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クラマ 愛の告白を受ける
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突然現れたそのお方の一言で一瞬で固まった私とマリス騎士様は、不安定な体勢のまま重力に逆らえずに水の中に吸い込まれる。
バッシャーン!!
と大きい水音がしたと思ったら体全体が水の中に浸かっていて、で水を吸った服が重くてうまく水面に上がれない。溺れる!!と思った次の瞬間、私は勢いよく水から引き上げられた。一瞬何が起こったのか分からなかったけれど、すぐに理解できた。ユーリが溺れそうな私を川から引き上げてくれたらしい。
いつもの栗色の髪に水の雫をこれでもかと垂らしているお顔が目の前にある。そのお顔には心配と憤りが混在していた。
「クラマ。大丈夫ですか?」
心配そうな顔で聞く。私が返事の代わりに2回ほど頷くと、ユーリは突然顔を上げたかと思うと未だ川の中にいるマリス騎士を、いままで聞いたことのない程の怒気がこもった声で呼びつけた。
「マリス!!ここに来て何があったか説明しろ!!内容いかんによっては覚悟しておけ!!」
マリス騎士がその剣幕に恐れおののきながら川からでて、私をお姫様抱っこしたまま水を体中から滴らせているユーリの方へ歩み寄っていった。
突然のユーリス隊長の出現に、今まで水と戯れていた騎士様達が、打って変わったように静かになって水の中で硬直している。騎士様達のなかには最年少で騎士隊長になったユーリと同じ騎士隊長である方もいらっしゃるというのに、その方々までユーリの剣幕に固まっていた。
ユーリはかなり怒っているようだ。他の騎士様がすごく不安そうな顔でこちらを見守っている。ここは私が何とかしないと!!私はマリス騎士を睨みつけているユーリの顔を両手で挟むと無理やり自分のほうに向けて言った。
「ユーリス様。これは私が足を滑らせて川に落ちたところを、お優しいマリス騎士様が助けてくださったんです」
これは半分くらいは嘘ではない。私が溺れそうなところを助けてもらったのは間違いないからだ。なんとかユーリの目を私の目から逸らせないように、頬を挟んでいる両手に力を込める。
私を見たとたんに怒りにまみれていた目が突然柔和な目に変わり、いつもの溺愛マックススマイルが炸裂した。この笑顔に弱いんだよね・・・私。胸のほうが少し熱くなる。でもこれでやっとマリス騎士様を救えた・・・と思った瞬間、マリス騎士様がとんでもないことを言い出した。
「ユーリス隊長。貴方には相愛する婚約者がいるはずです。なのにクラマにまで気を持たせることをして、弄ばれているクラマが可哀想です。俺は・・・俺はクラマを助けたいんです」
な・・な・・なんですと!?やっぱり、私・・・クラマ(男)がユーリ(男)を好きだとか言う展開なのでしょうか?!
ユーリが顔をマリス騎士のほうに向けようとするのを、両手に力を込めて阻止する。折角わたしがなんとかユーリの怒りを逸らせようとしているのに、まだマリス騎士様は続けた。
「俺ならクラマを幸せにできると思うんです・・・」
「「「「・・・・・・・・・!!!!!!」」」」
その場にいた全ての人が固まった。
こ・・・これってもしかして・・・愛の告白ですかーーー!!!!?ちょっと待て、クラマはここでは13歳の少年って事になっている。それでマリス騎士様は29歳。いやBLだとしてもしなくても、犯罪的年齢差だ!!
私はユーリの顔を私のほうに向けて固定したまま、マリス騎士様のほうを見た。その顔はとても真剣で、頬をうっすらと赤く染めていた。
本気だ!!この人本気でクラマ少年が好きなんだ!私はマリス騎士様の本気度を知って、顔を青冷めさせた。それを見たユーリがくるりと自分の体全体を90度回転させ、マリス騎士様を見据える。一触即発だ!ここは私が何とかしないと・・・!!
私は上半身を後方にねじって、マリス騎士様のほうを見るとこういってやった。
「マリス騎士様!私はユーリス様のことなど、これっぽっちも好きだと思ったことなどありません!!世界中で男がユーリス様一人になったとしても、ユーリス様と何とかなるなんて事は絶対にありえないんです!!っていうか男の人とそういった関係になることはありません。僕は普通にアイシス様みたいな女性が好きな普通の男なんです!!」
言った!!言ってやったぞ!!とドヤ顔で、騎士様達やアイシス様の顔を見る・・・となんだか雰囲気がおかしい。みんな一様に責める様な目でこちらを見ている、どうかしたのかと思いユーリのほうを見ると、ユーリは絶望に満ちた顔で硬直したまま動けないでいた。暫くそのままでいたが、やっと何とか言葉を絞り出したかと思えば、こんなことをいった。
「私のことが、そんなに好きじゃないんだ・・・」
えええええーー!!何でそうなるのぉーーー?
マリス騎士様相手のBLのフラグを折るつもりが、ユーリの心をいたく傷つけてしまったようだ。
その後、クラマにふられて同じように固まったマリス騎士様を、ボイル騎士様、ギルア騎士様らが回収していった。後で聞いたところによると、やはりというかマリス騎士様は男の人が好きな方らしく、今までも恋人は男の人だったらしい。
やばい、私狙われていたのか。危なかった・・・ほっと胸を撫で下ろす。
バッシャーン!!
と大きい水音がしたと思ったら体全体が水の中に浸かっていて、で水を吸った服が重くてうまく水面に上がれない。溺れる!!と思った次の瞬間、私は勢いよく水から引き上げられた。一瞬何が起こったのか分からなかったけれど、すぐに理解できた。ユーリが溺れそうな私を川から引き上げてくれたらしい。
いつもの栗色の髪に水の雫をこれでもかと垂らしているお顔が目の前にある。そのお顔には心配と憤りが混在していた。
「クラマ。大丈夫ですか?」
心配そうな顔で聞く。私が返事の代わりに2回ほど頷くと、ユーリは突然顔を上げたかと思うと未だ川の中にいるマリス騎士を、いままで聞いたことのない程の怒気がこもった声で呼びつけた。
「マリス!!ここに来て何があったか説明しろ!!内容いかんによっては覚悟しておけ!!」
マリス騎士がその剣幕に恐れおののきながら川からでて、私をお姫様抱っこしたまま水を体中から滴らせているユーリの方へ歩み寄っていった。
突然のユーリス隊長の出現に、今まで水と戯れていた騎士様達が、打って変わったように静かになって水の中で硬直している。騎士様達のなかには最年少で騎士隊長になったユーリと同じ騎士隊長である方もいらっしゃるというのに、その方々までユーリの剣幕に固まっていた。
ユーリはかなり怒っているようだ。他の騎士様がすごく不安そうな顔でこちらを見守っている。ここは私が何とかしないと!!私はマリス騎士を睨みつけているユーリの顔を両手で挟むと無理やり自分のほうに向けて言った。
「ユーリス様。これは私が足を滑らせて川に落ちたところを、お優しいマリス騎士様が助けてくださったんです」
これは半分くらいは嘘ではない。私が溺れそうなところを助けてもらったのは間違いないからだ。なんとかユーリの目を私の目から逸らせないように、頬を挟んでいる両手に力を込める。
私を見たとたんに怒りにまみれていた目が突然柔和な目に変わり、いつもの溺愛マックススマイルが炸裂した。この笑顔に弱いんだよね・・・私。胸のほうが少し熱くなる。でもこれでやっとマリス騎士様を救えた・・・と思った瞬間、マリス騎士様がとんでもないことを言い出した。
「ユーリス隊長。貴方には相愛する婚約者がいるはずです。なのにクラマにまで気を持たせることをして、弄ばれているクラマが可哀想です。俺は・・・俺はクラマを助けたいんです」
な・・な・・なんですと!?やっぱり、私・・・クラマ(男)がユーリ(男)を好きだとか言う展開なのでしょうか?!
ユーリが顔をマリス騎士のほうに向けようとするのを、両手に力を込めて阻止する。折角わたしがなんとかユーリの怒りを逸らせようとしているのに、まだマリス騎士様は続けた。
「俺ならクラマを幸せにできると思うんです・・・」
「「「「・・・・・・・・・!!!!!!」」」」
その場にいた全ての人が固まった。
こ・・・これってもしかして・・・愛の告白ですかーーー!!!!?ちょっと待て、クラマはここでは13歳の少年って事になっている。それでマリス騎士様は29歳。いやBLだとしてもしなくても、犯罪的年齢差だ!!
私はユーリの顔を私のほうに向けて固定したまま、マリス騎士様のほうを見た。その顔はとても真剣で、頬をうっすらと赤く染めていた。
本気だ!!この人本気でクラマ少年が好きなんだ!私はマリス騎士様の本気度を知って、顔を青冷めさせた。それを見たユーリがくるりと自分の体全体を90度回転させ、マリス騎士様を見据える。一触即発だ!ここは私が何とかしないと・・・!!
私は上半身を後方にねじって、マリス騎士様のほうを見るとこういってやった。
「マリス騎士様!私はユーリス様のことなど、これっぽっちも好きだと思ったことなどありません!!世界中で男がユーリス様一人になったとしても、ユーリス様と何とかなるなんて事は絶対にありえないんです!!っていうか男の人とそういった関係になることはありません。僕は普通にアイシス様みたいな女性が好きな普通の男なんです!!」
言った!!言ってやったぞ!!とドヤ顔で、騎士様達やアイシス様の顔を見る・・・となんだか雰囲気がおかしい。みんな一様に責める様な目でこちらを見ている、どうかしたのかと思いユーリのほうを見ると、ユーリは絶望に満ちた顔で硬直したまま動けないでいた。暫くそのままでいたが、やっと何とか言葉を絞り出したかと思えば、こんなことをいった。
「私のことが、そんなに好きじゃないんだ・・・」
えええええーー!!何でそうなるのぉーーー?
マリス騎士様相手のBLのフラグを折るつもりが、ユーリの心をいたく傷つけてしまったようだ。
その後、クラマにふられて同じように固まったマリス騎士様を、ボイル騎士様、ギルア騎士様らが回収していった。後で聞いたところによると、やはりというかマリス騎士様は男の人が好きな方らしく、今までも恋人は男の人だったらしい。
やばい、私狙われていたのか。危なかった・・・ほっと胸を撫で下ろす。
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