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古代遺跡の出来事
第59話 地上に向けて23
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月の魔女とよばれるまで
第59話 地上に向けて23
風を感じることが出来るようになったことで、地上が近づいてきているのが分かる。ウィンドウォークにも風を感じられる効果が現れてきた。さっきよりも速度が上がっているからだ。
「精霊魔法でもないのに、風の有る無しで影響を受けるのが面白いかな」
「自然の影響を受ける魔法って、セーナちゃんそれ凄すぎると思うんだけど」
「自然に影響される魔法は、エルフが扱うとされる精霊魔法くらいだと思ったのだけど」
沙更の言葉に、ミリアとヘレナが反応して驚いた表情を浮かべる。風が自然にあるのと魔法にて起こすのでは消費量が変わってくる上に効果も変わってくるのは普通の魔法では無いらしい。
そう言う魔法の常識すらすっ飛ばして扱っているのはエーベルが古代魔法士だったからだろう。それに、古代魔法は自然の力すら利用してその力に変えていたと言うのは教えて貰った知識にあった。
それだけ、現代魔法が古代魔法に比べると落ちると言う証でもあった。膨大な魔力を使う古代魔法は、人々から魔力が失われると共に失われた。
が、月女神の魂を持つ沙更がそれを再現するのは何ら難しいことではない。セーナの魔力だけでも再現出来るほどだったのに、沙更の魂も合わさった今ならば神世の魔法でも使いこなせるだろうと思われた。
「セーナちゃんの凄さは嫌って程思い知らされるな。本当に、一緒に付いてきて貰って良いのかい?」
「パウエルさん、私にこれからのことは分かりません。今は地上に、開拓村に戻りたいって思うだけです」
パウエルの問いに、今の沙更が答えられる答えがそれであった。その答えを聞きつつ、ガレムがパウエルの肩を叩く。
「リーダー、セーナちゃんを拒むのならもう遅えよ。俺たちは助けられちまったからな」
「いや、ちょっと気後れしただけだ。セーナちゃんは冒険者になったとしても超一流になるだろう。もの凄い冒険をすることになるはずだ。そう考えるとな」
「慎重なのはリーダーの良いところだが、今はそれ必要か?セーナちゃんが居てくれるのなら、Bランクモンスターですら勝つことも出来る。いつまでも居てくれとは言わないが、しばらくは力を貸してもらえる方がありがたいだろうが」
ガレムはあっさりとそう言う。セーナの力は、自分たちよりも強い事は重々承知の上でそう言っているのだ。依頼を終えるまで一緒に居てもらえと。
沙更は一人でも開拓村まで行ける実力を持っていると知っているが、小さい彼女に一人苦労させるのは違うとガレムの本能が言っていた。ミリアも多分同じ口だろうと言うのも分かっている。
頑張る小さい子に、成人した自分たちが手を離して勝手にやってくれと言えるかと言う側面もある。もし、そうした場合はくそな大人の仲間入りだとガレムは思ったのだ。
「小さい女の子に助けを請われるって言うのも名誉なもんだぜ」
「彼女が俺たちと別れるまで、一緒に居た方が俺らのためでもあるか…」
「そう言うこった。セーナちゃんが俺たちから離れる時は、かなりの理由が出来た時だろうよ。その時はミリアも見送ってやらねえとなあ」
「ミリアはセーナちゃんに付いていくだろうと言うのは、今の状態を見ていれば分かる。その時に胸を張って送り出せれば良いとは思うのだがな」
パウエルとしても、そこまでは考えていた。ミリアの腕が一気に上がったことで、もしかしたらパーティーから外れるかも知れないと言う思いが現実になりそうな気がしていたからだ。
「もし、その時に俺もあの子に認められる強さになっていたらついて行ってやりてえ。猛者に会えるからと言うのもあるが、それよりも気に掛かることもある」
「女子二人で、物理的な問題を捌くには辛いってことか?」
「まあ、それもあるけどよ。せめて、盾役は必要だろう?」
「出来るのなら、俺も一緒に行けるように頑張るべきなのだろう。折れた俺の相棒を生き返らせてくれた礼はしたい」
パウエルとしても、剣のことを考えれば礼をしたいと思わせるには十分すぎた。ガレムは斧の件以外にも思うところがあるらしい。
いろんな思いが錯綜する中、沙更たちは地上への階段へと急ぐことにした。
第59話 地上に向けて23
風を感じることが出来るようになったことで、地上が近づいてきているのが分かる。ウィンドウォークにも風を感じられる効果が現れてきた。さっきよりも速度が上がっているからだ。
「精霊魔法でもないのに、風の有る無しで影響を受けるのが面白いかな」
「自然の影響を受ける魔法って、セーナちゃんそれ凄すぎると思うんだけど」
「自然に影響される魔法は、エルフが扱うとされる精霊魔法くらいだと思ったのだけど」
沙更の言葉に、ミリアとヘレナが反応して驚いた表情を浮かべる。風が自然にあるのと魔法にて起こすのでは消費量が変わってくる上に効果も変わってくるのは普通の魔法では無いらしい。
そう言う魔法の常識すらすっ飛ばして扱っているのはエーベルが古代魔法士だったからだろう。それに、古代魔法は自然の力すら利用してその力に変えていたと言うのは教えて貰った知識にあった。
それだけ、現代魔法が古代魔法に比べると落ちると言う証でもあった。膨大な魔力を使う古代魔法は、人々から魔力が失われると共に失われた。
が、月女神の魂を持つ沙更がそれを再現するのは何ら難しいことではない。セーナの魔力だけでも再現出来るほどだったのに、沙更の魂も合わさった今ならば神世の魔法でも使いこなせるだろうと思われた。
「セーナちゃんの凄さは嫌って程思い知らされるな。本当に、一緒に付いてきて貰って良いのかい?」
「パウエルさん、私にこれからのことは分かりません。今は地上に、開拓村に戻りたいって思うだけです」
パウエルの問いに、今の沙更が答えられる答えがそれであった。その答えを聞きつつ、ガレムがパウエルの肩を叩く。
「リーダー、セーナちゃんを拒むのならもう遅えよ。俺たちは助けられちまったからな」
「いや、ちょっと気後れしただけだ。セーナちゃんは冒険者になったとしても超一流になるだろう。もの凄い冒険をすることになるはずだ。そう考えるとな」
「慎重なのはリーダーの良いところだが、今はそれ必要か?セーナちゃんが居てくれるのなら、Bランクモンスターですら勝つことも出来る。いつまでも居てくれとは言わないが、しばらくは力を貸してもらえる方がありがたいだろうが」
ガレムはあっさりとそう言う。セーナの力は、自分たちよりも強い事は重々承知の上でそう言っているのだ。依頼を終えるまで一緒に居てもらえと。
沙更は一人でも開拓村まで行ける実力を持っていると知っているが、小さい彼女に一人苦労させるのは違うとガレムの本能が言っていた。ミリアも多分同じ口だろうと言うのも分かっている。
頑張る小さい子に、成人した自分たちが手を離して勝手にやってくれと言えるかと言う側面もある。もし、そうした場合はくそな大人の仲間入りだとガレムは思ったのだ。
「小さい女の子に助けを請われるって言うのも名誉なもんだぜ」
「彼女が俺たちと別れるまで、一緒に居た方が俺らのためでもあるか…」
「そう言うこった。セーナちゃんが俺たちから離れる時は、かなりの理由が出来た時だろうよ。その時はミリアも見送ってやらねえとなあ」
「ミリアはセーナちゃんに付いていくだろうと言うのは、今の状態を見ていれば分かる。その時に胸を張って送り出せれば良いとは思うのだがな」
パウエルとしても、そこまでは考えていた。ミリアの腕が一気に上がったことで、もしかしたらパーティーから外れるかも知れないと言う思いが現実になりそうな気がしていたからだ。
「もし、その時に俺もあの子に認められる強さになっていたらついて行ってやりてえ。猛者に会えるからと言うのもあるが、それよりも気に掛かることもある」
「女子二人で、物理的な問題を捌くには辛いってことか?」
「まあ、それもあるけどよ。せめて、盾役は必要だろう?」
「出来るのなら、俺も一緒に行けるように頑張るべきなのだろう。折れた俺の相棒を生き返らせてくれた礼はしたい」
パウエルとしても、剣のことを考えれば礼をしたいと思わせるには十分すぎた。ガレムは斧の件以外にも思うところがあるらしい。
いろんな思いが錯綜する中、沙更たちは地上への階段へと急ぐことにした。
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