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領都へ
第83話 ゴブリンとの遭遇3
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月の魔女とよばれるまで
第83話 ゴブリンとの遭遇3
一番最初のゴブリンと遭遇したのは沙更のマイティアップを唱えてから数分後。森の木々から現れたところをパウエルの魔鉄の青い剣により一撃で斬り殺された。
「普通のゴブリンくらいなら手応えが無いか、剣の切れ味が凄すぎる」
今までが鉄の剣だっただけに、魔鉄では全然素材が変わってしまう。それだけに、切れ味も比例して良くなるのは当然だった。
こうして、ゴブリンたちと戦端を開いたわけだったがマイティアップが唱えられているパウエル達の前に、普通のゴブリンでは刃が立つわけもない。
ゴブリンの巣がある場所へ、徐々に近づきつつも仕掛けてくるゴブリンを四人で排除していく。たまに、遠距離から弓を使うゴブリンが出てくるので、それらは沙更のウィンドカッターであっさりと迎撃していった。
段々、ゴブリン達も相手にしている人間がかなり強いと認識をしたようで、近づく前に弓矢攻撃を仕掛けるものの沙更のウィンドカッターの前に弓矢ごと真っ二つにされていく。音速を叩き出す風の刃に、木製の弓矢で対抗出来るわけがないからだ。
ゴブリンの巣に更に近づくと今度はゴブリンよりも進化したホブゴブリンが現れる。ゴブリンよりも大きい棍棒を持って襲いかかるがパウエルはそれを簡単にいなすと同時に魔鉄の青い剣を振り切る。その一撃で、胴体と足が物別れになるホブゴブリン。
他のホブゴブリンも、ミリアの白の直刀とガレムの炭素鋼の斧で真っ二つにされていた。
ある程度巣に近いところまで来ると位置取りが重要になってくる。ゴブリンたちは優先的にヘレナやセーナのところへ向かおうとするが、パウエルとミリアとガレムのトリオがそれに立ちふさがった。
こういう迎撃戦の場合、立ち回りが非常に重要になる。樹木があることで、剣や斧が刺さったりしたらアウトだからだ。
そう言う点、ミリアは動きに制限が掛かりにくいので動きやすい。得物の長さが短いのも場所によっては利点になるからだ。沙更とミリアがその間に周囲を探る。魔力で探査魔法を使い、周囲を調べて口を開いた。
「ゴブリンは前から来ます。横と後ろは、今のところ来ません。前方ゴブリン15です」
「リーダー、前からわらわら来てる。ガレムも大振りはダメ」
「了解、ならお出迎えと行こうか」
「分かってるぜ。こういうところは横は厳しいだろ」
沙更とミリアの言葉に、パウエルとガレムが答える。ミリアは後ろに回ろうとするゴブリンを白の直刀で切り裂いた。ガレムも近づくゴブリンを炭素鋼の斧で唐竹割りの要領で断ち割った。
基本、パウエルとミリアとガレムで対処してヘレナが遊撃、セーナが遠距離攻撃と言う分担だった。
実際、ゴブリンの数を頼んだ攻撃と言うものは、かなり厄介なものだ。下手に自信をつけた人間を嘲笑うように仕掛けてくる。そして、対処しきれなくなって命を落としていく。
一匹だけならばFクラス難易度しかないが、数で群れればその難易度は跳ね上がる。こちらの疲労を無視して、わらわら現れるのだから。
それ故に、パウエルたちは立ち回りを重視するし、動きやすいように動く。たかがゴブリンと認定した時点で相手の術中に填まっているのだから。マイティアップも唱えてあるため、体力に関してはかなりの余裕があるのが幸いだったと言える。
沙更のウィンドウォークも詠唱済みなので、移動速度はゴブリンの比ではないし、疲労度も押さえられている。そして、立ち回りさえ気をつければ疲労も減らせるからそう言う意味でも連携は非常に重要なのだ。
それに、普通ならばCクラス冒険者と言えど、五人でゴブリンの集落を相手にはしない。本当ならば、この時点で冒険者ギルドの広域クエストと言う形で腕利きを集めてからになるし、それだけの危険をはらんでいたからだ。
第83話 ゴブリンとの遭遇3
一番最初のゴブリンと遭遇したのは沙更のマイティアップを唱えてから数分後。森の木々から現れたところをパウエルの魔鉄の青い剣により一撃で斬り殺された。
「普通のゴブリンくらいなら手応えが無いか、剣の切れ味が凄すぎる」
今までが鉄の剣だっただけに、魔鉄では全然素材が変わってしまう。それだけに、切れ味も比例して良くなるのは当然だった。
こうして、ゴブリンたちと戦端を開いたわけだったがマイティアップが唱えられているパウエル達の前に、普通のゴブリンでは刃が立つわけもない。
ゴブリンの巣がある場所へ、徐々に近づきつつも仕掛けてくるゴブリンを四人で排除していく。たまに、遠距離から弓を使うゴブリンが出てくるので、それらは沙更のウィンドカッターであっさりと迎撃していった。
段々、ゴブリン達も相手にしている人間がかなり強いと認識をしたようで、近づく前に弓矢攻撃を仕掛けるものの沙更のウィンドカッターの前に弓矢ごと真っ二つにされていく。音速を叩き出す風の刃に、木製の弓矢で対抗出来るわけがないからだ。
ゴブリンの巣に更に近づくと今度はゴブリンよりも進化したホブゴブリンが現れる。ゴブリンよりも大きい棍棒を持って襲いかかるがパウエルはそれを簡単にいなすと同時に魔鉄の青い剣を振り切る。その一撃で、胴体と足が物別れになるホブゴブリン。
他のホブゴブリンも、ミリアの白の直刀とガレムの炭素鋼の斧で真っ二つにされていた。
ある程度巣に近いところまで来ると位置取りが重要になってくる。ゴブリンたちは優先的にヘレナやセーナのところへ向かおうとするが、パウエルとミリアとガレムのトリオがそれに立ちふさがった。
こういう迎撃戦の場合、立ち回りが非常に重要になる。樹木があることで、剣や斧が刺さったりしたらアウトだからだ。
そう言う点、ミリアは動きに制限が掛かりにくいので動きやすい。得物の長さが短いのも場所によっては利点になるからだ。沙更とミリアがその間に周囲を探る。魔力で探査魔法を使い、周囲を調べて口を開いた。
「ゴブリンは前から来ます。横と後ろは、今のところ来ません。前方ゴブリン15です」
「リーダー、前からわらわら来てる。ガレムも大振りはダメ」
「了解、ならお出迎えと行こうか」
「分かってるぜ。こういうところは横は厳しいだろ」
沙更とミリアの言葉に、パウエルとガレムが答える。ミリアは後ろに回ろうとするゴブリンを白の直刀で切り裂いた。ガレムも近づくゴブリンを炭素鋼の斧で唐竹割りの要領で断ち割った。
基本、パウエルとミリアとガレムで対処してヘレナが遊撃、セーナが遠距離攻撃と言う分担だった。
実際、ゴブリンの数を頼んだ攻撃と言うものは、かなり厄介なものだ。下手に自信をつけた人間を嘲笑うように仕掛けてくる。そして、対処しきれなくなって命を落としていく。
一匹だけならばFクラス難易度しかないが、数で群れればその難易度は跳ね上がる。こちらの疲労を無視して、わらわら現れるのだから。
それ故に、パウエルたちは立ち回りを重視するし、動きやすいように動く。たかがゴブリンと認定した時点で相手の術中に填まっているのだから。マイティアップも唱えてあるため、体力に関してはかなりの余裕があるのが幸いだったと言える。
沙更のウィンドウォークも詠唱済みなので、移動速度はゴブリンの比ではないし、疲労度も押さえられている。そして、立ち回りさえ気をつければ疲労も減らせるからそう言う意味でも連携は非常に重要なのだ。
それに、普通ならばCクラス冒険者と言えど、五人でゴブリンの集落を相手にはしない。本当ならば、この時点で冒険者ギルドの広域クエストと言う形で腕利きを集めてからになるし、それだけの危険をはらんでいたからだ。
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