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新たなる住処
第147話 ミリアのお世話になった場所へ
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月の魔女とよばれるまで
第147話 ミリアのお世話になった場所へ
辺境伯の屋敷で、長々と居座ってしまったがお茶をごちそうになり、沙更の作ったお菓子を食べ終わったところでお暇することにした。リエット自身戻ってきたばかりだし、ジークやメアリーにもやることが出来たからだ。
去り際に、リエットが沙更を見てから声をかけてきた。
「幼い治癒士様、また困ったことがあれば助けていただけますか?」
「貴女が困ったら、ミリアさんやパウエルさんのところを訪れてください。私もそこに居ますから」
あえて、リエットの言葉を拒絶しないのは患者としてリエットの処置後観察をすると言う現れであり、そこまでは責任を取ると言う事でもあった。
屋敷を出ると既に夕暮れ時となっていた。となってくるとそろそろ寝床を決めておかなくてはいけない。
ウエストエンドで、パウエルやガレムやヘレナは行きつけの宿屋があるらしい。そちらで泊まることが決まっているようだ。
「済まない、セーナちゃんまでは多分泊まれないと思う」
「あそこにセーナちゃんを連れて行くのはちょっと遠慮だな」
「ごめんなさいね、あの宿結構ごちゃごちゃしたところにあるからセーナちゃんを連れて行きづらいの」
三人とも申し訳なさそうにしているとミリアが沙更の手を取った。
「セーナちゃんはあたしと一緒に来て。あたしがお世話になった孤児院に泊めて貰うつもりだから一緒に連れて行くよ」
「ミリアお姉さん、いきなり私が行っても大丈夫ですか?」
「孤児院だから、いきなり人が増えるなんてそんなに少なくないしね。いきなり捨て子を見つけることもあるから、そんなに心配しないで良いよ」
「孤児院ですから、そう言うこともありますよね。うーん、ミリアお姉さんに甘えても良いですか?」
沙更の言葉に、ミリアは頷く。
その後、宿に向かうパウエル達と別れてミリアと沙更の二人だけになる。別れた場所から孤児院までは目と鼻の先。
孤児院は、古い都市と言われるウエストエンドの最初期からあったとされる建物の為、大分痛んでいるのが分かった。
「ミリアお姉さん、この建物そろそろ限界が近いかと思うのです」
「セーナちゃん、そんなことも分かるの?」
「壁のボロボロ加減とかそう言うので、なんとなくですけど」
沙更は、孤児院の石造りの建屋自体がそろそろ限界だと気付いた。石造りだからこそ、ここまで持ったと言って良い。軽く数百年はここにあるのだろうと言う感じがしていたからだ。
そんな建屋を中に入ろうとするとそこに、司祭服を着た若い男性がそこで待っていた。
「お待ちしておりましたよ。聖女様」
聖女の言葉に感づいた沙更が、司祭服の男性を見る。するとその視線に気付いた司祭服の男性が口を開いた。
「自己紹介もせずに失礼。私は教会の司祭をしておりますアレクと申します」
「わたしはただの開拓村の娘よ?人違いじゃ無くて?」
「いいえ、貴女こそが聖女です。その身に纏う魔力は、人の身を越えている。そんな御方を我々は探していました」
アレクの言葉に、気付いたミリアが表情を変える。
「教会って、セーナちゃんを権威向上のために使うつもりなら流石に手出しせざるを得なくなるんだけど?」
そう言って、瞬時に白の直刀を握る。アレクは、そんなミリアに首を振った。
「聖女様に手出しはしません。我ら自身がそれをよく知っております。これだけの魔力をお持ちだ。我らがかかったところで勝ち目はありませんよ」
魔力を知る彼からしてみれば、沙更が纏う魔力の量が凄すぎて相手にならないことは承知の上で話をしていた。下手に敵に回れば、あっさりと瞬間的に抹殺されかねないことを頭に入れてだ。
第147話 ミリアのお世話になった場所へ
辺境伯の屋敷で、長々と居座ってしまったがお茶をごちそうになり、沙更の作ったお菓子を食べ終わったところでお暇することにした。リエット自身戻ってきたばかりだし、ジークやメアリーにもやることが出来たからだ。
去り際に、リエットが沙更を見てから声をかけてきた。
「幼い治癒士様、また困ったことがあれば助けていただけますか?」
「貴女が困ったら、ミリアさんやパウエルさんのところを訪れてください。私もそこに居ますから」
あえて、リエットの言葉を拒絶しないのは患者としてリエットの処置後観察をすると言う現れであり、そこまでは責任を取ると言う事でもあった。
屋敷を出ると既に夕暮れ時となっていた。となってくるとそろそろ寝床を決めておかなくてはいけない。
ウエストエンドで、パウエルやガレムやヘレナは行きつけの宿屋があるらしい。そちらで泊まることが決まっているようだ。
「済まない、セーナちゃんまでは多分泊まれないと思う」
「あそこにセーナちゃんを連れて行くのはちょっと遠慮だな」
「ごめんなさいね、あの宿結構ごちゃごちゃしたところにあるからセーナちゃんを連れて行きづらいの」
三人とも申し訳なさそうにしているとミリアが沙更の手を取った。
「セーナちゃんはあたしと一緒に来て。あたしがお世話になった孤児院に泊めて貰うつもりだから一緒に連れて行くよ」
「ミリアお姉さん、いきなり私が行っても大丈夫ですか?」
「孤児院だから、いきなり人が増えるなんてそんなに少なくないしね。いきなり捨て子を見つけることもあるから、そんなに心配しないで良いよ」
「孤児院ですから、そう言うこともありますよね。うーん、ミリアお姉さんに甘えても良いですか?」
沙更の言葉に、ミリアは頷く。
その後、宿に向かうパウエル達と別れてミリアと沙更の二人だけになる。別れた場所から孤児院までは目と鼻の先。
孤児院は、古い都市と言われるウエストエンドの最初期からあったとされる建物の為、大分痛んでいるのが分かった。
「ミリアお姉さん、この建物そろそろ限界が近いかと思うのです」
「セーナちゃん、そんなことも分かるの?」
「壁のボロボロ加減とかそう言うので、なんとなくですけど」
沙更は、孤児院の石造りの建屋自体がそろそろ限界だと気付いた。石造りだからこそ、ここまで持ったと言って良い。軽く数百年はここにあるのだろうと言う感じがしていたからだ。
そんな建屋を中に入ろうとするとそこに、司祭服を着た若い男性がそこで待っていた。
「お待ちしておりましたよ。聖女様」
聖女の言葉に感づいた沙更が、司祭服の男性を見る。するとその視線に気付いた司祭服の男性が口を開いた。
「自己紹介もせずに失礼。私は教会の司祭をしておりますアレクと申します」
「わたしはただの開拓村の娘よ?人違いじゃ無くて?」
「いいえ、貴女こそが聖女です。その身に纏う魔力は、人の身を越えている。そんな御方を我々は探していました」
アレクの言葉に、気付いたミリアが表情を変える。
「教会って、セーナちゃんを権威向上のために使うつもりなら流石に手出しせざるを得なくなるんだけど?」
そう言って、瞬時に白の直刀を握る。アレクは、そんなミリアに首を振った。
「聖女様に手出しはしません。我ら自身がそれをよく知っております。これだけの魔力をお持ちだ。我らがかかったところで勝ち目はありませんよ」
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