63 / 365
古代遺跡の出来事
第57話 地上に向けて21
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第57話 地上に向けて21
完全に浄化された古代遺跡に、モンスターは存在し得ないらしい。
地下三階層から地下二階層への階段が見つかるまでの間ウィンドウォークで加速しつつであったが一切気配を感じなかった。
完全に静まり返った遺跡は、ある意味恐さを感じさせる。だが、そんな様子もパウエル達には関係なかったようだ。
ぐぐうぅ…。不意に鳴るお腹の音。
最下層から歩き通しであったし、ミリアと沙更以外の三人は寝ては居ても食べてはなかったから、お腹がなるのも無理はない。
「ううっ、こんなところで鳴るなんて恥ずかしい」
どうやらお腹が鳴ってしまったのはヘレナであったらしい。ここらで一回休憩も悪くは無かった。
「まあ、流石に歩き疲れたか。セーナちゃんのおかげで、大分楽をしているがそれでもお腹は空くよなあ」
「もう、ガレム。そう言うことを言ってるとデリカシーがないって女の子に嫌われるよー」
「はあ!?俺にそんなのはいらねえ。俺が求めるのは猛者との戦いだけだぜ」
ミリアの突っ込みに、ガレムの脳筋ぽい返しがあり、それに沙更が笑う。何というか、沙更にとって二人の会話は友情を持つ二人の人間の本音が見えて面白かったのだ。そういう点、このメンバーには沙更は心を許せている気がしていた。
そうじゃなければ、自然に笑えていたりしない。結構そういうところで、精神的に張り詰めていたりすると笑顔が浮かぶこと等ないからだった。
パウエルも流石にお腹が減ってきていたのだろう。懐から干し肉を取り出していた。ガレムとヘレナもだ。ミリアと沙更は、三人が寝ている間に軽く干し肉での食事と水分補給を済ませていたから今回は身体を休めるだけにした。
三人は、干し肉の他に硬くなったパンを取り出した。それを見た沙更がこの世界での冒険者の食事事情が悪いのを再確認した。
(やっぱり、まともな食事をしようと考えたら自分で作るのが一番みたい。硬いパンに干し肉くらいだとどうしても栄養が偏るのは仕方が無いから)
沙更として、こういう食事ばかりでは栄養の問題も出てくる。少なくても自分の身体は特殊過ぎるから大丈夫だとは思うけれど、ミリアにおいしい食事はして欲しいと思う。それだけに、いろいろと考える必要があるなあと思っていた。
三人がもそもそと硬いパンと干し肉をかじっている間、沙更はミリアに話しかけていた。
「ミリアお姉さん、基本的に冒険者の方って料理しないんですよね?」
「材料を持ち歩けないから、干し肉や硬いパンみたいに日持ちする食品で食べていく感じかな。気になったの?」
「はい、私が一緒に居る間なら虚空庫がありますし、新鮮な食材をそのまま保存出来ますから、出来ればした方が良いのかなと思ったんです」
「うーん、出来ればそうできたら良いけどセーナちゃんの負担が大きいと思うから、やりたい時にってところかな?無理強いはしないからね」
ミリアはそう言う。下手に止めないのは、セーナの思いを大切にしているからだ。子供の言うことだからと軽くは受け取らないのが良いところである。やりたいと言う気持ちを大切にしてあげたいと言う気持ちの表れでもあった。
第57話 地上に向けて21
完全に浄化された古代遺跡に、モンスターは存在し得ないらしい。
地下三階層から地下二階層への階段が見つかるまでの間ウィンドウォークで加速しつつであったが一切気配を感じなかった。
完全に静まり返った遺跡は、ある意味恐さを感じさせる。だが、そんな様子もパウエル達には関係なかったようだ。
ぐぐうぅ…。不意に鳴るお腹の音。
最下層から歩き通しであったし、ミリアと沙更以外の三人は寝ては居ても食べてはなかったから、お腹がなるのも無理はない。
「ううっ、こんなところで鳴るなんて恥ずかしい」
どうやらお腹が鳴ってしまったのはヘレナであったらしい。ここらで一回休憩も悪くは無かった。
「まあ、流石に歩き疲れたか。セーナちゃんのおかげで、大分楽をしているがそれでもお腹は空くよなあ」
「もう、ガレム。そう言うことを言ってるとデリカシーがないって女の子に嫌われるよー」
「はあ!?俺にそんなのはいらねえ。俺が求めるのは猛者との戦いだけだぜ」
ミリアの突っ込みに、ガレムの脳筋ぽい返しがあり、それに沙更が笑う。何というか、沙更にとって二人の会話は友情を持つ二人の人間の本音が見えて面白かったのだ。そういう点、このメンバーには沙更は心を許せている気がしていた。
そうじゃなければ、自然に笑えていたりしない。結構そういうところで、精神的に張り詰めていたりすると笑顔が浮かぶこと等ないからだった。
パウエルも流石にお腹が減ってきていたのだろう。懐から干し肉を取り出していた。ガレムとヘレナもだ。ミリアと沙更は、三人が寝ている間に軽く干し肉での食事と水分補給を済ませていたから今回は身体を休めるだけにした。
三人は、干し肉の他に硬くなったパンを取り出した。それを見た沙更がこの世界での冒険者の食事事情が悪いのを再確認した。
(やっぱり、まともな食事をしようと考えたら自分で作るのが一番みたい。硬いパンに干し肉くらいだとどうしても栄養が偏るのは仕方が無いから)
沙更として、こういう食事ばかりでは栄養の問題も出てくる。少なくても自分の身体は特殊過ぎるから大丈夫だとは思うけれど、ミリアにおいしい食事はして欲しいと思う。それだけに、いろいろと考える必要があるなあと思っていた。
三人がもそもそと硬いパンと干し肉をかじっている間、沙更はミリアに話しかけていた。
「ミリアお姉さん、基本的に冒険者の方って料理しないんですよね?」
「材料を持ち歩けないから、干し肉や硬いパンみたいに日持ちする食品で食べていく感じかな。気になったの?」
「はい、私が一緒に居る間なら虚空庫がありますし、新鮮な食材をそのまま保存出来ますから、出来ればした方が良いのかなと思ったんです」
「うーん、出来ればそうできたら良いけどセーナちゃんの負担が大きいと思うから、やりたい時にってところかな?無理強いはしないからね」
ミリアはそう言う。下手に止めないのは、セーナの思いを大切にしているからだ。子供の言うことだからと軽くは受け取らないのが良いところである。やりたいと言う気持ちを大切にしてあげたいと言う気持ちの表れでもあった。
0
あなたにおすすめの小説
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―
ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。
後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。
「公爵家は私たちが守ってあげる」
――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。
やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。
だが――
「その公爵令嬢、偽物ですわ」
静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。
血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。
爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。
男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。
救済はない。
情もない。
あるのは責務のみ。
「公爵は、情より責務です」
本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。
偽物は消え、本物だけが残る。
これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。
無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜
たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる