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ギルセナ王国 結婚式
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ギルセナ王国レンブレント国王とセリーヌ・ド・ボン・クレーヌ公爵令嬢の結婚式が盛大に始まろうとしていた。
何千人と人を収容できる規模の教会の大聖堂に、所狭しと様々な人がその時を待っていた。神官達や、魔術師達、騎士軍団も勢ぞろいしている。
近隣の王族も招待を受けていたらしく、よく知る王族の顔がちらほら見える。
皆が座る椅子の間には、溢れんばかりの花が飾ってあって、ここが室内である事を忘れそうになるくらいだった。おおきなオーケストラが奏でる音楽が鳴り響くと、沢山の花びらと共に、花婿の豪華な衣装をきたレンブレント国王がマントをはためかせて入ってくる。
沢山の人の拍手の渦の中、堂々と真ん中に用意された赤いカーペットを進み、教会の奥の神父の前で振り返った。一段と拍手が大きくなる。
一旦拍手が収まり、沈黙が教会に流れたかと思うと、またオーケストラが指揮者の合図に合わせて音楽を奏でると、そこに純白の煌めくような輝きを放つドレスを着た女性が登場した。ベールのため顔は確認できないが、その透き通ったように輝く黒髪を見てアルフリードはセシリアだと確信する。
そのドレスは所々に宝石がちりばめられ、光の反射でまるで雪が舞っているかのように輝く。ドレスの裾は花嫁の身長よりも長く作られており、頭から下がっているベールは膝の高さまでで、細かい贅沢な模様が薄くついていた。ベールの上にはティアラが乗っていて、これまた贅沢なほどに宝石をふんだんに使用している。
花嫁の登場と同時に参列客はみな一様に、あまりの美しさに感嘆の溜息を漏らした。花嫁は軽やかにカーペットの上をゆっくりと進み、花婿の元に向かう。レンブレント王が花嫁の手を取ると、それが合図だったのか神父が厳かに語り始めた。
いくつかの文言を繰り返した後、最後の質問にはいる。
「汝、幸せな時も、困難な時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなる時も、死が二人を分かつまで愛し、慈しみ、貞操を守ることをここに誓いますか?」
レンブレント国王が百獣の王でも従えたかのように満足げな笑みを浮かべ答える。
「誓います」
次は花嫁の番だ・・。
「汝、幸せな時も、困難な時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなる時も、死が二人を分かつまで愛し、慈しみ、貞操を守ることをここに誓いますか?」
「・・・・・・」
花嫁が口を開いて何か言おうとしたときに、それが合図だったのか彼らが動いた!!
教会全体が震えるほどの大音量が場を支配した。
まずユーリスが、目をつけておいた兵士から剣を拝借して、花婿と花嫁の後ろにある、大きなステンドグラスを剣からほとばしる炎の束で破壊した。一瞬でユーリスの魔力に耐えられずに折れた剣を、傍にいる兵士に投げつけてそいつの剣を取り上げる。
そうしてから彼は花嫁を腕に抱いて肩の上に担ぎ上げると、仲間のほうに向かって走る。
アルフリードも魔力を練って教会の床に魔法陣を描き、近づいてくる兵士らを足止めする。アルフリードの魔力量に比例して、かなり広い範囲で展開されたその魔法陣に立ち入った兵士らは、一歩も動けない状態になっていた。
参列客が大挙して出口に向かって波のように押し寄せる。そのせいで新たな兵士が中に入って来れないようだ。今のところ教会を守っていた兵士のみが相手だ。
キアヌス騎士や、マリス騎士、ヘル騎士も ギルセナ国の兵士らと応戦している。クラウスは常にヘル騎士の背後にいて、一緒に戦っている。二人はとても息が合っていて、会話をしなくてもお互いの行動を把握しているようだった。
「久しぶりだな、クラウス。こうやって一緒に戦うのは・・・。相変わらず左下からの攻撃が甘いぞ。騎士団総長の机仕事ばかりで、腕がなまっているんじゃないか」
ヘルミーナがクラウスが取りこぼした兵士を、あっけなく片付けてから軽快にいう。その背後でまるで背中を合わせるようにして一緒に戦っているクラウスが、向かってくる敵に炎の玉を飛ばしてから、情けない声で言った。
「7年ぶりだ。こうやって近くにいて話ができるだけで、感激して涙が出そうだ。いつも遠くから見ていたから、目が合ったこともないし。今日の日記は書く事がいっぱいありそうだ」
日記まで書いてあるのか・・・何が書いてあるんだか。読むのが怖いな・・・。ヘルミーナが日記の内容を想像して、背筋に寒気を感じる。
そんなヘルミーナとクラウスたちが応戦している場所と少し離れたところに、アイシスが目立たないように身を縮こまらせて、教会の長いすの後ろに隠れていた。
ユーリスがアイシスの傍に立ち、兵士と戦いながら彼女に花嫁を渡す。アイシスが了解したといわんばかりに花嫁を自分の隣に誘導して床に座らせてから、花嫁のベールを取り外す。長い贅沢な薄いベールの下から、花嫁の美しく化粧をした顔がのぞく。
その花嫁はやはり・・・セシリアだった!!
「セシリア!良かった。大丈夫なの?」
アイシスが、心底安心したように言った。
かなりやつれていて目に生気が見られないが、確かにセシリア・・・サクラだった。花嫁の純白の衣装を身に着けてベールを取り、ドレスのすそを花が開くかのように広げて座っている彼女を見たユーリスが、一瞬彼女に目を奪われて手を止めた。
その隙を突いてレンブレント国王が、アイシスを剣を持っていない方の腕でなぎ払うと、セシリアの腰を抱いて無理やり立ち上がらせる。アイシスは座った姿勢のまま、床に叩きつけられた。
「セシリア!!」
アルフリードがその様子を見て傍に寄ろうと駆け寄るが、それをレンブレント国王が目で制したので、その歩みを止めた。今セシリアの命を握っているのは彼なのだ。
ユーリスもセシリアの状態に気がついて戦いの手を止め、レンブレント国王の方を睨んでいる。サクラを左腕の中に抱きかかえてレンブレント国王が、右手に剣を持ちユーリスとアルフリードのほうを見つめる。アイシスは頭を打って気を失ったようで、レンブレント国王の背後で床に倒れたまま動かないままでいた。
「やっぱりな、アルフリード王子。 もうクリスティーナ・・・いやアンナの術はとっくに解けているようだな。限界でもきていたのか、あの女。まあいい。もう十分元は取らせてもらった。あとはどこで野たれ死のうとしったこっちゃない」
ウェーブのかかった茶色の短い髪を戦闘で巻き起こった風にひらめかせながら、下卑た薄笑いをその顔に浮かべていった。さすがに独裁者とはよくいったものだ。そのレンブレント国王の自分に一切迷いの無い自信の溢れる様子は、傍にいるものに威圧感と恐怖を与える。
アルフリードがそんなレンブレント国王を無視して、サクラに向かって叫んだ。
「サクラ!!すまなかった・・・あの言葉は嘘だ。オレの本心ではない。だから頼む、時を止めてくれ!」
恐らくレンブレント国王が与えた魔薬が効いているであろうサクラが、時を止めてくれるかどうかが勝敗の鍵だ。いくら彼らがウェースプ王国一の実力者達だとしても、ここは敵国のど真ん中だ。まともに戦えば幾分か時間は稼げるだろうが、多勢に無勢だ。終わりは目に見えている。ユーリスも負けじと叫ぶ。
「時を止めてください、サクラ!お願いします!」
レンブレント国王はそんなアルフリードとユーリスにも構わずに、いまだに嫌味な笑いを口元に浮かべている。
「お前らばかだな。この聖女はもう俺の言うことしかきかんぞ。ほら聖女。この飴をまたやるから、あいつらの言うことは聞かなくていい。俺の言うことだけ、聞いていればしあわせになれるぞ」
サクラはうつろな目でレンブレント国王に目をやると、かすれた声を出した。あまり体に力が入らなさそうだ。立っている足が震えていて、レンブレント国王が支えていないと今にも倒れそうだ。
「・・あ・・・・・」
そのサクラの様子に魔薬の影響をみたアルフリードが、我を忘れたようにサクラに向かって叫んだ。
「サクラ!愛している!これだけは言っておきたかった。あんな別れ方をしたままで終わりなんて、絶対に嫌だ!君を愛している!」
心からの想いがこもった叫びを聞いて、サクラがアルフリードの方向に目を動かした。そしてこのような状況下にあっても、未だ輝きを失っていないその黒曜石のような瞳に涙が溢れだしてきた。
「・・・・ふ・・・」
涙がとめどなく溢れてはその純白のドレスに落ちていく。呆然と空を見つめていた目が、レイブレント王の声に反応して揺れ動く。
「ほら飴だいらないのか?いらないなら捨てちまうぞ」
そういうが早いか、レンブレント国王が飴を床にばら撒く。結婚式用の赤いカーッペットの上に、飴の青色が妖しく光っている。
サクラの目が飴を追いかける。その瞬間アルフリードが駆け寄ってサクラを腕の中に抱きしめた。背後にいる剣を手にしたレンブレント王のことなど、目にも入っていないかのように・・・力の限り腕の中で抱きしめた。
「サクラ。心の底から愛している。ずっとオレの傍で頑張ったと言って欲しいのは、君以外にはいない・・・」
アルフリードの魂からの声はなんだか切なく、それでいて心が暖まるものだった。
腕の中に抱かれ、顔をその胸に押し付けられたサクラが横目に見たものは、レイブレント国王が、右手に持った剣でアルフリードを刺そうとしている瞬間だった。
その瞬間・・・時が・・止まった・・・。
何千人と人を収容できる規模の教会の大聖堂に、所狭しと様々な人がその時を待っていた。神官達や、魔術師達、騎士軍団も勢ぞろいしている。
近隣の王族も招待を受けていたらしく、よく知る王族の顔がちらほら見える。
皆が座る椅子の間には、溢れんばかりの花が飾ってあって、ここが室内である事を忘れそうになるくらいだった。おおきなオーケストラが奏でる音楽が鳴り響くと、沢山の花びらと共に、花婿の豪華な衣装をきたレンブレント国王がマントをはためかせて入ってくる。
沢山の人の拍手の渦の中、堂々と真ん中に用意された赤いカーペットを進み、教会の奥の神父の前で振り返った。一段と拍手が大きくなる。
一旦拍手が収まり、沈黙が教会に流れたかと思うと、またオーケストラが指揮者の合図に合わせて音楽を奏でると、そこに純白の煌めくような輝きを放つドレスを着た女性が登場した。ベールのため顔は確認できないが、その透き通ったように輝く黒髪を見てアルフリードはセシリアだと確信する。
そのドレスは所々に宝石がちりばめられ、光の反射でまるで雪が舞っているかのように輝く。ドレスの裾は花嫁の身長よりも長く作られており、頭から下がっているベールは膝の高さまでで、細かい贅沢な模様が薄くついていた。ベールの上にはティアラが乗っていて、これまた贅沢なほどに宝石をふんだんに使用している。
花嫁の登場と同時に参列客はみな一様に、あまりの美しさに感嘆の溜息を漏らした。花嫁は軽やかにカーペットの上をゆっくりと進み、花婿の元に向かう。レンブレント王が花嫁の手を取ると、それが合図だったのか神父が厳かに語り始めた。
いくつかの文言を繰り返した後、最後の質問にはいる。
「汝、幸せな時も、困難な時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなる時も、死が二人を分かつまで愛し、慈しみ、貞操を守ることをここに誓いますか?」
レンブレント国王が百獣の王でも従えたかのように満足げな笑みを浮かべ答える。
「誓います」
次は花嫁の番だ・・。
「汝、幸せな時も、困難な時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなる時も、死が二人を分かつまで愛し、慈しみ、貞操を守ることをここに誓いますか?」
「・・・・・・」
花嫁が口を開いて何か言おうとしたときに、それが合図だったのか彼らが動いた!!
教会全体が震えるほどの大音量が場を支配した。
まずユーリスが、目をつけておいた兵士から剣を拝借して、花婿と花嫁の後ろにある、大きなステンドグラスを剣からほとばしる炎の束で破壊した。一瞬でユーリスの魔力に耐えられずに折れた剣を、傍にいる兵士に投げつけてそいつの剣を取り上げる。
そうしてから彼は花嫁を腕に抱いて肩の上に担ぎ上げると、仲間のほうに向かって走る。
アルフリードも魔力を練って教会の床に魔法陣を描き、近づいてくる兵士らを足止めする。アルフリードの魔力量に比例して、かなり広い範囲で展開されたその魔法陣に立ち入った兵士らは、一歩も動けない状態になっていた。
参列客が大挙して出口に向かって波のように押し寄せる。そのせいで新たな兵士が中に入って来れないようだ。今のところ教会を守っていた兵士のみが相手だ。
キアヌス騎士や、マリス騎士、ヘル騎士も ギルセナ国の兵士らと応戦している。クラウスは常にヘル騎士の背後にいて、一緒に戦っている。二人はとても息が合っていて、会話をしなくてもお互いの行動を把握しているようだった。
「久しぶりだな、クラウス。こうやって一緒に戦うのは・・・。相変わらず左下からの攻撃が甘いぞ。騎士団総長の机仕事ばかりで、腕がなまっているんじゃないか」
ヘルミーナがクラウスが取りこぼした兵士を、あっけなく片付けてから軽快にいう。その背後でまるで背中を合わせるようにして一緒に戦っているクラウスが、向かってくる敵に炎の玉を飛ばしてから、情けない声で言った。
「7年ぶりだ。こうやって近くにいて話ができるだけで、感激して涙が出そうだ。いつも遠くから見ていたから、目が合ったこともないし。今日の日記は書く事がいっぱいありそうだ」
日記まで書いてあるのか・・・何が書いてあるんだか。読むのが怖いな・・・。ヘルミーナが日記の内容を想像して、背筋に寒気を感じる。
そんなヘルミーナとクラウスたちが応戦している場所と少し離れたところに、アイシスが目立たないように身を縮こまらせて、教会の長いすの後ろに隠れていた。
ユーリスがアイシスの傍に立ち、兵士と戦いながら彼女に花嫁を渡す。アイシスが了解したといわんばかりに花嫁を自分の隣に誘導して床に座らせてから、花嫁のベールを取り外す。長い贅沢な薄いベールの下から、花嫁の美しく化粧をした顔がのぞく。
その花嫁はやはり・・・セシリアだった!!
「セシリア!良かった。大丈夫なの?」
アイシスが、心底安心したように言った。
かなりやつれていて目に生気が見られないが、確かにセシリア・・・サクラだった。花嫁の純白の衣装を身に着けてベールを取り、ドレスのすそを花が開くかのように広げて座っている彼女を見たユーリスが、一瞬彼女に目を奪われて手を止めた。
その隙を突いてレンブレント国王が、アイシスを剣を持っていない方の腕でなぎ払うと、セシリアの腰を抱いて無理やり立ち上がらせる。アイシスは座った姿勢のまま、床に叩きつけられた。
「セシリア!!」
アルフリードがその様子を見て傍に寄ろうと駆け寄るが、それをレンブレント国王が目で制したので、その歩みを止めた。今セシリアの命を握っているのは彼なのだ。
ユーリスもセシリアの状態に気がついて戦いの手を止め、レンブレント国王の方を睨んでいる。サクラを左腕の中に抱きかかえてレンブレント国王が、右手に剣を持ちユーリスとアルフリードのほうを見つめる。アイシスは頭を打って気を失ったようで、レンブレント国王の背後で床に倒れたまま動かないままでいた。
「やっぱりな、アルフリード王子。 もうクリスティーナ・・・いやアンナの術はとっくに解けているようだな。限界でもきていたのか、あの女。まあいい。もう十分元は取らせてもらった。あとはどこで野たれ死のうとしったこっちゃない」
ウェーブのかかった茶色の短い髪を戦闘で巻き起こった風にひらめかせながら、下卑た薄笑いをその顔に浮かべていった。さすがに独裁者とはよくいったものだ。そのレンブレント国王の自分に一切迷いの無い自信の溢れる様子は、傍にいるものに威圧感と恐怖を与える。
アルフリードがそんなレンブレント国王を無視して、サクラに向かって叫んだ。
「サクラ!!すまなかった・・・あの言葉は嘘だ。オレの本心ではない。だから頼む、時を止めてくれ!」
恐らくレンブレント国王が与えた魔薬が効いているであろうサクラが、時を止めてくれるかどうかが勝敗の鍵だ。いくら彼らがウェースプ王国一の実力者達だとしても、ここは敵国のど真ん中だ。まともに戦えば幾分か時間は稼げるだろうが、多勢に無勢だ。終わりは目に見えている。ユーリスも負けじと叫ぶ。
「時を止めてください、サクラ!お願いします!」
レンブレント国王はそんなアルフリードとユーリスにも構わずに、いまだに嫌味な笑いを口元に浮かべている。
「お前らばかだな。この聖女はもう俺の言うことしかきかんぞ。ほら聖女。この飴をまたやるから、あいつらの言うことは聞かなくていい。俺の言うことだけ、聞いていればしあわせになれるぞ」
サクラはうつろな目でレンブレント国王に目をやると、かすれた声を出した。あまり体に力が入らなさそうだ。立っている足が震えていて、レンブレント国王が支えていないと今にも倒れそうだ。
「・・あ・・・・・」
そのサクラの様子に魔薬の影響をみたアルフリードが、我を忘れたようにサクラに向かって叫んだ。
「サクラ!愛している!これだけは言っておきたかった。あんな別れ方をしたままで終わりなんて、絶対に嫌だ!君を愛している!」
心からの想いがこもった叫びを聞いて、サクラがアルフリードの方向に目を動かした。そしてこのような状況下にあっても、未だ輝きを失っていないその黒曜石のような瞳に涙が溢れだしてきた。
「・・・・ふ・・・」
涙がとめどなく溢れてはその純白のドレスに落ちていく。呆然と空を見つめていた目が、レイブレント王の声に反応して揺れ動く。
「ほら飴だいらないのか?いらないなら捨てちまうぞ」
そういうが早いか、レンブレント国王が飴を床にばら撒く。結婚式用の赤いカーッペットの上に、飴の青色が妖しく光っている。
サクラの目が飴を追いかける。その瞬間アルフリードが駆け寄ってサクラを腕の中に抱きしめた。背後にいる剣を手にしたレンブレント王のことなど、目にも入っていないかのように・・・力の限り腕の中で抱きしめた。
「サクラ。心の底から愛している。ずっとオレの傍で頑張ったと言って欲しいのは、君以外にはいない・・・」
アルフリードの魂からの声はなんだか切なく、それでいて心が暖まるものだった。
腕の中に抱かれ、顔をその胸に押し付けられたサクラが横目に見たものは、レイブレント国王が、右手に持った剣でアルフリードを刺そうとしている瞬間だった。
その瞬間・・・時が・・止まった・・・。
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