返す。
愛「あ、初めまして。よろしくお願いします。」


打ち合わせが始まったが、アイリの事が気になって仕方がない。愛に向けて、誰かがなにかを説明してるが、頭も心もアイリでいっぱいだった。

アイリは真剣に打ち合わせに参加している。大好きな愛のライブで失敗なんてできない、そう思っていた。

リハーサルも、アイリは、真剣に挑む。
愛は、その姿を、ずっと見ていた。

好きで好きでたまらなかった、アイリ
そのアイリと今、一緒の事を目指している。

愛は、ライブを成功させようと気持ちを切り替えた。


ライブ当日は、天気にも恵まれ、ファンのテンションも高かった。

愛がステージに立つと、ファンは熱狂的になる。愛の名前を呼ぶ声が、雷鳴のように響きわたる。
愛は、仕事をこなすことに集中した。

アイリを紹介し、ステージへ呼ぶ。

テンションマックス熱狂中のファンは、盛り上がった。

ライブが終わり、楽屋に、愛と大道2人でいた。
愛は、アイリのことを思い出していた。
そして、もう会えないのかと思い、切なくなっていた。そう思っていた時、扉をノックする音が聞こえた。大道がどうぞと言った。扉が開く。
アイリが挨拶にきた。

笑顔で挨拶するアイリ
アイリ「愛さん、今日は、本当にありがとうございました。宜しかったらまた一緒にお仕事してくださいね。」

愛は、アイリの笑顔を見た瞬間、心の中で、大好きな思いと憎しみの思いが湧きあがる。
大道マネージャーに、愛は言った。
愛「大道さん、アイリさんと2人で、話ししたいんだけど…良い?」

その言葉を聞いた大道は、若い女同士で話したいのかな?と思い、良いよと言って楽屋を出ていく。

アイリに悲しげな表情で近づく愛。

愛の感情が今、言葉になってアイリに放たれた。
愛「アイリ、どうして、どうして男なんかに走ったの?」

アイリは驚いた。愛からそんな事言われるとは思ってもいなかった。

アイリは驚いた顔のまま愛をみつめる。

愛はさらに言葉をぶつける。
愛「本当に好きだったのに…大好きだったのに…アイリは俺を裏切った。」

アイリは困惑した。俺を裏切った?どういう意味と思いながら愛を見ていた。ただ男に走ったと言う言葉は頭にこびりついた。

愛は、感情を言葉で吐き出し、ちょっと冷静になった。沈黙が続く…。今さら後には引けない。愛は、なにかないかな?と考え、思いついた事を口にする。
愛「アイリ、あんたと私は、名前が、かぶってる。ほんと迷惑、アイドル辞めたら?」

アイリは、絶望した。

男に走った、裏切った、辞めたらがアイリの心に突き刺さっていた。

アイリは悲しくなり、涙が溢れる。

アイリは泣きながらも毅然と愛に挨拶をした。
アイリ「愛さん、ありがとうございました。」
お辞儀をして、アイリは楽屋をでていった。

愛はしばらく扉を見ていた。
本当にこれでよかったのか?そう思い愛は後悔の念にかられる。だが憎しみの感情もでてくる。愛は、これで良かったと心の中で自分に言い聞かせていた。

そろそろ良いかと大道が戻ってくる。扉の前で、座りこむ愛を見て話しかける。だが愛は話しをせず、帰る用意をし始めた。

大道は、疲れているのだろうと思い、ねぎらいの言葉をかけながら、愛を家まで送った。
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