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古代遺跡の出来事
第30話 月女神の眷属(2019年2月16日修正)
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月の魔女とよばれるまで
第30話 月女神の眷属(2019年2月16日修正)
魔方陣の部屋の探索を終え、冒険者ギルドの依頼を達成可能になったパウエルたち荒野の狼は、地上を目指すことにした。
「さて、これから地上に戻るんだが既に武器がボロボロで役に立たない。セーナちゃん、済まないが俺たちと地上まで一緒に来てもらえないだろうか?」
パウエルがそういうのも無理はなかった。既に、パウエルの相棒だった鉄の剣は折れてしまっている。そして、ガレムの鉄のハンドアックスも刃が欠けていて全力はもう出せない。ミリアの鉄の短剣もボロボロになっていたし、ヘレナの鉄のメイスも柄が曲がってしまっていた。
強いて言うとミリアは、沙更から預かった白の直刀があるため武器はある。が、他のメンバーの武器が無かった。それ故に、沙更が地上まで戻るのに必要だったのだ。
「私も地上に戻らなければなりません。ずっとここにいるわけにもいきませんから」
「そうか、申し訳ないけれどよろしくお願いする」
「パウエルさん、私こそよろしくお願いします。ここから先はパウエルさんたちに付いていく形になりますので」
パウエルの言葉に、沙更はそう答える。
荒野の狼に一番欲しかったのは魔法士。それが沙更の一時加入で叶うことになった。遠距離からの支援が厳しかったのだが、それを補うことが出来る人間だった。
魔方陣の部屋から姿見の部屋へと抜けて、再び古代遺跡へと戻る。そこに、紫の大剣を持つ巨人がそこに待ち構えていた。身長4mの巨体とそれに似合わぬしなやかな筋肉は、相手の攻撃力を物語る。そして、極めつけが紫の大剣だ。宝石を思わせるほどのきらめきを放ちつつも禍々しい感じすら漂わせる魔剣。
「ここから帰しはしない。御方のため、貴様らには贄となってもらう」
巨人からの威圧に、ヘレナからガレム、パウエルと倒れていく。
が、ミリアと沙更は大丈夫であった。それもそのはず、沙更の魔力を込められた幻影の衣とエーテルワンピースが威圧に込められた魔力を中和していたからだった。
「ほう、この我が放った威圧の魔力を中和するとは面白い」
沙更が巨人を見ると、沙更の中のセーナの魂が沙更に告げた。
(沙更お姉ちゃん、あいつが月女神の眷属。本当ならば、月女神が死んだ時に滅びるはずだった。けれど、その定めをねじ曲げて存在する邪悪な存在。邪教の崇拝するトップにして、神に片足を突っ込んでいるから止めないといけないの)
(セーナちゃんがそう言うのなら私は信じるよ。危険な存在なのでしょう?)
(沙更お姉ちゃんは何も聞かないの?でも、そんな沙更お姉ちゃんだからセーナは魔力を預けた。お父さんとお母さんの仇だから、沙更お姉ちゃんに魔力をあげる)
セーナの魂から、膨大な魔力が生まれる。その魔力を沙更の器が受け取り、沙更の魔力と混ざり込む。
その膨大な魔力は、月女神の眷属をも凌駕するものだった。
「おお、御方を復活させる為の魔力がここに」
セーナの魂から流れ込む魔力と沙更の魔力が混ざりきるとそこに、頭に流れ込む魔法が三つ。マイティアップ、ホワイトフレイム、ディバインブレード。
古代魔法士でも扱える者がごく僅かしか居なかった光の魔法の上級以上の品。今の世界で、光魔法上級を扱いこなす人間はいない。それ故に、邪神と言えど効果を望むことが出来た。
そんな沙更に、襲いかかる月女神の眷属。が、そこに割り込んだのはミリアだった。
「セーナちゃんを守るのはあたしの役目。手出しはさせないよ」
紫の大剣の一撃を白の直刀で合わせて受け流す。今までのミリアなら、そんな行動が出来るわけも無かったためにパウエルたちはその動きに驚いた。
魔剣と打ち合わせて打ち負けないその白い刀身は、並の代物では無いことを思わせるに十分すぎた。そう、相手が魔剣ということを考えると互角に打ち合える時点でどれだけ凄い品かを想像させた。
第30話 月女神の眷属(2019年2月16日修正)
魔方陣の部屋の探索を終え、冒険者ギルドの依頼を達成可能になったパウエルたち荒野の狼は、地上を目指すことにした。
「さて、これから地上に戻るんだが既に武器がボロボロで役に立たない。セーナちゃん、済まないが俺たちと地上まで一緒に来てもらえないだろうか?」
パウエルがそういうのも無理はなかった。既に、パウエルの相棒だった鉄の剣は折れてしまっている。そして、ガレムの鉄のハンドアックスも刃が欠けていて全力はもう出せない。ミリアの鉄の短剣もボロボロになっていたし、ヘレナの鉄のメイスも柄が曲がってしまっていた。
強いて言うとミリアは、沙更から預かった白の直刀があるため武器はある。が、他のメンバーの武器が無かった。それ故に、沙更が地上まで戻るのに必要だったのだ。
「私も地上に戻らなければなりません。ずっとここにいるわけにもいきませんから」
「そうか、申し訳ないけれどよろしくお願いする」
「パウエルさん、私こそよろしくお願いします。ここから先はパウエルさんたちに付いていく形になりますので」
パウエルの言葉に、沙更はそう答える。
荒野の狼に一番欲しかったのは魔法士。それが沙更の一時加入で叶うことになった。遠距離からの支援が厳しかったのだが、それを補うことが出来る人間だった。
魔方陣の部屋から姿見の部屋へと抜けて、再び古代遺跡へと戻る。そこに、紫の大剣を持つ巨人がそこに待ち構えていた。身長4mの巨体とそれに似合わぬしなやかな筋肉は、相手の攻撃力を物語る。そして、極めつけが紫の大剣だ。宝石を思わせるほどのきらめきを放ちつつも禍々しい感じすら漂わせる魔剣。
「ここから帰しはしない。御方のため、貴様らには贄となってもらう」
巨人からの威圧に、ヘレナからガレム、パウエルと倒れていく。
が、ミリアと沙更は大丈夫であった。それもそのはず、沙更の魔力を込められた幻影の衣とエーテルワンピースが威圧に込められた魔力を中和していたからだった。
「ほう、この我が放った威圧の魔力を中和するとは面白い」
沙更が巨人を見ると、沙更の中のセーナの魂が沙更に告げた。
(沙更お姉ちゃん、あいつが月女神の眷属。本当ならば、月女神が死んだ時に滅びるはずだった。けれど、その定めをねじ曲げて存在する邪悪な存在。邪教の崇拝するトップにして、神に片足を突っ込んでいるから止めないといけないの)
(セーナちゃんがそう言うのなら私は信じるよ。危険な存在なのでしょう?)
(沙更お姉ちゃんは何も聞かないの?でも、そんな沙更お姉ちゃんだからセーナは魔力を預けた。お父さんとお母さんの仇だから、沙更お姉ちゃんに魔力をあげる)
セーナの魂から、膨大な魔力が生まれる。その魔力を沙更の器が受け取り、沙更の魔力と混ざり込む。
その膨大な魔力は、月女神の眷属をも凌駕するものだった。
「おお、御方を復活させる為の魔力がここに」
セーナの魂から流れ込む魔力と沙更の魔力が混ざりきるとそこに、頭に流れ込む魔法が三つ。マイティアップ、ホワイトフレイム、ディバインブレード。
古代魔法士でも扱える者がごく僅かしか居なかった光の魔法の上級以上の品。今の世界で、光魔法上級を扱いこなす人間はいない。それ故に、邪神と言えど効果を望むことが出来た。
そんな沙更に、襲いかかる月女神の眷属。が、そこに割り込んだのはミリアだった。
「セーナちゃんを守るのはあたしの役目。手出しはさせないよ」
紫の大剣の一撃を白の直刀で合わせて受け流す。今までのミリアなら、そんな行動が出来るわけも無かったためにパウエルたちはその動きに驚いた。
魔剣と打ち合わせて打ち負けないその白い刀身は、並の代物では無いことを思わせるに十分すぎた。そう、相手が魔剣ということを考えると互角に打ち合える時点でどれだけ凄い品かを想像させた。
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