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第一章
夜の者
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辺りは闇に染まっていた。明かりがあるとすれば空に散らばる複数の星々と、薄い雲にかかる月くらいだ。風が吹き、砂那の真っ黒な長い髪の毛を宙に漂わす。ぶるりと身体を震わせ、空を見上げる。最近肌寒くなってきた。息を吐いてみる。さすがにまだ白い息はでなかった。砂那は闇が好きだ。安心する。よく女の子と間違われるが自分の黒く長い髪の毛も、黒い瞳も、好きだった。よく人に、ここにピッタリだと、褒められる。夜に生きる者として、ピッタリだと。
あと少しで夜が終わり、朝が始まる。東の方角が少し薄いオレンジ色に染まっている。急いで戻らなければならない。だけど砂那は身につけていた黒い布を頭から被り、東の方角へ足を向ける。空に散らばっていた星々が薄く、見えなくなる。砂那は丘の上に登り辺りを見渡す。東はすでに薄いピンクがかった空をしていた。砂那は目だけをだし他はキッチリと布を巻き付ける。そして遠くのほうに目を向ける。かすかだが、遠くの方に大きな街が見える。朝に住まうもの達が暮らす街だ。砂那は目を細め、その光景を見詰めた。
夜が好きだ。夜でしか生きられないとゆう理由もあるが、闇に浸っていると安心する。自分を、闇が守ってくれている感覚になる。だけど、朝も好きだった。憧れた。ギリギリ太陽に焼かれないこの時間帯が、他の生き物達が起き出す時間帯が、澄んだこの空気が。空はだんだんと明るみ始める。戻らなければならない。急いで戻って、眠りに着く。砂那が抜け出していることを知っている人はまだいないが、いつバレるかは分からない。砂那は来た道を走りながら戻る。他の夜の者達と、自分達が生きることができない朝を、寝て過ごす。朝の者達が生きている時、夜の者達は静かに光が届かないところに身を潜める。そして、また夜が来るのを待つのだ。
あと少しで夜が終わり、朝が始まる。東の方角が少し薄いオレンジ色に染まっている。急いで戻らなければならない。だけど砂那は身につけていた黒い布を頭から被り、東の方角へ足を向ける。空に散らばっていた星々が薄く、見えなくなる。砂那は丘の上に登り辺りを見渡す。東はすでに薄いピンクがかった空をしていた。砂那は目だけをだし他はキッチリと布を巻き付ける。そして遠くのほうに目を向ける。かすかだが、遠くの方に大きな街が見える。朝に住まうもの達が暮らす街だ。砂那は目を細め、その光景を見詰めた。
夜が好きだ。夜でしか生きられないとゆう理由もあるが、闇に浸っていると安心する。自分を、闇が守ってくれている感覚になる。だけど、朝も好きだった。憧れた。ギリギリ太陽に焼かれないこの時間帯が、他の生き物達が起き出す時間帯が、澄んだこの空気が。空はだんだんと明るみ始める。戻らなければならない。急いで戻って、眠りに着く。砂那が抜け出していることを知っている人はまだいないが、いつバレるかは分からない。砂那は来た道を走りながら戻る。他の夜の者達と、自分達が生きることができない朝を、寝て過ごす。朝の者達が生きている時、夜の者達は静かに光が届かないところに身を潜める。そして、また夜が来るのを待つのだ。
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