月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第98話 大森林7

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月の魔女とよばれるまで

第98話 大森林7

女性達と少女二人を休ませてから、また歩き出す。ウィンドウォークを使い続けている所為か、徐々に唱えること自体も楽になってきていたし、効力も上がってきている気がしていた。

どうやら、沙更の魔法は熟練度システムを搭載しているらしい。普通、魔法と言えば一定の効力を及ぼすものであって、それ以上にはならない。が、沙更とセーナの魂が結合したことにより月女神の器を保持している今は、その常識が通用しない。

人にあらざる魔力もそうだが、魔法に関しても神の器に左右されるもののようだ。そもそも、魔法もなにもかも神が作ったのだから、左右されるのも当然と言えたのだが。

ウィンドウォークの効力が強まったのを感じつつも、歩いて行く。大森林は、モンスターがいなければただの静かな森であった。ある程度、茸や湧き水や薬草も生えていることからきちんと知識を持って入る事が出来れば、豊かな場所なのだと思う。

そう考えたところで、沙更は魔力鑑定があることを思い出した。探査魔法とウィンドウォークを使い続けている為、そこまで頭が追いついていなかったのだ。実際、魔法を二つずっと使い続けること自体が魔法士として破格だと言う事にも気付いていない。

魔力鑑定自体はすぐに終わる物であるし、沙更の感覚からしたらそんなに魔力を使わない。それ故、頭の中で三つ同時に詠唱出来るかを考える。すると、そこで頭の中で別のことを考えるようにしていくとそこで、スキルを獲得していた。

そう、並列思考である。普通、そこまでスキルをあっさり獲得することなど出来ない。が、沙更だけは例外だった。月女神の器を持ち、その器を使う許可すら与えられた神の代行者なのだから。

並列思考スキルのおかげで、探査魔法と魔法鑑定が同時に発動できるようになった。元々、ウィンドウォークは一回発動してしまえば、一定量の魔力を消費さえしてしまえば維持は簡単。むしろ、探査魔法を途切れずに使い続ける方が神経を使った。

女性達と少女二人を守ると沙更は決めていたからこそ、探査魔法を使い続ける。実際、他の魔法士でそんなことをしようものなら魔力切れで倒れるだろう。だが、沙更の魔力量ならばそれでも耐えきれる。数時間眠る事が出来るのならば、そのくらいの負担など吹き飛ばせるほどの回復量があったからだ。

無茶をしたことで、並列思考のスキルを手に入れて、魔力鑑定をしつつ探査魔法を同時に放つことが出来るようになった。これは、応用が利くだけに戦闘にも生かされることになる。

加速した状態で、食べられそうなきのこや薬草を採っていく。探査魔法を使っているから、はぐれることもないし迷子になることも無い。地図がない中、半径三キロを探査出来ると言うのは強みでしか無かった。
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