81 / 365
領都へ
第73話 初めての買い物
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第73話 初めての買い物
冒険者ギルドで、魔石の換金を行ったことで思った以上に資金に余裕が出来た。金貨8枚は、流石にCランクと言えど馬鹿に出来ない金額であった。
大体一回の依頼で入る金額がCランクの場合金貨10枚前後の物が多いからだ。おかげで、領都ウエストエンドに行くまでの資金を稼ぐことが出来たのだから。
流石に、受付嬢が後ろに行ってからパウエルたちは冒険者ギルドを後にしていた。それ以上、長居をする必要性もなかった。こちらをちらちら見る冒険者たちも多かったことで、その視線がうっとうしいと思ったこともあったからだ。
かなりの数の魔石を売却したことが注目を集める結果になってしまったのだった。それだけ、ここの冒険者たちの質が低いと言う証明でもあった。
実際アイスジャイアントの魔石を売ろう物なら、流石に金貨100枚は堅い。そして、沙更の魔力を込めた宝石を売ったら、それで済むはずが無く、それ以上の値段が付くのは確実視されていた。
それだけに、商業ギルドも巻き込むかたちでの大事になるのだが、それは後の話。
まとまったお金が出来たことで、足りなくなってきた食料を買い求めようと思うのは当然の話だった。少なくても、ここにある食料では心許ないと言って良かった。
昼過ぎともなると既に、市場もある程度売り切れが出てくる時間だった。お目当ての物を買うならば、早朝に行かなくては手に入らないのだから。
開拓村の面々も買い物に来る為、ここの人口よりも物の動きが活発であって、それなりの品が集まっているのがよく分かる。それ故に、売り切れた品が目立っていた。それでも、まだまだ人が居るのは掘り出し物をさがしているのだろうか?
そんな光景をみて、パウエルが口を開く。
「思った以上に、なかなか繁盛してそうだな」
「食料系はやっぱり朝早くないと物が少なくなってるね。残ってるのは小麦粉とか葉物の野菜くらいかな?」
ミリアが露店を遠目で見て、確認出来たのがそれくらいだった。でも、小麦粉と聞いてセーナとしてはかなりバリエーションが増えるなあと思っていた。小麦粉はいろいろな物を作るのに必要だからだ。
「小麦粉と葉物の野菜を買ってきます。これで、少しはいろいろと作れるようになるので楽しみです」
沙更がそう言うと小麦粉と野菜が売っている場所へと走って行く。その後をミリアが何も言わずについて行く。沙更だけでは面倒ごとに巻き込まれた場合、被害が大きくなりやすい。だから、ミリアで捌くつもりだった。
市場に行く沙更に、セーナがパウエルから渡されたお金を渡す。ここで、一番買い物をするのは沙更だったからだ。食料の善し悪しまで分かるのが沙更だけだったというのもあったのだが。
「はい、セーナちゃん。銀貨4枚渡しておくね、これだけあればそれなりには買えるから」
「ありがとうございますミリアお姉さん。野菜と小麦粉のめぼしいのがあれば買ってきますね」
お金を受け取った沙更が向かったのは、市場でも若干端の方の露店だった。旗に小麦粉ありますと書いてあるあたり、小麦粉が主力のようだ。
沙更がやってくると露店のおばさんが微笑ましいと思ったらしく、声をかけてきた。
「いらっしゃい、お嬢ちゃん。なにをお探しだい?」
「小麦粉と葉物の野菜とこの丸い野菜をこれで買えるだけ買いたいんですけど」
そう言って、見せた銀貨四枚におばさんの顔が引きつる。
「お嬢ちゃん、あんたうちの品物全て買う気かい?それでも、この金額だとおつりが来ちゃうよ」
「銀貨4枚で、これ全て買えるんですか?」
「小麦粉全てで銀貨1枚と銅貨8枚に葉物の野菜と丸い野菜の全てで銅貨7枚さ。銀貨1枚と銅貨5枚がおつりになるよ。でも、良いのかい?他に買う物もあるんじゃ無いのかい?」
露店のおばさんは心配そうにセーナの顔を見る。お使いだと思っているのはセーナとしても好都合だったから、そこを否定する気はなかった。
「はい、小麦粉と野菜を買いに来たので大丈夫です。じゃあ、銀貨三枚で良いですか?」
「ああ、ありがとうよ。今日も売れ残ると思ったんだけど、あたしの方こそお礼を言わないといけないねえ」
「えっと、いつもここに露店を出しているんですか?」
沙更は露店のおばさんにそう聞く。目の前で見る小麦粉の質は、今見えるこの辺の露店で売っている物よりも1ランク上の物だった。実際、軽く魔力鑑定をしつつ、おばさんに話しかけていたのだ。おつりの銅貨5枚を受け取りつつもさらに話を続ける。
「ああ、今の時期は小麦の収穫時期が終わってすぐだからね。うちで取れた小麦を粉にして売っているのさ。野菜もうちで作ったやつなんだよ。でも、小麦粉は良いとして野菜をこんなに買って使い切れるのかい?」
「それは、大丈夫です。結構大所帯なので、これくらい買わないとすぐなくなっちゃうので」
「大変そうだねえ。そうだ、お嬢ちゃんが一杯買ってくれたから、これをおまけしてあげるよ」
そう言って、おばさんが渡してくれたのはとうもろこしだった。二十本くらいはあるだろうか。
「おばさん、これ良いんですか?」
「ああ、良いんだよ。それは、余り育てて無くてね。売れない物でもあるのよ」
おばさんの言葉に、セーナは衝撃を受けた。とうもろこしは塩ゆですれば、甘みが増しておいしくなるのをこの世界の人たちはどうやら知らないのかもしれないと思ったからだ。
「おまけ、ありがとうございます。また買いに来ますね」
「嬢ちゃんみたいな上客はいつでも歓迎だよ。またおいで」
お礼を言って、おばさんのいた露店を離れる。そこに、ミリアがセーナの側に寄る。ある程度治安は守られているものの、警戒するに越したことは無いとミリア自身が思っていたからだ。
「セーナちゃん、どう?良い物を買えた?」
「ミリアお姉さん、小麦粉と玉ねぎに葉物の野菜が買えました。露店のおばさんにとうもろこしをおまけして貰ったので、後で塩ゆでしますね」
「とうもろこしねえ。あれ、おいしいの?生でしか食べたことが無いから、甘いのは分かるんだけど」
「ミリアお姉さんもですか、とうもろこしは塩ゆでしてあげると甘みが増すんですよ。おやつにいいかもしれませんし、スープにしても甘みが出ればおいしいですよ。戻ったらすぐにやりますね」
沙更がそう言う物だから、ミリアはそれ以上なにも言わない。料理に関しては沙更にお任せだったからだ。
第73話 初めての買い物
冒険者ギルドで、魔石の換金を行ったことで思った以上に資金に余裕が出来た。金貨8枚は、流石にCランクと言えど馬鹿に出来ない金額であった。
大体一回の依頼で入る金額がCランクの場合金貨10枚前後の物が多いからだ。おかげで、領都ウエストエンドに行くまでの資金を稼ぐことが出来たのだから。
流石に、受付嬢が後ろに行ってからパウエルたちは冒険者ギルドを後にしていた。それ以上、長居をする必要性もなかった。こちらをちらちら見る冒険者たちも多かったことで、その視線がうっとうしいと思ったこともあったからだ。
かなりの数の魔石を売却したことが注目を集める結果になってしまったのだった。それだけ、ここの冒険者たちの質が低いと言う証明でもあった。
実際アイスジャイアントの魔石を売ろう物なら、流石に金貨100枚は堅い。そして、沙更の魔力を込めた宝石を売ったら、それで済むはずが無く、それ以上の値段が付くのは確実視されていた。
それだけに、商業ギルドも巻き込むかたちでの大事になるのだが、それは後の話。
まとまったお金が出来たことで、足りなくなってきた食料を買い求めようと思うのは当然の話だった。少なくても、ここにある食料では心許ないと言って良かった。
昼過ぎともなると既に、市場もある程度売り切れが出てくる時間だった。お目当ての物を買うならば、早朝に行かなくては手に入らないのだから。
開拓村の面々も買い物に来る為、ここの人口よりも物の動きが活発であって、それなりの品が集まっているのがよく分かる。それ故に、売り切れた品が目立っていた。それでも、まだまだ人が居るのは掘り出し物をさがしているのだろうか?
そんな光景をみて、パウエルが口を開く。
「思った以上に、なかなか繁盛してそうだな」
「食料系はやっぱり朝早くないと物が少なくなってるね。残ってるのは小麦粉とか葉物の野菜くらいかな?」
ミリアが露店を遠目で見て、確認出来たのがそれくらいだった。でも、小麦粉と聞いてセーナとしてはかなりバリエーションが増えるなあと思っていた。小麦粉はいろいろな物を作るのに必要だからだ。
「小麦粉と葉物の野菜を買ってきます。これで、少しはいろいろと作れるようになるので楽しみです」
沙更がそう言うと小麦粉と野菜が売っている場所へと走って行く。その後をミリアが何も言わずについて行く。沙更だけでは面倒ごとに巻き込まれた場合、被害が大きくなりやすい。だから、ミリアで捌くつもりだった。
市場に行く沙更に、セーナがパウエルから渡されたお金を渡す。ここで、一番買い物をするのは沙更だったからだ。食料の善し悪しまで分かるのが沙更だけだったというのもあったのだが。
「はい、セーナちゃん。銀貨4枚渡しておくね、これだけあればそれなりには買えるから」
「ありがとうございますミリアお姉さん。野菜と小麦粉のめぼしいのがあれば買ってきますね」
お金を受け取った沙更が向かったのは、市場でも若干端の方の露店だった。旗に小麦粉ありますと書いてあるあたり、小麦粉が主力のようだ。
沙更がやってくると露店のおばさんが微笑ましいと思ったらしく、声をかけてきた。
「いらっしゃい、お嬢ちゃん。なにをお探しだい?」
「小麦粉と葉物の野菜とこの丸い野菜をこれで買えるだけ買いたいんですけど」
そう言って、見せた銀貨四枚におばさんの顔が引きつる。
「お嬢ちゃん、あんたうちの品物全て買う気かい?それでも、この金額だとおつりが来ちゃうよ」
「銀貨4枚で、これ全て買えるんですか?」
「小麦粉全てで銀貨1枚と銅貨8枚に葉物の野菜と丸い野菜の全てで銅貨7枚さ。銀貨1枚と銅貨5枚がおつりになるよ。でも、良いのかい?他に買う物もあるんじゃ無いのかい?」
露店のおばさんは心配そうにセーナの顔を見る。お使いだと思っているのはセーナとしても好都合だったから、そこを否定する気はなかった。
「はい、小麦粉と野菜を買いに来たので大丈夫です。じゃあ、銀貨三枚で良いですか?」
「ああ、ありがとうよ。今日も売れ残ると思ったんだけど、あたしの方こそお礼を言わないといけないねえ」
「えっと、いつもここに露店を出しているんですか?」
沙更は露店のおばさんにそう聞く。目の前で見る小麦粉の質は、今見えるこの辺の露店で売っている物よりも1ランク上の物だった。実際、軽く魔力鑑定をしつつ、おばさんに話しかけていたのだ。おつりの銅貨5枚を受け取りつつもさらに話を続ける。
「ああ、今の時期は小麦の収穫時期が終わってすぐだからね。うちで取れた小麦を粉にして売っているのさ。野菜もうちで作ったやつなんだよ。でも、小麦粉は良いとして野菜をこんなに買って使い切れるのかい?」
「それは、大丈夫です。結構大所帯なので、これくらい買わないとすぐなくなっちゃうので」
「大変そうだねえ。そうだ、お嬢ちゃんが一杯買ってくれたから、これをおまけしてあげるよ」
そう言って、おばさんが渡してくれたのはとうもろこしだった。二十本くらいはあるだろうか。
「おばさん、これ良いんですか?」
「ああ、良いんだよ。それは、余り育てて無くてね。売れない物でもあるのよ」
おばさんの言葉に、セーナは衝撃を受けた。とうもろこしは塩ゆですれば、甘みが増しておいしくなるのをこの世界の人たちはどうやら知らないのかもしれないと思ったからだ。
「おまけ、ありがとうございます。また買いに来ますね」
「嬢ちゃんみたいな上客はいつでも歓迎だよ。またおいで」
お礼を言って、おばさんのいた露店を離れる。そこに、ミリアがセーナの側に寄る。ある程度治安は守られているものの、警戒するに越したことは無いとミリア自身が思っていたからだ。
「セーナちゃん、どう?良い物を買えた?」
「ミリアお姉さん、小麦粉と玉ねぎに葉物の野菜が買えました。露店のおばさんにとうもろこしをおまけして貰ったので、後で塩ゆでしますね」
「とうもろこしねえ。あれ、おいしいの?生でしか食べたことが無いから、甘いのは分かるんだけど」
「ミリアお姉さんもですか、とうもろこしは塩ゆでしてあげると甘みが増すんですよ。おやつにいいかもしれませんし、スープにしても甘みが出ればおいしいですよ。戻ったらすぐにやりますね」
沙更がそう言う物だから、ミリアはそれ以上なにも言わない。料理に関しては沙更にお任せだったからだ。
0
あなたにおすすめの小説
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
魔法属性が遺伝する異世界で、人間なのに、何故か魔族のみ保有する闇属性だったので魔王サイドに付きたいと思います
町島航太
ファンタジー
異常なお人好しである高校生雨宮良太は、見ず知らずの少女を通り魔から守り、死んでしまう。
善行と幸運がまるで釣り合っていない事を哀れんだ転生の女神ダネスは、彼を丁度平和な魔法の世界へと転生させる。
しかし、転生したと同時に魔王軍が復活。更に、良太自身も転生した家系的にも、人間的にもあり得ない闇の魔法属性を持って生まれてしまうのだった。
存在を疎んだ父に地下牢に入れられ、虐げられる毎日。そんな日常を壊してくれたのは、まさかの新魔王の幹部だった。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
【完結】メルティは諦めない~立派なレディになったなら
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
レドゼンツ伯爵家の次女メルティは、水面に映る未来を見る(予言)事ができた。ある日、父親が事故に遭う事を知りそれを止めた事によって、聖女となり第二王子と婚約する事になるが、なぜか姉であるクラリサがそれらを手にする事に――。51話で完結です。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
そんな未来はお断り! ~未来が見える少女サブリナはこつこつ暗躍で成り上がる~
みねバイヤーン
ファンタジー
孤児の少女サブリナは、夢の中で色んな未来を見た。王子に溺愛される「ヒロイン」、逆ハーレムで嫉妬を買う「ヒドイン」、追放され惨めに生きる「悪役令嬢」。──だけど、どれもサブリナの望む未来ではなかった。「あんな未来は、イヤ、お断りよ!」望む未来を手に入れるため、サブリナは未来視を武器に孤児院の仲間を救い、没落貴族を復興し、王宮の陰謀までひっくり返す。すると、王子や貴族令嬢、国中の要人たちが次々と彼女に惹かれる事態に。「さすがにこの未来は予想外だったわ……」運命を塗り替えて、新しい未来を楽しむ異世界改革奮闘記。
聖女だと呼び出しておいて無能ですか?〜捨てられた私は魔王様に溺愛される〜
みおな
恋愛
学校帰りにいきなり眩い光に包まれて連れて来られたのは異世界でした。
王子はこんなちんちくりんは聖女ではないと言い放ち、私を王宮から追い出しました。
元の世界に帰る方法は、魔王の持つ帰還の指輪が必要と言われ、途方にくれた私の前に現れたのは、美形の魔王でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる