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領都へ
第101話 盗賊との遭遇2
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月の魔女とよばれるまで
第101話 盗賊との遭遇2
大森林と開拓村からウエストエンドまで繋がる街道沿いにある古びた砦をねぐらにする盗賊団『デッドエンド』は、この頃街道を通る人間が減っている事に気付いていた。
「この頃、実入りが少ねえな。まあ、あの馬鹿領主と手を組んだから金で困ることはねえだろうが、それはそれで人間を切れねえのは面白くねえ」
盗賊団の頭が、自分の獲物である魔鉄の斧を舌なめずりする。ある意味、盗賊をやっているのも人を殺せるからと言う理由で始めた凶悪な人間。それに従う農民崩れの盗賊たちが総勢55名。
盗賊団デッドエンドは、この街道きっての極悪盗賊団。旅人を襲っては、女を奪い。商人を襲っては、金品と命を奪う。指名手配されているものの辺境伯と繋がっている為、兵士達が動くことも無い。そのおかげで、勝手気ままに盗賊稼業を続けていた。
そんな中、手下の一人が大森林側で女性を連れた冒険者達が居たと頭に伝えたことで、頭が手下達に女性達をここまで連れてこいと命令する。そこまでの時間はさほど掛からなかった。
「馬鹿な冒険者たちめ、俺に女を献上しにきたんだな」
盗賊の頭はそう考えていたが、後でその時に止めていたらと後悔することになる。相手にした冒険者が、沙更の魔法でBランク以上の強者になる荒野の狼だったことを知らなかったことで、盗賊団が壊滅するなど誰が予想するだろうか。
盗賊団デッドエンドが動き出したことで、沙更達は警戒態勢に移った。女性達は、沙更の土魔法で作り上げられた土レンガの家に避難する。そして、そこに結界魔法を張り巡らせたことで盗賊たちは女性達を目にしつつも手出しできない状態を作り上げていたのだ。
「パウエルさん、土レンガの家と結界もう終わりました。マイティアップはそろそろいりますか?」
沙更の言葉に、パウエルとしても苦笑を浮かべざるを得なかった。
盗賊たちが来るまでの30分で土魔法で家を作り上げ、結界魔法を張り巡らせるなんて普通の魔法士には無理でしかない。
基本、結界魔法は儀式魔法である。儀式魔法は同レベルの魔法士5人以上で魔法を唱えて、発動させる高難度魔法。なのだが、沙更にしてみればあっと言う間であった。
普通の魔法士千人分以上の魔力を誇る沙更に取って見れば、儀式魔法ですら自分の魔力の一部であっさりと片付けられてしまう魔法でしか無いのだ。既にホーリーフィールドで結界魔法を張ったことがあるだけに、それとは違う結界であっても詠唱さえしてしまえれば、扱うことが出来た。
あっと言う間に、張られた結界のおかげで土レンガの家に盗賊たちは入ることが出来なくなった。
今回の結界魔法は、人の侵入を想定して作られたもので害意を持つ者を侵入させない透明な壁を作り上げていて、結界内部に空気を通すように出来ているあたりが高難易度を遙かに超えていたのだが、この時点では誰も気付いていなかった。
やはり魔力は沙更に味方しているようだ。月女神の器を受け継ぐからと言うだけで、ここまでのことが出来るかと言えば厳しいと思う。よほど、好かれている感じがしてしょうがない。
「本当にセーナちゃんは凄すぎるな」
「思ったら出来たと言うだけです。助けたみなさんをまた苦境にさらすのは私としても心苦しいですし」
「これで、心置きなく暴れられるぜ。セーナちゃん、俺にマイティアップを頼む」
ガレムが沙更にマイティアップを請うとミリアも頷く。前衛三人に後衛二人の5人で、盗賊たち35名を相手取ると言う、普通に見ればかなり無謀な話なのだ。が、5人とも悲壮な表情を一切浮かべていなかった。
第101話 盗賊との遭遇2
大森林と開拓村からウエストエンドまで繋がる街道沿いにある古びた砦をねぐらにする盗賊団『デッドエンド』は、この頃街道を通る人間が減っている事に気付いていた。
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盗賊団の頭が、自分の獲物である魔鉄の斧を舌なめずりする。ある意味、盗賊をやっているのも人を殺せるからと言う理由で始めた凶悪な人間。それに従う農民崩れの盗賊たちが総勢55名。
盗賊団デッドエンドは、この街道きっての極悪盗賊団。旅人を襲っては、女を奪い。商人を襲っては、金品と命を奪う。指名手配されているものの辺境伯と繋がっている為、兵士達が動くことも無い。そのおかげで、勝手気ままに盗賊稼業を続けていた。
そんな中、手下の一人が大森林側で女性を連れた冒険者達が居たと頭に伝えたことで、頭が手下達に女性達をここまで連れてこいと命令する。そこまでの時間はさほど掛からなかった。
「馬鹿な冒険者たちめ、俺に女を献上しにきたんだな」
盗賊の頭はそう考えていたが、後でその時に止めていたらと後悔することになる。相手にした冒険者が、沙更の魔法でBランク以上の強者になる荒野の狼だったことを知らなかったことで、盗賊団が壊滅するなど誰が予想するだろうか。
盗賊団デッドエンドが動き出したことで、沙更達は警戒態勢に移った。女性達は、沙更の土魔法で作り上げられた土レンガの家に避難する。そして、そこに結界魔法を張り巡らせたことで盗賊たちは女性達を目にしつつも手出しできない状態を作り上げていたのだ。
「パウエルさん、土レンガの家と結界もう終わりました。マイティアップはそろそろいりますか?」
沙更の言葉に、パウエルとしても苦笑を浮かべざるを得なかった。
盗賊たちが来るまでの30分で土魔法で家を作り上げ、結界魔法を張り巡らせるなんて普通の魔法士には無理でしかない。
基本、結界魔法は儀式魔法である。儀式魔法は同レベルの魔法士5人以上で魔法を唱えて、発動させる高難度魔法。なのだが、沙更にしてみればあっと言う間であった。
普通の魔法士千人分以上の魔力を誇る沙更に取って見れば、儀式魔法ですら自分の魔力の一部であっさりと片付けられてしまう魔法でしか無いのだ。既にホーリーフィールドで結界魔法を張ったことがあるだけに、それとは違う結界であっても詠唱さえしてしまえれば、扱うことが出来た。
あっと言う間に、張られた結界のおかげで土レンガの家に盗賊たちは入ることが出来なくなった。
今回の結界魔法は、人の侵入を想定して作られたもので害意を持つ者を侵入させない透明な壁を作り上げていて、結界内部に空気を通すように出来ているあたりが高難易度を遙かに超えていたのだが、この時点では誰も気付いていなかった。
やはり魔力は沙更に味方しているようだ。月女神の器を受け継ぐからと言うだけで、ここまでのことが出来るかと言えば厳しいと思う。よほど、好かれている感じがしてしょうがない。
「本当にセーナちゃんは凄すぎるな」
「思ったら出来たと言うだけです。助けたみなさんをまた苦境にさらすのは私としても心苦しいですし」
「これで、心置きなく暴れられるぜ。セーナちゃん、俺にマイティアップを頼む」
ガレムが沙更にマイティアップを請うとミリアも頷く。前衛三人に後衛二人の5人で、盗賊たち35名を相手取ると言う、普通に見ればかなり無謀な話なのだ。が、5人とも悲壮な表情を一切浮かべていなかった。
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