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領都へ
第129話 ゼオンの屋敷にて5
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月の魔女とよばれるまで
第129話 ゼオンの屋敷にて5
塩だけと言うのが辛いのは、確かにあった。辺境故の問題とも言えるが、それでも岩塩から取れる塩だけは潤沢にあるが、他がなさ過ぎた。
「塩味だけでは厳しいと思うのです。ないものを作ると言うのも面白いと思うのですが」
沙更は、心からそう思う。異世界の知識を持ち合わせるからと言うよりも、ここは確実に食にうるさい日本人の心が改善を叫んでいた。
ゼオンはそんな沙更の言葉に驚いていた。今の料理人達にそんな情熱はなかったからだ。料理や錬金術なども世襲制になっていて、今では受け継がれるもの以外を探求すると言う事はしない。
確かに、野菜自体はかなりおいしい。だが、それを生かしていないと言うのがどうしても沙更にしてみればもったいないと思ってしまう。
とは言っても、今すぐにどうこう出来る話では無い。材料も手に入ってないので、それが手に入ってからになる。
食事を終えて、ゼオンとリエットは寝室へ向かう。沙更もミリアたちと寝室へと案内された。
久しぶりのベッドでゆっくり眠る。それでも、セーナが経験した過酷な記憶のせいで、うなされてしまうのは心の傷が癒えていないから。
だが、そこを察知して現れたのはミリアだった。今の沙更がまだ一人で寝られないことを一番良く知っていたし、そんな記憶があるからこそ一人に出来ない。
「やっぱり、セーナちゃんは抱え込み過ぎ。大丈夫、あたしに甘えたところで悪いことじゃないんだから」
そう言いつつも、ミリアは沙更の髪を撫でる。そうすると何故か、沙更の表情から険しさが抜けていく。
(もう、いろいろと無理をしているのは分かっているよ。だから、今くらいはゆっくりお休み)
ミリアは沙更の髪を撫でてから、そっと抱きしめてあげると沙更も寝ぼけているのか、ミリアを抱きしめ返す。とは言ってもマイティアップも入っていないから、子供の力なのでそこまで強くは無いが、逆にそれがミリアにとっては心地よかった。
そのまま、二人とも眠っていく。
そんな二人を神の器から月女神が見ていた。
(沙更よりもセーナの精神がギリギリなのね。沙更がカバーしているからこれで済んでいるけれど、沙更がいなければ魂自体が失われていた。本当に、エーベルに感謝しなきゃいけないわ。本当にあの人は、欲しい物を欲しい時にくれるのだから)
月女神とエーベルはかなり関係が深い。いろいろと手助けをして貰ったことも数度ではない。だけれど、エーベルは友人の為だからと今までお礼を受け取ってくれたことが無かった。
(エーベルは受け取らなかったけれど、沙更やミリアちゃんと言ったかしら?あの子に、何かしらを上げるのも悪くは無いかもしれないわ)
月女神は、そう思いつつも今すぐ動ける訳ではないのでいずれと思いつつも、そのことを忘れずに心にとめておくことにした。
月女神が動けるのは、沙更が眠っている間だけ。セーナの魂も修復に入っていなければ、動くことが出来ないと言うかなりの制約があった。
第129話 ゼオンの屋敷にて5
塩だけと言うのが辛いのは、確かにあった。辺境故の問題とも言えるが、それでも岩塩から取れる塩だけは潤沢にあるが、他がなさ過ぎた。
「塩味だけでは厳しいと思うのです。ないものを作ると言うのも面白いと思うのですが」
沙更は、心からそう思う。異世界の知識を持ち合わせるからと言うよりも、ここは確実に食にうるさい日本人の心が改善を叫んでいた。
ゼオンはそんな沙更の言葉に驚いていた。今の料理人達にそんな情熱はなかったからだ。料理や錬金術なども世襲制になっていて、今では受け継がれるもの以外を探求すると言う事はしない。
確かに、野菜自体はかなりおいしい。だが、それを生かしていないと言うのがどうしても沙更にしてみればもったいないと思ってしまう。
とは言っても、今すぐにどうこう出来る話では無い。材料も手に入ってないので、それが手に入ってからになる。
食事を終えて、ゼオンとリエットは寝室へ向かう。沙更もミリアたちと寝室へと案内された。
久しぶりのベッドでゆっくり眠る。それでも、セーナが経験した過酷な記憶のせいで、うなされてしまうのは心の傷が癒えていないから。
だが、そこを察知して現れたのはミリアだった。今の沙更がまだ一人で寝られないことを一番良く知っていたし、そんな記憶があるからこそ一人に出来ない。
「やっぱり、セーナちゃんは抱え込み過ぎ。大丈夫、あたしに甘えたところで悪いことじゃないんだから」
そう言いつつも、ミリアは沙更の髪を撫でる。そうすると何故か、沙更の表情から険しさが抜けていく。
(もう、いろいろと無理をしているのは分かっているよ。だから、今くらいはゆっくりお休み)
ミリアは沙更の髪を撫でてから、そっと抱きしめてあげると沙更も寝ぼけているのか、ミリアを抱きしめ返す。とは言ってもマイティアップも入っていないから、子供の力なのでそこまで強くは無いが、逆にそれがミリアにとっては心地よかった。
そのまま、二人とも眠っていく。
そんな二人を神の器から月女神が見ていた。
(沙更よりもセーナの精神がギリギリなのね。沙更がカバーしているからこれで済んでいるけれど、沙更がいなければ魂自体が失われていた。本当に、エーベルに感謝しなきゃいけないわ。本当にあの人は、欲しい物を欲しい時にくれるのだから)
月女神とエーベルはかなり関係が深い。いろいろと手助けをして貰ったことも数度ではない。だけれど、エーベルは友人の為だからと今までお礼を受け取ってくれたことが無かった。
(エーベルは受け取らなかったけれど、沙更やミリアちゃんと言ったかしら?あの子に、何かしらを上げるのも悪くは無いかもしれないわ)
月女神は、そう思いつつも今すぐ動ける訳ではないのでいずれと思いつつも、そのことを忘れずに心にとめておくことにした。
月女神が動けるのは、沙更が眠っている間だけ。セーナの魂も修復に入っていなければ、動くことが出来ないと言うかなりの制約があった。
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