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新たなる住処
第201話 孤児院の問題の対処1
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月の魔女とよばれるまで
第201話 孤児院の問題の対処1
沙更は、エリシアとある程度話をした後に眠くなったと言う彼女を寝かせてシチューを入れてあった器を持ち、厨房へ戻った。
シチューを食べきった位に食欲が回復している事に安堵しつつ、まだまだ経過を見ないといけない事を頭に入れておく。あれだけの高度な魔法治療を行っただけに、どこで何が起こるかが分からない。
それに、魔力が一気に跳ね上がったことで暴走する危険性すらあった。今は、身体に馴染んでいるみたいだがそれでも使ったり、余剰の魔力を浴びたりした時に過剰反応が起こらないとも限らない。それだけに注意深く観察をしていく必要があった。
(死を間近に見据えて、その恐怖で脅かされていたから心が強くなったって言うしか無いのかも。こんな押しつけまがいに魔力を渡しちゃったからその点は反省しないといけない。もっと違う方法も考えないといけないかな)
沙更としても魔力によるごり押しで治したようなものだから、下手な人間では受け付けない事に気付いていた。運が良く、エリシアにそこまでの影響は出ていないように見える。
が、沙更の魔力濃度は基本人間では扱える代物ではない。神代の魔力濃度だけに、古代魔法士に近い人間でなければ許容量を超えてしまい、魔力過多による症状を引き起こしてしまう。
そうなったら、確実に待っているのは死である。治そうとして、別のところで死を与えてしまうのは本末転倒と言って良い。それだけに慎重にしなければならなかったと反省するのだった。
厨房に戻ってくると遅い昼ご飯だったことと結構な量を孤児達が食べた事により、お昼寝ならぬ夕寝になってしまっていた。ほどよくお腹が膨れたから眠ってしまったが本音らしい。
沙更が戻ってきたことに気付いたシスターヴァレリーがエリシアのことを聞いて来た。
「ああ、帰ってきたのね。あの子はどうでした?」
「思っていたよりも回復が早いみたいです。持っていた器のシチューを全て食べてくれました。食欲も戻ってきてるので、思ったよりも安心したが正しいです」
その答えに、ほっとした様子を見せる。気にかけていないわけがなかった。重病人を救ったのは、沙更の高度な魔法治療のおかげ。そうでもなければ、エリシアも命を失っていただろうことは分かりきっていた。
その言葉を聞いたシスターヴァレリーは深々と沙更に対して頭を下げた。
「本当に貴女に感謝を。あの子を救ってくれた事、この孤児院に手を差し伸べてくれることに感謝の一念しかありません」
「ミリアお姉さんが気にかけているから私は手助けをしているだけです。シスターヴァレリー、貴女が行ってきた事が正しかったと言う事だと思います」
沙更はそれだけを伝える。それ以上は必要ない気がしたし、恩を売るつもりもなかった。強いて言い方が子供らしくないなと思うが、今は見た目と中身が違うからどうしてもちぐはぐになってしまう。
だけれど、それを咎められないのは沙更の力が凄すぎると言う証明でもあった。他の誰にもこれだけの魔法治療を行うことなど出来やしないのだから。
それだから、沙更自身が力を使い方を間違える訳にはいかなかった。間違えた瞬間に、この世界の異物であることで排除される格好になるのが分かっていたからだ。
権力側として、これだけの強い力を放っておける訳がない。それを身にしみて知っているのは他でもない沙更なのだ。
第201話 孤児院の問題の対処1
沙更は、エリシアとある程度話をした後に眠くなったと言う彼女を寝かせてシチューを入れてあった器を持ち、厨房へ戻った。
シチューを食べきった位に食欲が回復している事に安堵しつつ、まだまだ経過を見ないといけない事を頭に入れておく。あれだけの高度な魔法治療を行っただけに、どこで何が起こるかが分からない。
それに、魔力が一気に跳ね上がったことで暴走する危険性すらあった。今は、身体に馴染んでいるみたいだがそれでも使ったり、余剰の魔力を浴びたりした時に過剰反応が起こらないとも限らない。それだけに注意深く観察をしていく必要があった。
(死を間近に見据えて、その恐怖で脅かされていたから心が強くなったって言うしか無いのかも。こんな押しつけまがいに魔力を渡しちゃったからその点は反省しないといけない。もっと違う方法も考えないといけないかな)
沙更としても魔力によるごり押しで治したようなものだから、下手な人間では受け付けない事に気付いていた。運が良く、エリシアにそこまでの影響は出ていないように見える。
が、沙更の魔力濃度は基本人間では扱える代物ではない。神代の魔力濃度だけに、古代魔法士に近い人間でなければ許容量を超えてしまい、魔力過多による症状を引き起こしてしまう。
そうなったら、確実に待っているのは死である。治そうとして、別のところで死を与えてしまうのは本末転倒と言って良い。それだけに慎重にしなければならなかったと反省するのだった。
厨房に戻ってくると遅い昼ご飯だったことと結構な量を孤児達が食べた事により、お昼寝ならぬ夕寝になってしまっていた。ほどよくお腹が膨れたから眠ってしまったが本音らしい。
沙更が戻ってきたことに気付いたシスターヴァレリーがエリシアのことを聞いて来た。
「ああ、帰ってきたのね。あの子はどうでした?」
「思っていたよりも回復が早いみたいです。持っていた器のシチューを全て食べてくれました。食欲も戻ってきてるので、思ったよりも安心したが正しいです」
その答えに、ほっとした様子を見せる。気にかけていないわけがなかった。重病人を救ったのは、沙更の高度な魔法治療のおかげ。そうでもなければ、エリシアも命を失っていただろうことは分かりきっていた。
その言葉を聞いたシスターヴァレリーは深々と沙更に対して頭を下げた。
「本当に貴女に感謝を。あの子を救ってくれた事、この孤児院に手を差し伸べてくれることに感謝の一念しかありません」
「ミリアお姉さんが気にかけているから私は手助けをしているだけです。シスターヴァレリー、貴女が行ってきた事が正しかったと言う事だと思います」
沙更はそれだけを伝える。それ以上は必要ない気がしたし、恩を売るつもりもなかった。強いて言い方が子供らしくないなと思うが、今は見た目と中身が違うからどうしてもちぐはぐになってしまう。
だけれど、それを咎められないのは沙更の力が凄すぎると言う証明でもあった。他の誰にもこれだけの魔法治療を行うことなど出来やしないのだから。
それだから、沙更自身が力を使い方を間違える訳にはいかなかった。間違えた瞬間に、この世界の異物であることで排除される格好になるのが分かっていたからだ。
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