時を止めるって聖女の能力にしてもチートすぎるんじゃないんでしょうか?

南 玲子

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サクラの反撃

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かなり心配しながら走ってきたのだろう、汗をかいて肩で息をしながら現れたユーリス様は、私の髪を撫でているセイアレスを見て激高する。

「セイアレス、その手を離してください!!!」

セイアレスはそんなユーリス様をものともせずに、相変わらずの微笑を浮かべていう。

「ユーリス騎士隊長。思ったよりも早い到着でしたね。騎士訓練所から王城まではそんなに離れてはいないとはいえ、5キノはあるでしょう。まあ、貴方には今から死んでいただいて、王子殺害の犯人になっていただくつもりなので、時間の無駄が省けて良かったです」

そういわれてユーリス様は、はじめて地面に伏したままで虫の息のアルフリード王子とその傍らに立つエルドレッド王子に気がついたようだった。

「・・・・!!!」

「ユーリス!!アルが!!それに私の能力が効かないの!!」

私は悲鳴にも似た声で叫んだ。
時を動かせないと言うことは、助けを呼べないということ。魔力ゼロの私では何の役にも立たない。
無意識に唇を噛む。唇が切れて血が出たようだ。口の中に血の味が広がる。
誰か!アルを助けて!!早くしないと死んでしまう!!
何もできない自分に腹が立った。

「サクラ!!大丈夫だ。私が必ず助けるから待っててください」

力強いユーリス様の声が、私を現実にひき戻す。そうだ。まだ終わりじゃない!!!
私は力の限りセイレアスの眼を見て睨んだ。そして私の髪を撫でているその上腕部に、思い切り噛み付いた。

「・・・・・・!!!」

次の瞬間、頬に衝撃が走って床に倒れこむ。セイレアスが私に平手打ちをしたのだ。
その右腕を見ると元からあった傷が開いたらしく、思ったより大きい傷になっていた。
血のついた口を袖で拭う。窮鼠猫を噛むっていうとうり、魔力ゼロの私にだってできることはあるのよ!ざまあみろ!!・・・と心の中で自己満足する。
私が殴られたことで、さらに怒りに火を注いだユーリス様がセイレアスに攻撃を仕掛けた。

「セイレアス!貴方だけは絶対に許しません!!!!」

すでに半壊している王城の東棟に、新たな爆発音が響き渡った。

セイアレスとユーリス様は、お互い私を傷つけることは避けたいという共通の考えがあるので、かなり離れた場所で戦いを始めていた。
少しでも早くアルの容態を確認したい私を、エルドレッド王子が私の目の前に仁王立ちになって阻む。
アルと同じ金色の髪と青い瞳を持つこの青年が、どれほどの悪感情をアルフリードに持っているのだろう。実の兄弟だというのに、血を流し倒れている兄に対して何の感情も抱かないのか?いや兄弟だからこその計り知れない感情が、そこにあるのかも知れない。
だとしても、今の私にできることは一つしかない。

エルドレッド王子から銀の指輪を奪うこと!!

目の端で気づかれずに、そっと目的の指輪を再度確認する。

「エルドレッド王子、私と勝負しませんか?」


「は・・?」
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