親切なミザリー

みるみる

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生徒会室にて アリスとアポロ

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ミザリーが亡くなってしまい、その穴を埋める為に生徒会に入ったアリスでしたが、生徒会に入ってからというもの、毎日毎日書類整理に追われて、もううんざりしていました。

おまけに学園内の掲示物の許可や揉め事の調停等、生徒会の仕事は地味で面倒な事ばかりでちっとも楽しくないのです。

それに‥生徒会室の物品注文やお茶の用意、掃除といった仕事は、全て生徒会の女子メンバーの仕事となっていたのです。アリスにとってはこの事が一番のストレスでした。

「‥何よ、なんでこんな事を私がしなくちゃいけないの?」

アリスは文句を言いながらも、必死に生徒会室の掃除を行っていました。

ですが、アリスが慣れない手つきで絞る雑巾はビチョビチョで、おまけに生臭い臭いもしていた為、最近の生徒会室にはいつも生乾きの臭いが漂っていました。

それに整理整頓や窓を開けて換気を行う概念のないアリスのせいで、生徒会室はいつも足場のないほどゴミで散らかっていたのです。ゴミの中には、アリスがこの部屋で食べたお菓子の包み紙や汚れた手を拭いたばたべたのハンカチも含まれていました。


「‥‥アリス、ご苦労様。」


「アポロ様‥、私ばかりがこんな事をしなきゃならないなんて‥ひどいです!掃除だけでも誰かに頼めないんですか。」

「‥この部屋には生徒会メンバーしか入れないから、それは無理だ。」

「そんなぁ‥こんな事なら生徒会に入るんじゃなかった。もうつまんないし、やめる!」

「アリス、そんな事を言うな。‥よし、俺が手伝おう。いつもミザリーがやってるのを見てたからな、俺も掃除の仕方は一通り知ってるんだ。」

「‥‥あっ、じゃあお願いしまーす。」

アリスはそう言うと、アポロ王子に雑巾を投げ渡しました。

アポロ王子は受け取ったビチャビチャの雑巾を絞り直すと、机やテーブル、本棚や窓枠のところをテキパキと拭いて綺麗にしていきました。

「わぁ、アポロ様上手!‥じゃあ、次はここのゴミの仕分けも手伝って来れませんか。」

「よし、任せておけ!」

アポロ王子はそう言うと、アリスに褒められたくて、大きな袋を片手に必死になってゴミの仕分けをやりました。

「アポロ王子、はやーい!さすがっ!」

「アハハ、俺はやればできる男なんだ。」


アポロ王子はアリスに褒められた事が嬉しいのか、掃除をしながら鼻うたまで歌い出しました。


そんなアリスとアポロ王子の様子を、ダクトは生徒会室の扉を少しだけ開けて覗き見ていました。
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