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存在しない過去の悲哀
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もう一度私のドレスの裾をレンブレント王とエルドレッド王子の下にひかせて、間に座り込んだ。ソルデア王とアルも自分の位置についたころ合いを見て、時を動かす。
レンブレント王とセイアレス大神官、エルドレッド王子が、ソルデア王とユーリがこっちに向かってくるのを見て、礼をする為に立ち上がる。
やった!!解放された!!
私は自由になった体で、前と同じように礼儀にのっとって、最後に礼をしてからユーリの背後に隠れようとする。そうして、この瞬間にレンブレント王が私の右腕を掴むんだよね。だけど、二度と同じ手は食わないわよ。
レンブレント王の左腕のカフスボタンが、ズボンのボタンに引っかかっていて、左腕を動かしたと同時に左足も同時に引っ張られて重心を崩し転びそうになる。次に何か布の避ける音がしたかと思ったら、高価な王の上着の袖が無残にも破れていた。
そうして破れた左袖口を見た後、妙な顔をして私の方を見る。私はドヤ顔でレンブレント王を見やっていった。
「レンブレント王、お会い来て光栄でした。私、婚約者のユーリス様が迎えに来てくださったので、失礼いたします」
どわはははは。ざまあみろ、このドS王め!
ソルデア王が何か言いたそうな顔で私を見る。そうだ、私はあの時レンブレント王の袖のカフスボタンをズボンのボタンと絡ませておいたのだ。しっかりと繋いでおいたので、思ったよりも負荷がかかったらしい。服が破けるとまでは思っていなかったが、まあ良しとしよう。
私はようやくユーリのエスコートでその場から離れることができた。ユーリは何かがおかしいことに気が付いたのか、私の顔をじっと見つめて質問をしてきた。
「なにかあったのですか?さっきから私の右腕ばかりを触っていますが・・・」
おおっと、いけない。無意識に右腕を確認していたのね。ユーリは私をひと気のない場所に連れて行くと、椅子の上に座らせて尋問するように私の目を覗き込みながら言った。
「私の指輪を、もっていますね。サクラ・・・・。過去に戻らなければいけないことがあったのでしょう。何があったのか教えてもらってもいいですか?」
そうだった。そりゃあ、指輪が消えていれば勘のいいユーリならばすぐに気が付くよね・・・・。ってことはクラウス様も気が付いているってことか・・・。
私はユーリの目を見つめかえして、今までの出来事を話そうと思ったら、突然何の脈絡もなく涙が出てきた。
「あれ・・・?あれれ・・・・?ごめ・・・・ユーリ・・・・うぅ・・・ふぇぇ」
私はどんどん溢れてくる涙を止めることができずに、子供のように泣いた。もうこの世にはいないユリアナ皇女様とジルとギアの事を思うと、涙が次から次へと出てくる。永遠の命を生きなければいけなかった人たち・・・。ユリアナ皇女様を思いながらも別れなければいけなかったソルデア王・・・。
今は生きているけれど、あの時私の為に死んでいった人たち・・・。私が生まれて初めて人を刺してしまった、ムスカ騎士団長。
悲しみ、辛さ、哀れみ、衝撃、恐れ、全てがないまぜになった感情が溢れ出てきて、止まらない。
私は泣いて、泣いて、泣き疲れて・・・今までの疲れと緊張からか、その後の事は分からなくなった。後で聞いたところによると、そのまま気絶するように眠ってしまったらしい。
その夜、夢の中で一人の少女に会った。真っ暗な闇の中で一人の黒髪の少女がうずくまって泣いている。私は傍によって、その肩を抱いてあげていった。
「だいじょうぶ・・・だいじょうぶだよ・・・」
その少女はしばらくすると顔を上げて私の顔を見た。少女は私と同じ黒い髪に黒い目をしていた。そして顔を涙で濡らしたまま私に言った。
「ありがとう、お姉さん。私の大事な人たちを開放してくれて、本当にありがとう・・・」
私は訳が分からないままに、少女を抱きしめて歌を歌った。それはおじいちゃんが私が落ち込んだ時に必ず口ずさんでくれた歌。
笑おう、笑おう、笑うと息を吸う。泣こう、泣こう、泣くと水がでる。叫ぼう、叫ぼう、叫ぶと忘れる。そうやって人は生きていくんだ。
何度も、何度も繰り返し歌って聞かせた。少女が涙を枯らすまで泣いて、最後に笑顔で笑ってくれるまで・・・。
レンブレント王とセイアレス大神官、エルドレッド王子が、ソルデア王とユーリがこっちに向かってくるのを見て、礼をする為に立ち上がる。
やった!!解放された!!
私は自由になった体で、前と同じように礼儀にのっとって、最後に礼をしてからユーリの背後に隠れようとする。そうして、この瞬間にレンブレント王が私の右腕を掴むんだよね。だけど、二度と同じ手は食わないわよ。
レンブレント王の左腕のカフスボタンが、ズボンのボタンに引っかかっていて、左腕を動かしたと同時に左足も同時に引っ張られて重心を崩し転びそうになる。次に何か布の避ける音がしたかと思ったら、高価な王の上着の袖が無残にも破れていた。
そうして破れた左袖口を見た後、妙な顔をして私の方を見る。私はドヤ顔でレンブレント王を見やっていった。
「レンブレント王、お会い来て光栄でした。私、婚約者のユーリス様が迎えに来てくださったので、失礼いたします」
どわはははは。ざまあみろ、このドS王め!
ソルデア王が何か言いたそうな顔で私を見る。そうだ、私はあの時レンブレント王の袖のカフスボタンをズボンのボタンと絡ませておいたのだ。しっかりと繋いでおいたので、思ったよりも負荷がかかったらしい。服が破けるとまでは思っていなかったが、まあ良しとしよう。
私はようやくユーリのエスコートでその場から離れることができた。ユーリは何かがおかしいことに気が付いたのか、私の顔をじっと見つめて質問をしてきた。
「なにかあったのですか?さっきから私の右腕ばかりを触っていますが・・・」
おおっと、いけない。無意識に右腕を確認していたのね。ユーリは私をひと気のない場所に連れて行くと、椅子の上に座らせて尋問するように私の目を覗き込みながら言った。
「私の指輪を、もっていますね。サクラ・・・・。過去に戻らなければいけないことがあったのでしょう。何があったのか教えてもらってもいいですか?」
そうだった。そりゃあ、指輪が消えていれば勘のいいユーリならばすぐに気が付くよね・・・・。ってことはクラウス様も気が付いているってことか・・・。
私はユーリの目を見つめかえして、今までの出来事を話そうと思ったら、突然何の脈絡もなく涙が出てきた。
「あれ・・・?あれれ・・・・?ごめ・・・・ユーリ・・・・うぅ・・・ふぇぇ」
私はどんどん溢れてくる涙を止めることができずに、子供のように泣いた。もうこの世にはいないユリアナ皇女様とジルとギアの事を思うと、涙が次から次へと出てくる。永遠の命を生きなければいけなかった人たち・・・。ユリアナ皇女様を思いながらも別れなければいけなかったソルデア王・・・。
今は生きているけれど、あの時私の為に死んでいった人たち・・・。私が生まれて初めて人を刺してしまった、ムスカ騎士団長。
悲しみ、辛さ、哀れみ、衝撃、恐れ、全てがないまぜになった感情が溢れ出てきて、止まらない。
私は泣いて、泣いて、泣き疲れて・・・今までの疲れと緊張からか、その後の事は分からなくなった。後で聞いたところによると、そのまま気絶するように眠ってしまったらしい。
その夜、夢の中で一人の少女に会った。真っ暗な闇の中で一人の黒髪の少女がうずくまって泣いている。私は傍によって、その肩を抱いてあげていった。
「だいじょうぶ・・・だいじょうぶだよ・・・」
その少女はしばらくすると顔を上げて私の顔を見た。少女は私と同じ黒い髪に黒い目をしていた。そして顔を涙で濡らしたまま私に言った。
「ありがとう、お姉さん。私の大事な人たちを開放してくれて、本当にありがとう・・・」
私は訳が分からないままに、少女を抱きしめて歌を歌った。それはおじいちゃんが私が落ち込んだ時に必ず口ずさんでくれた歌。
笑おう、笑おう、笑うと息を吸う。泣こう、泣こう、泣くと水がでる。叫ぼう、叫ぼう、叫ぶと忘れる。そうやって人は生きていくんだ。
何度も、何度も繰り返し歌って聞かせた。少女が涙を枯らすまで泣いて、最後に笑顔で笑ってくれるまで・・・。
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