月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第56話 地上に向けて20

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月の魔女とよばれるまで

第56話 地上に向けて20

最下層である、地下四階から地下三階に階段で上がる。地下四階よりも地下三階の方が、モンスターの質が落ちるようだ。元々、地下四階はBランク冒険者向けと言った感じなのだろう。

だからこそ、パウエルたちには荷が重かったわけだが今となってはそれでもなんとかなるだろうと沙更は思う。ミリアの覚醒とガレムの成長が見えていたからだ。

地下四階には無かった物が地下三階には落ちていた。それは、モンスターの魔石だ。多分、ディバインブレードの浄化の際に落ちた物だろう。中くらいの粒から小さい粒まで、ちらほらと落ちていた。

それをパウエルとヘレナが頑張って集めていく。ミリアとガレムも気付いたら拾っていた。

「えっと、これモンスターの魔石ですよね?結構お金になるのですか?」

「セーナちゃんには分からないよね。魔石は、大きさによって値段が変わるの。中くらいなら銀貨と交換してくれるし、小粒のなら銅貨と交換してくれる。でも、ここまで落ちているとちょっとありがたみが無いかも?本当なら苦労して手に入れる物だからね」

沙更の疑問に、ミリアが答えてくれる。魔石は、冒険者たちの換金手段で一番ポピュラーな代物だ。宝石みたいな物が無くてもこれがあれば換金出来る。だから、これだけは確実に確保すると言うのが冒険者たちの基本みたいなものだった。

それ故に、魔石だけが落ちていると言うのがどれだけ異常かが分かってもらえるだろうか?モンスターがそれだけいたのに、既に排除されていると言うその事実だけがここにある。光魔法最上級であるディバインブレードの威力は、この古代遺跡全てのモンスターを排除していると言う事実。

その事実は、途轍もなく凄いと言うべき代物であった。それを引き起こした沙更は、その凄さを全然知らずに居ると言う状況なのがある意味滑稽と言うしか無いだろう。

既に、宝石という換金アイテムを手に入れている為、荒野の狼は地上に向けて最短ルートを通っていた。沙更のウィンドウォークが常に掛かっている状態なので、移動速度も行きとは全然違う。

「セーナちゃんが風の加速魔法をかけ続けてくれるから、移動速度が凄いことになってるよ」

「ミリアお姉さんたちが疲れないように風が保護してくれてますから、動きやすいとは思うのですけどどうでしょう?」

沙更がそう問うとパウエルがさっきから飛ばしているが疲れていないことに気付いた。

「大分動いているけれど、疲れは出ていない。そう言えば、足が軽いがこれがセーナちゃんの魔法の効果かい?」

「ウィンドウォークは風で歩行の補助をします。速度もですけど、足取りも軽いはずです。疲労も感じづらいと思いますよ」

風の加速魔法ウィンドウォークも実際は沙更専用魔法と言って良い代物である。風に魔力で働きかけるのだが、その力が他の魔法士で出来ないほどの魔力を込めているからだった。

加速魔法で加速しつつ、一気に地下三階層から地下二階層への階段を見つけるのにそれほどの時間が掛かるわけがなかった。
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