月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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古代遺跡の出来事

第55話 地上に向けて19

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月の魔女とよばれるまで

第55話 地上に向けて19

沙更が宝石や髪飾りを浄化してのけるのを見て、パウエルは余りの凄さに絶句していた。ガレムは、沙更の魔力の凄さを再度垣間見て、ますます気に入っていた。

(彼女の魔力は凄すぎる。あれだけの呪いを浄化してしまうなんて)

(まったく、セーナちゃんはおもしれえ。俺の予想を遙かに超えて行きやがる。それが面白くなくてなんだ!?だからこそ、見ていきたいんだろうさ)

方や、ヘレナは沙更の魔力量にますますと言うか凄いと思いつつも恐ろしさを感じてしまっていた。

(セーナちゃんの魔力量は本当にどれだけあると言うのかしら!?呪いを手に取りつつも浄化出来る時点で、この世の魔法士を越えてしまっているわ)

そんな三人とは別に、ミリアだけは沙更の本質を見抜いていた。

(セーナちゃんは、あの宝石の現状を見て怒っただけ。あの呪いをかけた術者を許せなかったから、呪いを受けつつも浄化するなんて荒技に出たんだよ。浄化が終わった時のセーナちゃんは、嬉しそうだった。この輝きを見たかったんだろうなあって思う。それで好かれちゃうあたりがセーナちゃんだよね)

宝石の現状に怒り、その現状を打破して新しい輝きを生み出した。それ故に、髪飾りに認められ頭に鎮座しているのだから微笑ましいと思う。

その髪飾りが途轍もなく凄い物だとしても、その凄くしたのが沙更なのだからその守護さえ気にせず受け取るだろうとミリアは思った。

宝石と宝石と金の髪飾りの二つを浄化した後、地下四階層から完全に地上に向けて動くことが確定になった。ここの宝箱以外の通路を制覇したからだ。

「地下四階層はこれで全て確認したって形になったね」

「ミリアお姉さんやパウエルさんたちに取っては、宝石が出てきた事で若干でもお金の足しになりそうで良かったです」

「セーナちゃんが浄化してくれてなかったら、売れなかっただろうからね。それにしても、浄化した後の宝石の輝きが凄すぎる気がするんだけども」

「流石に、三属性を封じ込めていますから輝きも違うかもです。でも、呪われていた時よりも鮮やかですし、煌めき具合も良いと思うんですよ」

「てか、この宝石三属性を封じ込めてあるって時点で好事家たちには高値で売れそうではあるんだよな。しかも属性の一つは光ときたもんだ。いま、光属性を封じ込め出来る魔法士なんてほとんどいねえぞ?」

「光が入っている時点で、下手な宝石屋で売れないわね。でも、魔導具屋なら高値で売れそうではあるわ」

「宝石の話は後にして。今はここを脱出することが先なんだから」

ミリアに三人とも現実に戻されると沙更が風の魔法ウィンドウォークを唱える。沙更を込み、五人に風の加速をかける加速魔法だ。

「地上に行くのに、加速魔法は必要ですよね」

「ありがとうセーナちゃん。なんだか、いろいろと背中を押してくれてありがとうね」

「ミリアお姉さんに守って貰わないと私は本気を出せません。それに、地上までの道のりはミリアお姉さんたちが頼りですし」

「そう言ってくれると嬉しいかな。大丈夫、セーナちゃんを確実に開拓村まで帰してあげるよ」

ミリアがそう言うと沙更はそんなミリアの手を取る。大丈夫だって、伝えるように。

そんな二人を見て、ガレムが二人の背を叩く。

「大丈夫だぜ、俺がいるからな。下手な敵くらいなら潰してやるぜ」

「ったあ。ガレムの馬鹿力、叩くなら加減してよね」

「あ、あはは。もうガレムさん、力の加減はしてくださいね。私は大丈夫でも、ミリアお姉さんには強すぎですよ」

ミリアには痛みが走るが、沙更には走らないと言うか魔法の防護幕が自動で生成されているからあのくらいの衝撃ならば押さえ込んでしまうのだ。

ある程度、気を張り詰めていたのをほぐすような形での会話をしつつも第三階層へ続く階段を探す。それも、ウィンドウォークを発動させつつなので、探すのもそこまで時間が掛からなかった。
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