86 / 365
領都へ
第78話 大森林3
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第78話 大森林3
ホーリーフィールドで張り巡らせた結界は、強固にこの場を守ってくれていた。聖なる力を土地に付与し、モンスターを避けるどころか、土地に祝福を与えるほどに。
発動した魔法を感じたミリアは苦笑を浮かべていた。
「えっと、セーナちゃん!?これ凄すぎない?」
「思いついた呪文を口にしただけだったんですが、ここまで強力になるとは思ってませんでした」
沙更的にミリアたちの負担を減らせればと思って詠唱したのだが、それ以上に強力な結界魔法が発動してしまい、困惑してしまった。
実際、結界魔法は現代魔法士の場合数人以上が集まって儀式を行い発動させる物だった。それに、そこまでやっても結界の広さは精々20mほど。セーナみたいに、200m四方の広さで結界を張るなんて事は出来ない。
それを知っているミリアだけに、苦笑を浮かべざるを得なかったのだ。
「セーナちゃん自身が規格外でも、ここまで凄いと笑えないよね」
「単独で結界魔法と結界内の土地に聖なる祝福を与えてしまっている時点で、神の化身と思われても不思議でもなんでもないわ」
「魔法に詳しくねえ俺でも今の魔法がとてつもねえのが分かるぜ。もの凄い清々しい空気がこの辺りに漂ってやがる。モンスターどもはこの空気は嫌いだろうよ」
「モンスターは瘴気を好むから、この清々しい空気は毒にしか鳴らないだろう。それにしても、神の器を持っているからこんなことが出来るのか、それともセーナちゃんの自身の資質なんだろうか?」
沙更のやらかしに、驚きや苦笑を浮かべつつも受け入れる荒野の狼のメンバー。ここまで付いてきてくれている為か、突き放したり等はしない。
それだけでも沙更にとっては嬉しいことであった。あまりに異質だからこそ、理解出来ないと思われてしまう事があることを知っていたから。
結界魔法が発動したことで、モンスターたちは沙更たちに近寄ることが出来ない。一回聖なる祝福を受けた土地は、モンスターを寄せ付けなくなる。それは、野宿するのにモンスターの危険を考えなくて良くなることを意味していた。
「これで、ゆっくり休めると思います。いつもは交代で、見張り番をしてくれているのだと思うのですが」
「いつもなら、交代で寝ているが今日はセーナちゃんのおかげで警戒はしなくても大丈夫だろう」
「ここまでの聖なる結界を張れること自体が規格外すぎるわ。でも、わたくしたちの事を考えてのことだから怒るに怒れないのよね」
「ヘレナが言いたいことも分かるけれど、あたしたちの常識をいちいち当てはめていくとセーナちゃんにとっては生きづらいと思った方が良いかも?」
「神の器を持つセーナちゃんに、俺たちの常識は通用しないだろうしな。それで、堅苦しい生活をさせるのも違うだろ?しかも俺たち冒険者が、貴族みたいなまねをしても面白くも無い」
「セーナちゃんの魔力は、俺たちの知ってる物とは違うんじゃねえか?なんつうか、知ってる魔法士どもの魔力よりもより濃い感じがするんだよなあ」
ガレムが、脳筋らしからぬ鋭い言葉を吐く。実際、現代魔法士の魔力とセーナの魔力はかなり濃度が違っていた。古代魔法士の知識を持ち合わせることもあり、より魔力を高い水準で扱っていたからだ。
そんなこんなで、話をしていると夜は更に更けていく。そうなってくるとさっさと人数分のテントを張り、休む準備を早々に終わらせていく。
今日も、ミリアが沙更の側に来た。
「今日もお邪魔するね。何というか、一緒に居たいと言うか気になっちゃって」
「ミリアお姉さんなら、いつでも歓迎です。私もあとで行こうかなって思ってました」
「そう思ってくれたら嬉しいな。それと、セーナちゃん。白の直刀って魔力を使うんだよね?」
ミリアから白の直刀の話が出る。それに、沙更は答えようにも詳しく知らないことに気付いたのだった。
第78話 大森林3
ホーリーフィールドで張り巡らせた結界は、強固にこの場を守ってくれていた。聖なる力を土地に付与し、モンスターを避けるどころか、土地に祝福を与えるほどに。
発動した魔法を感じたミリアは苦笑を浮かべていた。
「えっと、セーナちゃん!?これ凄すぎない?」
「思いついた呪文を口にしただけだったんですが、ここまで強力になるとは思ってませんでした」
沙更的にミリアたちの負担を減らせればと思って詠唱したのだが、それ以上に強力な結界魔法が発動してしまい、困惑してしまった。
実際、結界魔法は現代魔法士の場合数人以上が集まって儀式を行い発動させる物だった。それに、そこまでやっても結界の広さは精々20mほど。セーナみたいに、200m四方の広さで結界を張るなんて事は出来ない。
それを知っているミリアだけに、苦笑を浮かべざるを得なかったのだ。
「セーナちゃん自身が規格外でも、ここまで凄いと笑えないよね」
「単独で結界魔法と結界内の土地に聖なる祝福を与えてしまっている時点で、神の化身と思われても不思議でもなんでもないわ」
「魔法に詳しくねえ俺でも今の魔法がとてつもねえのが分かるぜ。もの凄い清々しい空気がこの辺りに漂ってやがる。モンスターどもはこの空気は嫌いだろうよ」
「モンスターは瘴気を好むから、この清々しい空気は毒にしか鳴らないだろう。それにしても、神の器を持っているからこんなことが出来るのか、それともセーナちゃんの自身の資質なんだろうか?」
沙更のやらかしに、驚きや苦笑を浮かべつつも受け入れる荒野の狼のメンバー。ここまで付いてきてくれている為か、突き放したり等はしない。
それだけでも沙更にとっては嬉しいことであった。あまりに異質だからこそ、理解出来ないと思われてしまう事があることを知っていたから。
結界魔法が発動したことで、モンスターたちは沙更たちに近寄ることが出来ない。一回聖なる祝福を受けた土地は、モンスターを寄せ付けなくなる。それは、野宿するのにモンスターの危険を考えなくて良くなることを意味していた。
「これで、ゆっくり休めると思います。いつもは交代で、見張り番をしてくれているのだと思うのですが」
「いつもなら、交代で寝ているが今日はセーナちゃんのおかげで警戒はしなくても大丈夫だろう」
「ここまでの聖なる結界を張れること自体が規格外すぎるわ。でも、わたくしたちの事を考えてのことだから怒るに怒れないのよね」
「ヘレナが言いたいことも分かるけれど、あたしたちの常識をいちいち当てはめていくとセーナちゃんにとっては生きづらいと思った方が良いかも?」
「神の器を持つセーナちゃんに、俺たちの常識は通用しないだろうしな。それで、堅苦しい生活をさせるのも違うだろ?しかも俺たち冒険者が、貴族みたいなまねをしても面白くも無い」
「セーナちゃんの魔力は、俺たちの知ってる物とは違うんじゃねえか?なんつうか、知ってる魔法士どもの魔力よりもより濃い感じがするんだよなあ」
ガレムが、脳筋らしからぬ鋭い言葉を吐く。実際、現代魔法士の魔力とセーナの魔力はかなり濃度が違っていた。古代魔法士の知識を持ち合わせることもあり、より魔力を高い水準で扱っていたからだ。
そんなこんなで、話をしていると夜は更に更けていく。そうなってくるとさっさと人数分のテントを張り、休む準備を早々に終わらせていく。
今日も、ミリアが沙更の側に来た。
「今日もお邪魔するね。何というか、一緒に居たいと言うか気になっちゃって」
「ミリアお姉さんなら、いつでも歓迎です。私もあとで行こうかなって思ってました」
「そう思ってくれたら嬉しいな。それと、セーナちゃん。白の直刀って魔力を使うんだよね?」
ミリアから白の直刀の話が出る。それに、沙更は答えようにも詳しく知らないことに気付いたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
私が目覚めたのは断罪劇の真っ最中でした
アーエル
ファンタジー
「今北産業、説明ぷりーず」
「「「…………は?」」」
「今北産業、状況説明ぷりーず」
だれか説明してくださいな
☆他社でも公開しています
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
根暗男が異世界転生してTS美少女になったら幸せになれますか?
みずがめ
ファンタジー
自身の暗い性格をコンプレックスに思っていた男が死んで異世界転生してしまう。
転生した先では性別が変わってしまい、いわゆるTS転生を果たして生活することとなった。
せっかく異世界ファンタジーで魔法の才能に溢れた美少女になったのだ。元男は前世では掴めなかった幸せのために奮闘するのであった。
これは前世での後悔を引きずりながらもがんばっていく、TS少女の物語である。
※この作品は他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる