月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第78話 大森林3

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月の魔女とよばれるまで

第78話 大森林3

ホーリーフィールドで張り巡らせた結界は、強固にこの場を守ってくれていた。聖なる力を土地に付与し、モンスターを避けるどころか、土地に祝福を与えるほどに。

発動した魔法を感じたミリアは苦笑を浮かべていた。

「えっと、セーナちゃん!?これ凄すぎない?」

「思いついた呪文を口にしただけだったんですが、ここまで強力になるとは思ってませんでした」

沙更的にミリアたちの負担を減らせればと思って詠唱したのだが、それ以上に強力な結界魔法が発動してしまい、困惑してしまった。

実際、結界魔法は現代魔法士の場合数人以上が集まって儀式を行い発動させる物だった。それに、そこまでやっても結界の広さは精々20mほど。セーナみたいに、200m四方の広さで結界を張るなんて事は出来ない。

それを知っているミリアだけに、苦笑を浮かべざるを得なかったのだ。

「セーナちゃん自身が規格外でも、ここまで凄いと笑えないよね」

「単独で結界魔法と結界内の土地に聖なる祝福を与えてしまっている時点で、神の化身と思われても不思議でもなんでもないわ」

「魔法に詳しくねえ俺でも今の魔法がとてつもねえのが分かるぜ。もの凄い清々しい空気がこの辺りに漂ってやがる。モンスターどもはこの空気は嫌いだろうよ」

「モンスターは瘴気を好むから、この清々しい空気は毒にしか鳴らないだろう。それにしても、神の器を持っているからこんなことが出来るのか、それともセーナちゃんの自身の資質なんだろうか?」

沙更のやらかしに、驚きや苦笑を浮かべつつも受け入れる荒野の狼のメンバー。ここまで付いてきてくれている為か、突き放したり等はしない。

それだけでも沙更にとっては嬉しいことであった。あまりに異質だからこそ、理解出来ないと思われてしまう事があることを知っていたから。

結界魔法が発動したことで、モンスターたちは沙更たちに近寄ることが出来ない。一回聖なる祝福を受けた土地は、モンスターを寄せ付けなくなる。それは、野宿するのにモンスターの危険を考えなくて良くなることを意味していた。

「これで、ゆっくり休めると思います。いつもは交代で、見張り番をしてくれているのだと思うのですが」

「いつもなら、交代で寝ているが今日はセーナちゃんのおかげで警戒はしなくても大丈夫だろう」

「ここまでの聖なる結界を張れること自体が規格外すぎるわ。でも、わたくしたちの事を考えてのことだから怒るに怒れないのよね」

「ヘレナが言いたいことも分かるけれど、あたしたちの常識をいちいち当てはめていくとセーナちゃんにとっては生きづらいと思った方が良いかも?」

「神の器を持つセーナちゃんに、俺たちの常識は通用しないだろうしな。それで、堅苦しい生活をさせるのも違うだろ?しかも俺たち冒険者が、貴族みたいなまねをしても面白くも無い」

「セーナちゃんの魔力は、俺たちの知ってる物とは違うんじゃねえか?なんつうか、知ってる魔法士どもの魔力よりもより濃い感じがするんだよなあ」

ガレムが、脳筋らしからぬ鋭い言葉を吐く。実際、現代魔法士の魔力とセーナの魔力はかなり濃度が違っていた。古代魔法士の知識を持ち合わせることもあり、より魔力を高い水準で扱っていたからだ。

そんなこんなで、話をしていると夜は更に更けていく。そうなってくるとさっさと人数分のテントを張り、休む準備を早々に終わらせていく。

今日も、ミリアが沙更の側に来た。

「今日もお邪魔するね。何というか、一緒に居たいと言うか気になっちゃって」

「ミリアお姉さんなら、いつでも歓迎です。私もあとで行こうかなって思ってました」

「そう思ってくれたら嬉しいな。それと、セーナちゃん。白の直刀って魔力を使うんだよね?」

ミリアから白の直刀の話が出る。それに、沙更は答えようにも詳しく知らないことに気付いたのだった。
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