月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第97話 大森林6

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月の魔女とよばれるまで

第97話 大森林6

女性達と少女二人を休憩させている間、大森林の中なのにモンスターや野獣と出くわさないことに疑問に思ったヘレナが沙更に話しかけてきた。

「セーナちゃん、ここでこんなにモンスターと出くわさないなんてあり得ないの。セーナちゃんが威嚇でもしてたとしか思えないのだけど?」

「それに近いことをしていたと言った方が良いのかも知れません。探査の魔法の範囲は半径数キロですし、ミリアお姉さんの気配察知も今だったら500mほどの範囲なら探れますから、モンスター自体を避けて通ることも可能なんです」

ヘレナが想像していた以上の話が返ってきて、更に混乱させてしまう。実際、魔力探知で数キロの範囲を探れること自体が現代魔法士では無理な話だったからだ。

普通の魔法士の探査魔法は、良くて200m程。かなり熟練の魔法士でそれなので、普通の冒険者をしている魔法士だったら平均100m位だろう。

それの数十倍の範囲を探れる時点で、桁が外れている。更に言うなら、それだけの範囲に沙更の魔力がばらまかれていると言う証でもあった。

「はあ、セーナちゃんが凄すぎるのを忘れていたわ。でも、探査魔法でそれだけ探れて魔力をばらまいているとなるとモンスターはその魔力に反応して逃げているってことなのかしら?」

「基本的に、モンスターは強い魔力を避けます。よほど、強いモンスターだとこちらに仕掛けてくるかもですが、そのラインのモンスターはここには居ませんから、結果的にモンスターと遭遇しないと言う方向なのです」

沙更の説明に、ヘレナは呆れた顔を浮かべるしか無かった。強いモンスターならば、仕掛けられたかも知れないと言う事実に頭を抱えたくなりつつも、今はいないのでモンスターを避けて動けると安堵感もあったからだ。

ヘレナとの会話を終えたところで、パウエルが顔を出した。

「セーナちゃん、大分進んだとは思うが街道がどちらにあるかは把握しているか?」

「パウエルさん、私の探査範囲では街道側までは把握できていません。けれど、方位だけはしっかり確認していますから大丈夫だと思います。南東に向かっていますから」

元々開拓村がシルバール王国での最北と最西にあたる。ウェストエンドは、開拓村から見れば南東側に位置している為、そっちに向かっていると伝えられれば安心するのも当然と言える。

強いて言うと沙更は、太陽の位置と星の位置で方角を察知していた。この世界に、方位磁石があるか分からない。そう言う意味でも星見で、方位が分かるようになっていて良かったと内心思う。

太陽の影で、方位を確認することもありと言えばありなのだがここは大森林。木の陰に入って、光が届かない場所もある。薄暗い森は、そう言う意味でも方位を見失いがちであった。
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