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閑話7 リエット
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月の魔女とよばれるまで
閑話7 リエット
ゼオンの屋敷で、沙更たちと別れた後リエットは今生きている事をもの凄く不思議に感じていた。
(本当なら、あそこでわたくしは死んでいたはず。でも、今こうして生きているのが凄く不思議)
ゼオンには話さなかったが、本当は父親に捨てられたのは分かっていた。父親である辺境伯は、付け届きをして侯爵以上に上がろうとあがいていた。
そのお金が必要になったのと上の兄弟たちと違って、そこまで優秀で無かったリエットを盗賊たちに売ることで盗賊たちに便宜を図ったのだ。
普通に考えれば、あり得ないことではある。が、今の父親にその視点はないのがよく分かる。
汚されたと言うわけでは無いが、絶望は味わった。いつどこで、汚されてどこと知らない男の子供を産むことになると想像するだけで、精神を削られていく思いだったから。
盗賊たちに引き渡されたのは一週間前、辺境伯の屋敷から出されたのが二週間前。一週間のラグは、わたくしの身体と精神を貴族の令嬢としてでは無くすためだったと思う。
食事は最低限、目隠しをされて下働きの娘のようなことをさせられた。一週間ほどそれが続いたところで、盗賊に売られたのだ。
なんだかんだで、盗賊の頭はわたくしをいきなり襲うことはしなかった。どうやら、彼には彼の思惑があるらしいと言うのは感じた。
「あの馬鹿貴族が裏切った時に、お前を見せて脅すのさ。それまで死ぬんじゃねえ」
その時、盗賊の頭が言った言葉がそれだった。いつ裏切られるのか分からないが、表面上は協力状態なのだろうと言うこと。いつ裏切られた時に切り札として、わたくしを取っておくのだろうとその時理解した。
が、部下の盗賊たちはわたくしを見て舌なめずりをしたりといつ襲いかかってくるかわからない状態だった。
売られて、二日後。わたくしは、古びた砦の一番奥の部屋に閉じ込められていた。そんな中、話し声が聞こえてきた。
「頭、売られた娘の味見をさせてくだせえよ」
「馬鹿野郎、あの娘はアホ貴族のための切り札だ。下手に汚してみろ、意味が無くなるんだ!!」
「ですが、頭。この前襲った商人の娘達も死んじまって、あいつらそろそろ暴発しそうですぜ?」
盗賊たちでも頭一人でまとめている訳では無く、何人かで手下達をまとめているようにその時は見えた。
その後、数日して別に囚われた開拓村の娘さんがまた奥の部屋に入れられた。
どうやら、開拓村を邪教が襲ったらしい。その時に逃げてきたのだそうだ。わたくしに出来ることは、彼女の話を聞いてあげることだけ。それ以上のことは出来ないのが分かっていた。なにも出来ないわたくしは無力だとさらに精神を追い詰めていく。
開拓村の娘さんは、どうやら盗賊の頭に気に入られたらしい。奥の部屋に押し込まれたが、襲いに来ることはなかった。どうやら、娘さんと一緒にいた女性達が盗賊たちのはけ口になったらしい。
女性達の悲鳴が奥の部屋にも聞こえてきたから、そう理解するしかなかった。この部屋に入れられた開拓村の娘さんは自分の代わりに襲われたことに涙を流していた。
弱い女性は、泣くしか出来ない。力で対抗出来ないから、盗賊たちには敵わないのが尚更悲しかった。
それが変わったのは更に、数日後の事。盗賊たちが大勢出て行って、一時間もしないうちに足音が聞こえてきた。しかも盗賊たちとは違う音。軽い足音は、盗賊たちと違うことを教えてくれていた。
足音が、徐々に近づいてきて盗賊の頭と来た人達がぶつかったのが分かった。しばらく、打ち合う金属音が聞こえたり、悲鳴が上がったりしたがそれもそれほど長くない時間だった。
そして、奥の部屋まで来た彼女と出会った。
閑話7 リエット
ゼオンの屋敷で、沙更たちと別れた後リエットは今生きている事をもの凄く不思議に感じていた。
(本当なら、あそこでわたくしは死んでいたはず。でも、今こうして生きているのが凄く不思議)
ゼオンには話さなかったが、本当は父親に捨てられたのは分かっていた。父親である辺境伯は、付け届きをして侯爵以上に上がろうとあがいていた。
そのお金が必要になったのと上の兄弟たちと違って、そこまで優秀で無かったリエットを盗賊たちに売ることで盗賊たちに便宜を図ったのだ。
普通に考えれば、あり得ないことではある。が、今の父親にその視点はないのがよく分かる。
汚されたと言うわけでは無いが、絶望は味わった。いつどこで、汚されてどこと知らない男の子供を産むことになると想像するだけで、精神を削られていく思いだったから。
盗賊たちに引き渡されたのは一週間前、辺境伯の屋敷から出されたのが二週間前。一週間のラグは、わたくしの身体と精神を貴族の令嬢としてでは無くすためだったと思う。
食事は最低限、目隠しをされて下働きの娘のようなことをさせられた。一週間ほどそれが続いたところで、盗賊に売られたのだ。
なんだかんだで、盗賊の頭はわたくしをいきなり襲うことはしなかった。どうやら、彼には彼の思惑があるらしいと言うのは感じた。
「あの馬鹿貴族が裏切った時に、お前を見せて脅すのさ。それまで死ぬんじゃねえ」
その時、盗賊の頭が言った言葉がそれだった。いつ裏切られるのか分からないが、表面上は協力状態なのだろうと言うこと。いつ裏切られた時に切り札として、わたくしを取っておくのだろうとその時理解した。
が、部下の盗賊たちはわたくしを見て舌なめずりをしたりといつ襲いかかってくるかわからない状態だった。
売られて、二日後。わたくしは、古びた砦の一番奥の部屋に閉じ込められていた。そんな中、話し声が聞こえてきた。
「頭、売られた娘の味見をさせてくだせえよ」
「馬鹿野郎、あの娘はアホ貴族のための切り札だ。下手に汚してみろ、意味が無くなるんだ!!」
「ですが、頭。この前襲った商人の娘達も死んじまって、あいつらそろそろ暴発しそうですぜ?」
盗賊たちでも頭一人でまとめている訳では無く、何人かで手下達をまとめているようにその時は見えた。
その後、数日して別に囚われた開拓村の娘さんがまた奥の部屋に入れられた。
どうやら、開拓村を邪教が襲ったらしい。その時に逃げてきたのだそうだ。わたくしに出来ることは、彼女の話を聞いてあげることだけ。それ以上のことは出来ないのが分かっていた。なにも出来ないわたくしは無力だとさらに精神を追い詰めていく。
開拓村の娘さんは、どうやら盗賊の頭に気に入られたらしい。奥の部屋に押し込まれたが、襲いに来ることはなかった。どうやら、娘さんと一緒にいた女性達が盗賊たちのはけ口になったらしい。
女性達の悲鳴が奥の部屋にも聞こえてきたから、そう理解するしかなかった。この部屋に入れられた開拓村の娘さんは自分の代わりに襲われたことに涙を流していた。
弱い女性は、泣くしか出来ない。力で対抗出来ないから、盗賊たちには敵わないのが尚更悲しかった。
それが変わったのは更に、数日後の事。盗賊たちが大勢出て行って、一時間もしないうちに足音が聞こえてきた。しかも盗賊たちとは違う音。軽い足音は、盗賊たちと違うことを教えてくれていた。
足音が、徐々に近づいてきて盗賊の頭と来た人達がぶつかったのが分かった。しばらく、打ち合う金属音が聞こえたり、悲鳴が上がったりしたがそれもそれほど長くない時間だった。
そして、奥の部屋まで来た彼女と出会った。
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