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第二章~新しい生活~
新学期
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俺が校門の前で春休みの出来事を思い出していると、後ろから
「な~に黄昏てんの?お兄ちゃん」
「いや、春休み色々やってきたけどちょっと不安になってな」
リア充になって柚希を自己顕示欲から救うと決めたが、そもそもリア充になれるのか不安だ。
二年生デビューとか斬新すぎるだろ。
「大丈夫だって!私がプロデュースしてるんだから!」
「凄い自信だな」
「まぁね~」
なんて話していると
「おはようございます!」
と小走りで近くにまで来て挨拶をする女子! これは今までには無かったな。
「おはよう、めぐ」
「おはよ~」
挨拶を返し、柚希とめぐのやり取りを見る。
どちらが制服似合っているか等で盛り上がっている。
こうしていると本当に親友同士なんだなぁと思える光景だ。
だが、俺が一歩間違えば柚希はめぐを奈落の底に落とすだろう。
自分の自己顕示欲を満たす為なら親友すら利用する、自己顕示欲の塊。
俺に失敗は許されない。
「じゃあ俺は教室行くから」
「頑張ってねお兄ちゃん」
「はい、頑張ってください」
決意を新たに二年生のクラス割を見に行く。
クラス割が張られた掲示板の前は人で溢れ返っていた。
しばらく張り紙を見て自分の名前を見つける。
2年3組になったようだ。
ザッと同じクラスの生徒を見ると、去年も同じクラスだった奴がちらほら居る。
柚希曰く、去年同じクラスだった奴を上手く扱えればイケると言っていた。
だが、掲示板に書かれている名前を見て俺は既に挫けそうだった。
何故ならそいつらの殆どがリア充グループの中でもトップカーストに位置する存在だったからだ。
そんな奴等をどう扱えっていうんだ……。
いつまでも掲示板の前に居る訳に行かないので2年3組の教室近くまでやってきた。
ここに来るまでなんか注目を浴びていた。
「え?誰あの人」「ウチの学校にあんな人居たっけ?」「転校生かな?」
等の俺の心にクリティカルヒットする声も聞こえてきた。
今すぐにでも帰りたい欲求を我慢しながら、とうとう2年3組の教室に着いた。
教室内は既に結構なクラスメイトが登校していた。
いつまでも怖気づいていられないので、普段と同じように教室に入る。
自分の席順を確認して席に着く。
新学年初日なので名前の順で席が割り振られていた。
俺の席は廊下から3列目の前から3番目だった。
俺が席に着き、一息吐いて周りを見渡すと、俺の左隣の女子と目が合った。
いきなり去年も同じクラスだった女子とエンカウントしてしまった。
と、とりあえずは挨拶かな?
「おはよう、今年も同じクラスだね」
我ながらスラスラ言えたと思う。これも特訓の成果だろう。
しかし、中々返事が返って来ない。やはり不自然だったのかな?と彼女を見ると
「え~っと、お、おはよう?」
何故か疑問形で返されたが、挨拶が上手く行ったので良しとしようとすると
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」
と、慌てた様子で声を掛けられた。
「どうしたの?」
「もしかして、佐藤?」
「そうだよ? 今年もよろしく及川」
俺の返事で更に驚愕する及川。
トップカースに所属している一人がこの及川佳奈子だ。
髪はふわっとしたウェーブが掛かっていて肩より少し長い。
まつ毛も長く、目も大きい。
ギャルという訳ではなく、イケてる女子といった感じだ。
しかし、そんな及川が不審な目で俺をじーっと見ている。
「どうしたの?」
と聞くと
「本当に佐藤なの? あの地味でいつも一人だった」
「そうだけど。あ! イメチェンしたから分かんなかった?」
と、自分から変わった事を告げた。
これも柚希曰くポイントらしい。
「イメチェンって……」
あれ? 反応がわるいな。
と思っていると
「変わりすぎでしょ! 喋り方もそうだけど、え? なに? そんなにイケメンだったの?」
「そんなに変わったかなぁ?」
「いや、むしろ別人が来たって言われた方が納得するよ!」
柚希やめぐ以外の女子、しかもトップカーストに所属する及川にまでイケメンと言われた。
「えっと、ごめん?」
「いや、謝る事じゃないけどさ。勿体ないな~、1年の時にその恰好してればな~」
まぁ1年の時は周りに興味なかったしね。
「でもどうしていきなりイメチェンなの? 2年生デビューってタイミング可笑しくない?」
ここはどう答えればいいのだろうか?
本当の事は言えないので適当に誤魔化すしかないんだけど。
「やっぱり彼女ほしくてさ~。だから2年からは本気で彼女作ろうかな~って思って」
「佐藤でもそういうの興味あったんだ?」
「ちょ、ヒドくない?」
「あはは、ごめんごめん」
何かさっきから良い感じに会話出来てるな。
この事に関しては柚希様様だな。
「でも、今の佐藤なら直ぐに彼女できるんじゃない?」
「そ、そうか?」
俺がそう答えると、及川はちょいちょいと手招きする。
俺が顔を近づけると、耳打ちしてきた。
「それで、誰が狙いなの?」
俺は耳に当たる吐息がくすぐったく、思わず及川から勢いよく離れた。
きっと今は顔が赤くなってるに違いない。
「だ、誰かを狙ってるとか今はないかな?」
「な~んだ、つまんないの~」
と言いながら及川は口を尖らせる。
そして始業のチャイムと共に担任の教師が入って来て会話は終了となった。
及川と話していて気付いたが、俺と話している時でも及川の表情がコロコロ変わっていた。
柚希の言う通り、表情は大切なのだろう。
表情の練習は毎日続けた方が良さそうだ。
「な~に黄昏てんの?お兄ちゃん」
「いや、春休み色々やってきたけどちょっと不安になってな」
リア充になって柚希を自己顕示欲から救うと決めたが、そもそもリア充になれるのか不安だ。
二年生デビューとか斬新すぎるだろ。
「大丈夫だって!私がプロデュースしてるんだから!」
「凄い自信だな」
「まぁね~」
なんて話していると
「おはようございます!」
と小走りで近くにまで来て挨拶をする女子! これは今までには無かったな。
「おはよう、めぐ」
「おはよ~」
挨拶を返し、柚希とめぐのやり取りを見る。
どちらが制服似合っているか等で盛り上がっている。
こうしていると本当に親友同士なんだなぁと思える光景だ。
だが、俺が一歩間違えば柚希はめぐを奈落の底に落とすだろう。
自分の自己顕示欲を満たす為なら親友すら利用する、自己顕示欲の塊。
俺に失敗は許されない。
「じゃあ俺は教室行くから」
「頑張ってねお兄ちゃん」
「はい、頑張ってください」
決意を新たに二年生のクラス割を見に行く。
クラス割が張られた掲示板の前は人で溢れ返っていた。
しばらく張り紙を見て自分の名前を見つける。
2年3組になったようだ。
ザッと同じクラスの生徒を見ると、去年も同じクラスだった奴がちらほら居る。
柚希曰く、去年同じクラスだった奴を上手く扱えればイケると言っていた。
だが、掲示板に書かれている名前を見て俺は既に挫けそうだった。
何故ならそいつらの殆どがリア充グループの中でもトップカーストに位置する存在だったからだ。
そんな奴等をどう扱えっていうんだ……。
いつまでも掲示板の前に居る訳に行かないので2年3組の教室近くまでやってきた。
ここに来るまでなんか注目を浴びていた。
「え?誰あの人」「ウチの学校にあんな人居たっけ?」「転校生かな?」
等の俺の心にクリティカルヒットする声も聞こえてきた。
今すぐにでも帰りたい欲求を我慢しながら、とうとう2年3組の教室に着いた。
教室内は既に結構なクラスメイトが登校していた。
いつまでも怖気づいていられないので、普段と同じように教室に入る。
自分の席順を確認して席に着く。
新学年初日なので名前の順で席が割り振られていた。
俺の席は廊下から3列目の前から3番目だった。
俺が席に着き、一息吐いて周りを見渡すと、俺の左隣の女子と目が合った。
いきなり去年も同じクラスだった女子とエンカウントしてしまった。
と、とりあえずは挨拶かな?
「おはよう、今年も同じクラスだね」
我ながらスラスラ言えたと思う。これも特訓の成果だろう。
しかし、中々返事が返って来ない。やはり不自然だったのかな?と彼女を見ると
「え~っと、お、おはよう?」
何故か疑問形で返されたが、挨拶が上手く行ったので良しとしようとすると
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」
と、慌てた様子で声を掛けられた。
「どうしたの?」
「もしかして、佐藤?」
「そうだよ? 今年もよろしく及川」
俺の返事で更に驚愕する及川。
トップカースに所属している一人がこの及川佳奈子だ。
髪はふわっとしたウェーブが掛かっていて肩より少し長い。
まつ毛も長く、目も大きい。
ギャルという訳ではなく、イケてる女子といった感じだ。
しかし、そんな及川が不審な目で俺をじーっと見ている。
「どうしたの?」
と聞くと
「本当に佐藤なの? あの地味でいつも一人だった」
「そうだけど。あ! イメチェンしたから分かんなかった?」
と、自分から変わった事を告げた。
これも柚希曰くポイントらしい。
「イメチェンって……」
あれ? 反応がわるいな。
と思っていると
「変わりすぎでしょ! 喋り方もそうだけど、え? なに? そんなにイケメンだったの?」
「そんなに変わったかなぁ?」
「いや、むしろ別人が来たって言われた方が納得するよ!」
柚希やめぐ以外の女子、しかもトップカーストに所属する及川にまでイケメンと言われた。
「えっと、ごめん?」
「いや、謝る事じゃないけどさ。勿体ないな~、1年の時にその恰好してればな~」
まぁ1年の時は周りに興味なかったしね。
「でもどうしていきなりイメチェンなの? 2年生デビューってタイミング可笑しくない?」
ここはどう答えればいいのだろうか?
本当の事は言えないので適当に誤魔化すしかないんだけど。
「やっぱり彼女ほしくてさ~。だから2年からは本気で彼女作ろうかな~って思って」
「佐藤でもそういうの興味あったんだ?」
「ちょ、ヒドくない?」
「あはは、ごめんごめん」
何かさっきから良い感じに会話出来てるな。
この事に関しては柚希様様だな。
「でも、今の佐藤なら直ぐに彼女できるんじゃない?」
「そ、そうか?」
俺がそう答えると、及川はちょいちょいと手招きする。
俺が顔を近づけると、耳打ちしてきた。
「それで、誰が狙いなの?」
俺は耳に当たる吐息がくすぐったく、思わず及川から勢いよく離れた。
きっと今は顔が赤くなってるに違いない。
「だ、誰かを狙ってるとか今はないかな?」
「な~んだ、つまんないの~」
と言いながら及川は口を尖らせる。
そして始業のチャイムと共に担任の教師が入って来て会話は終了となった。
及川と話していて気付いたが、俺と話している時でも及川の表情がコロコロ変わっていた。
柚希の言う通り、表情は大切なのだろう。
表情の練習は毎日続けた方が良さそうだ。
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