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ヘル騎士の正体
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兵士達が私に気がつく前に、私はもう4人の兵士を剣先から出した魔力の玉で戦闘不可能にしてあった。近衛兵らが陣形をとっているのが目に入る。私を囲い込む作戦のようだ。
悪いがその作戦は無駄だ。
私は陣形を崩すため、あらかじめ最初に倒した兵士の体の下に魔石を仕込んでおいた。その魔石が私の合図で光を放ち陣形が乱れる。その隙を突いて一気に6名の近衛兵を倒す。
殺してはいないが、全員を気絶させて倒すには、戦力が拮抗しているため不可能だ。できる限り兵士を無傷のままで倒し、ここを突破するのが一番だがそうもいっていられない。
「ユーリス隊長!!おやめください。アルフリード王子からは素直に従っていただければ、罪には問わないとのご命令を受けています!剣をお納めください!!」
見知った近衛兵の一人が私を説得しようとする。
「そこを通してください、ボルス。無駄に怪我をしたくはないでしょう。お前たちに、この私が止められると思っているのですか?」
私は残った兵士達を威嚇しながら、好機を待つ。一人の兵が動いた。その隙に、剣に魔力を込め180度の方向に小さな魔力の弾を撃つ。
すると一人の近衛兵が私の動きを読んでいたようで、後ろから攻撃してきた。それを背後を見ずに剣で受けて、回し蹴りをして体技で近衛兵を倒す。
「ちっ・・・!!!」
その攻撃で剣が折れたようだ。やはり自分の剣でないと私の魔力に耐えられないらしい。私は兵士達の攻撃をかわしながら、東門を走り抜けようと思ったときだった。
「ユーリス!!お前の剣だ!受け取れ!!!」
一瞬、太陽の光が反射してよく見えなかったが、その光を反射する物が私の剣だと理解した時には、その剣は私の右手に吸い込まれるようにして収まった。
光のようなスピードで舞うように、その台詞をはいた人物が、次々と兵士達を倒していく。私も負けじと兵士達を倒し続けた。やはり自分の剣が一番性にあう。
あっという間にその人物と一緒に、全ての兵を倒しきった。
すぐさま、東門を抜けて馬を奪ってその人物と逃げた。
安心できる距離まで逃げた時に、ゆっくりその人物の顔を見た。騎士隊の服を着ていることから騎士だろうことは分かったが、その顔は何度か訓練所で見たことがある程度の人物だ。どうして危険を冒してまで私を助けてくれるのかが分からなかった。
王子の命に逆らったのだ。騎士の地位どころか命さえ危うい。私は彼の名前を聞いてみた。
「私はヘル。ヘル騎士だ。私のことは後で説明しよう。とにかく今は隠れ家に急ごう。アイシスと待ち合わせをしているんだろう?」
こいつどこから話を聞いていたのか・・。まあいい敵ではなさそうだ。少し様子を見よう。
私はそう思って、アイシスと待ち合わせた隠れ家に向かった。その前に食料を仕入れておくのも忘れなかった。
小屋に着くとまず私達は馬を木の茂みに隠した。そして中に入ると、そこは埃だらけで湿っていた。窓を全開にして、新鮮な空気と日光を小屋の中に入れる。
ヘル騎士がその騎士の制服を脱いで椅子に掛ける。どうだろう、こいつは騎士にしてはかなり華奢な体型をしている。だからこそのあのスピードなのだろうが・・・。
ヘル騎士を見て考え事をしていると、私の視線に気がついたようで笑いながらクールに言い放った。
「ユーリス。私が誰かまだ気がつかないのか・・。あれ程小さい頃遊んでやったろう・・・」
「・・・・・・!!」
小さい頃、一緒に遊んだ?!一体誰だというんだ?
頭の中で沢山の顔を思い浮かべては、却下する。いや、こんな男に会ったことはないはずだ。そんな結論に達した。そのときヘル騎士が笑って自分の髪に手をやりながら言った。
「本当にお前はアホだな。こうしたら分かるか?」
ヘル騎士が魔力を込めると、金色の短髪が銀色になって腰まで真っ直ぐに流れるほどの長さになった。
そしてその緑色の眼は濃い青色に変わった。
その姿は・・・あの・・・。
「も・・・もしかして貴方は・・・ヘルミーナ伯爵令嬢!!!!」
悪いがその作戦は無駄だ。
私は陣形を崩すため、あらかじめ最初に倒した兵士の体の下に魔石を仕込んでおいた。その魔石が私の合図で光を放ち陣形が乱れる。その隙を突いて一気に6名の近衛兵を倒す。
殺してはいないが、全員を気絶させて倒すには、戦力が拮抗しているため不可能だ。できる限り兵士を無傷のままで倒し、ここを突破するのが一番だがそうもいっていられない。
「ユーリス隊長!!おやめください。アルフリード王子からは素直に従っていただければ、罪には問わないとのご命令を受けています!剣をお納めください!!」
見知った近衛兵の一人が私を説得しようとする。
「そこを通してください、ボルス。無駄に怪我をしたくはないでしょう。お前たちに、この私が止められると思っているのですか?」
私は残った兵士達を威嚇しながら、好機を待つ。一人の兵が動いた。その隙に、剣に魔力を込め180度の方向に小さな魔力の弾を撃つ。
すると一人の近衛兵が私の動きを読んでいたようで、後ろから攻撃してきた。それを背後を見ずに剣で受けて、回し蹴りをして体技で近衛兵を倒す。
「ちっ・・・!!!」
その攻撃で剣が折れたようだ。やはり自分の剣でないと私の魔力に耐えられないらしい。私は兵士達の攻撃をかわしながら、東門を走り抜けようと思ったときだった。
「ユーリス!!お前の剣だ!受け取れ!!!」
一瞬、太陽の光が反射してよく見えなかったが、その光を反射する物が私の剣だと理解した時には、その剣は私の右手に吸い込まれるようにして収まった。
光のようなスピードで舞うように、その台詞をはいた人物が、次々と兵士達を倒していく。私も負けじと兵士達を倒し続けた。やはり自分の剣が一番性にあう。
あっという間にその人物と一緒に、全ての兵を倒しきった。
すぐさま、東門を抜けて馬を奪ってその人物と逃げた。
安心できる距離まで逃げた時に、ゆっくりその人物の顔を見た。騎士隊の服を着ていることから騎士だろうことは分かったが、その顔は何度か訓練所で見たことがある程度の人物だ。どうして危険を冒してまで私を助けてくれるのかが分からなかった。
王子の命に逆らったのだ。騎士の地位どころか命さえ危うい。私は彼の名前を聞いてみた。
「私はヘル。ヘル騎士だ。私のことは後で説明しよう。とにかく今は隠れ家に急ごう。アイシスと待ち合わせをしているんだろう?」
こいつどこから話を聞いていたのか・・。まあいい敵ではなさそうだ。少し様子を見よう。
私はそう思って、アイシスと待ち合わせた隠れ家に向かった。その前に食料を仕入れておくのも忘れなかった。
小屋に着くとまず私達は馬を木の茂みに隠した。そして中に入ると、そこは埃だらけで湿っていた。窓を全開にして、新鮮な空気と日光を小屋の中に入れる。
ヘル騎士がその騎士の制服を脱いで椅子に掛ける。どうだろう、こいつは騎士にしてはかなり華奢な体型をしている。だからこそのあのスピードなのだろうが・・・。
ヘル騎士を見て考え事をしていると、私の視線に気がついたようで笑いながらクールに言い放った。
「ユーリス。私が誰かまだ気がつかないのか・・。あれ程小さい頃遊んでやったろう・・・」
「・・・・・・!!」
小さい頃、一緒に遊んだ?!一体誰だというんだ?
頭の中で沢山の顔を思い浮かべては、却下する。いや、こんな男に会ったことはないはずだ。そんな結論に達した。そのときヘル騎士が笑って自分の髪に手をやりながら言った。
「本当にお前はアホだな。こうしたら分かるか?」
ヘル騎士が魔力を込めると、金色の短髪が銀色になって腰まで真っ直ぐに流れるほどの長さになった。
そしてその緑色の眼は濃い青色に変わった。
その姿は・・・あの・・・。
「も・・・もしかして貴方は・・・ヘルミーナ伯爵令嬢!!!!」
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