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秘密にされた事実
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何だか最近おかしい・・・。みんなが私に何かを隠している。王城軟禁生活ももう10日が過ぎた頃、みんながこそこそとしている事に私は気が付いた。私が執務室のアルに会いに行くと、ルーク補佐官やクラウス騎士団総長が、さりげなく書類を片づけたり、アルの耳に何かをささやいたりする。
大体、空気を読むことに長けている日本人である私に隠し事をするなんて、すぐばれるということが分からないのだろうか?なので私は比較的御しやすそうなユーリに、何とか隠し事を聞こうと策をろうしている最中だ。
二人きりが望ましいので、いつもの私の自室でやることにした。互いに長椅子に隣同士に座り、距離を詰める。目を見つめたままの体勢で詰問を始める。
「ユーリ、なにか私に隠していることがあるでしょう。言ってちょうだい」
さすが騎士隊長。ユーリは少しの動揺も見せずに私の目を見返して冷静に言う。
「・・・なんのことでしょうか、セシリア。私は君に何も隠していませんよ」
くそぅ。さすがは百戦錬磨の騎士様だ。だけど私だって手段がないわけではない。少しずるいがユーリの愛情を利用させてもらおう。私は右隣に座るユーリの方を向いて、長椅子の背もたれに右手を置いて体を支えてからユーリの方へ重心を傾けた。二人の顔の距離は10センチを切っている。
「隠しても無駄よ。ユーリ、わたし嘘をつく男の人は き・ら・い よ」
ユーリの瞳が少し揺れたのを見て、効果があった事に心を躍らせた。もうひと押しだ。
「何を隠しているの?聖女に関することでしょう?」
ユーリが後方に後ずさっていくのを、私がますます追い詰める形で、最後には長椅子の手すりまできた。これ以上逃げられないはずだ。私は左手をその手すりにおいて、ユーリの体を囲い込んだ。
壁ドンならぬ長椅子ドンの状態なのだが、いかんせん私とユーリの体格差で、ほとんど私がユーリに抱き着くような形になっている。互いの顔の高さが合わないので、私は長椅子に膝をついた格好で、端から見るとまるで私がユーリに覆いかぶさっているようだ。
「・・・答えは・・・拒否します・・・」
ユーリが顔を真っ赤にしながら絞り出すように答える。大体ユーリは私には人前であろうとがんがん攻めてくるくせに、立場が逆になると、まるで子犬のようなすがるような目でこちらを見てくる。
「ユーリ、私は知る権利があるはずよね。私は聖女なんだから」
そう言って私は顔をもっと近づけて、唇が触れそうな距離まで詰め寄った。ユーリの荒い息が髪にかかって揺らめく。
「お願い、ユーリ教えてちょうだい・・・」
私は持てる限りの色気を駆使して、艶っぽくアイシス様を意識して囁くようにいった。
「ぐっ・・・・・!!!!」
ユーリは突然くぐもった声を発したかと思うと、両手で自分の顔を覆ってから叫んだ。
「申し訳ありません、サクラ!!でもどうしても言えないのです!許して下さい。私の優先順位の一番は君の安全なのです!!」
ちっ、だめだったか。こうなれば最後の手段だ!
「もういい!!ユーリの馬鹿!!」
私はそのまま立ち上がるとユーリを部屋に残したまま、廊下にでた。扉の前に立って護衛していたヘル騎士様とリューク騎士様に伝える。
「私ユーリス様と喧嘩したので、当分私に近づけないようにしてください」
そう言っておいて、すぐさま目的の場所に駆け足で行く。突然の私の行動にまだ頭が追い付かないようで、ユーリはいまだに長椅子で惚けたまま座り続けている。
私の行く先は、当然次のターゲットであるアルの執務室だ。勝手知ったる道筋を数分歩くと、そこに目的の場所がある。扉の前に立っている近衛兵を目で威嚇して入ろうとする・・・が当然のように行く手を阻まれた。
やっぱ、だめか。かくなる上は時を止めた隙に入ってやろうと身構えた時、執務室の扉が開いた。アルだった!!
「アルフリード王子!!セシリアです。お話があります。お時間をいただけますか?」
アルは私の剣幕に驚いて一瞬固まった後、背後から追い付いてきたユーリの慌てた姿をみとめて、大きなため息をついた。
「・・・分かった、セシリア。話を聞こう」
アルが執務室に戻り自分の席に座る。私は机を挟んだ向かいで立てってアルを見据える。その私の少し後ろにユーリが立っていた。
「なにが聞きたい。セシリア・・・」
「わかっているんでしょう?私に隠していることを話してほしいんです」
私は一歩も引かないといった覚悟を見せる為に、真剣な表情でアルの目を見ていう。アルにはユーリと同じ手は効かないだろう。私はアル用にあらかじめ作戦を考えてあった。
「・・・・お前に隠していることは、何も無い・・」
アルは執務室の椅子に座って、王子然とした態度でいった。背後のルーク補佐官もその答えを支持するかのように無言でうなずく。そこまでして私には話せないことなのか・・・。私はアル用に考えてあった作戦を使うことにした。大きく深呼吸をしてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「わかりました、アルフリード王子。では言い方を変えましょう。私は王国の聖女サクラとしてウェースプ王国のアルフリード王子に質問します。一体何が起こっているのですか?恐らくは聖女襲撃に関することなのでしょう?」
私は初めて聖女として・・・王子のアルフリードに質問をした。アルの表情が微妙に変わったのを見逃さなかった。恐らく彼も私の覚悟の程が分かったのだろう。何分かの沈黙の後、アルが観念した様にその重たい口を開いた。
「・・・王国内の神殿が次々に襲撃者に襲われている。もう3つの神殿が落とされて15名の神官が命を落とした」
大体、空気を読むことに長けている日本人である私に隠し事をするなんて、すぐばれるということが分からないのだろうか?なので私は比較的御しやすそうなユーリに、何とか隠し事を聞こうと策をろうしている最中だ。
二人きりが望ましいので、いつもの私の自室でやることにした。互いに長椅子に隣同士に座り、距離を詰める。目を見つめたままの体勢で詰問を始める。
「ユーリ、なにか私に隠していることがあるでしょう。言ってちょうだい」
さすが騎士隊長。ユーリは少しの動揺も見せずに私の目を見返して冷静に言う。
「・・・なんのことでしょうか、セシリア。私は君に何も隠していませんよ」
くそぅ。さすがは百戦錬磨の騎士様だ。だけど私だって手段がないわけではない。少しずるいがユーリの愛情を利用させてもらおう。私は右隣に座るユーリの方を向いて、長椅子の背もたれに右手を置いて体を支えてからユーリの方へ重心を傾けた。二人の顔の距離は10センチを切っている。
「隠しても無駄よ。ユーリ、わたし嘘をつく男の人は き・ら・い よ」
ユーリの瞳が少し揺れたのを見て、効果があった事に心を躍らせた。もうひと押しだ。
「何を隠しているの?聖女に関することでしょう?」
ユーリが後方に後ずさっていくのを、私がますます追い詰める形で、最後には長椅子の手すりまできた。これ以上逃げられないはずだ。私は左手をその手すりにおいて、ユーリの体を囲い込んだ。
壁ドンならぬ長椅子ドンの状態なのだが、いかんせん私とユーリの体格差で、ほとんど私がユーリに抱き着くような形になっている。互いの顔の高さが合わないので、私は長椅子に膝をついた格好で、端から見るとまるで私がユーリに覆いかぶさっているようだ。
「・・・答えは・・・拒否します・・・」
ユーリが顔を真っ赤にしながら絞り出すように答える。大体ユーリは私には人前であろうとがんがん攻めてくるくせに、立場が逆になると、まるで子犬のようなすがるような目でこちらを見てくる。
「ユーリ、私は知る権利があるはずよね。私は聖女なんだから」
そう言って私は顔をもっと近づけて、唇が触れそうな距離まで詰め寄った。ユーリの荒い息が髪にかかって揺らめく。
「お願い、ユーリ教えてちょうだい・・・」
私は持てる限りの色気を駆使して、艶っぽくアイシス様を意識して囁くようにいった。
「ぐっ・・・・・!!!!」
ユーリは突然くぐもった声を発したかと思うと、両手で自分の顔を覆ってから叫んだ。
「申し訳ありません、サクラ!!でもどうしても言えないのです!許して下さい。私の優先順位の一番は君の安全なのです!!」
ちっ、だめだったか。こうなれば最後の手段だ!
「もういい!!ユーリの馬鹿!!」
私はそのまま立ち上がるとユーリを部屋に残したまま、廊下にでた。扉の前に立って護衛していたヘル騎士様とリューク騎士様に伝える。
「私ユーリス様と喧嘩したので、当分私に近づけないようにしてください」
そう言っておいて、すぐさま目的の場所に駆け足で行く。突然の私の行動にまだ頭が追い付かないようで、ユーリはいまだに長椅子で惚けたまま座り続けている。
私の行く先は、当然次のターゲットであるアルの執務室だ。勝手知ったる道筋を数分歩くと、そこに目的の場所がある。扉の前に立っている近衛兵を目で威嚇して入ろうとする・・・が当然のように行く手を阻まれた。
やっぱ、だめか。かくなる上は時を止めた隙に入ってやろうと身構えた時、執務室の扉が開いた。アルだった!!
「アルフリード王子!!セシリアです。お話があります。お時間をいただけますか?」
アルは私の剣幕に驚いて一瞬固まった後、背後から追い付いてきたユーリの慌てた姿をみとめて、大きなため息をついた。
「・・・分かった、セシリア。話を聞こう」
アルが執務室に戻り自分の席に座る。私は机を挟んだ向かいで立てってアルを見据える。その私の少し後ろにユーリが立っていた。
「なにが聞きたい。セシリア・・・」
「わかっているんでしょう?私に隠していることを話してほしいんです」
私は一歩も引かないといった覚悟を見せる為に、真剣な表情でアルの目を見ていう。アルにはユーリと同じ手は効かないだろう。私はアル用にあらかじめ作戦を考えてあった。
「・・・・お前に隠していることは、何も無い・・」
アルは執務室の椅子に座って、王子然とした態度でいった。背後のルーク補佐官もその答えを支持するかのように無言でうなずく。そこまでして私には話せないことなのか・・・。私はアル用に考えてあった作戦を使うことにした。大きく深呼吸をしてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「わかりました、アルフリード王子。では言い方を変えましょう。私は王国の聖女サクラとしてウェースプ王国のアルフリード王子に質問します。一体何が起こっているのですか?恐らくは聖女襲撃に関することなのでしょう?」
私は初めて聖女として・・・王子のアルフリードに質問をした。アルの表情が微妙に変わったのを見逃さなかった。恐らく彼も私の覚悟の程が分かったのだろう。何分かの沈黙の後、アルが観念した様にその重たい口を開いた。
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