月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第222話 瘴気の湧き出す先6

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月の魔女とよばれるまで

第222話 瘴気の湧き出す先6

月女神に異界の神が切りかかるが、それに合わせるようにセレスティアルソードが煌めく。異界の神の斬撃を軽く捌いて涼しい顔をしていた。

「毎度ながら、わたくしにそんな斬撃が通ると思っているのかしら?」

異界の神の斬撃をいともあっさり捌いたあたり、腕に覚えはあると言うこと。異界の神が全力を出せないとは言っても、月女神が弱ければこうはならない。

「瘴気さえあれば」

「ないものを強請ったところで何も出てこないのは当然の話です。今に始まった話ではないでしょう?」

実際で言うならば、わざわざ相手の世界に攻め込んで行って惨敗している時点で自業自得と言うしかない。巻き込まれる月女神にしてみれば迷惑そのものだった。

勝手に挑んで来ては、返り討ちにあって逃げ帰るまでがセットなだけに、ホトホト呆れ返るしかないのだ。

「流石に学習の文字がここまでないと笑えませんわ」

月女神の言葉に、苛立ちを隠せない異界の神。神相手に、ここまで立ち回れる月女神を驚いた顔をして見ていたのがパウエル達だった。

慣れていると言うレベルではないように見えたからだ。強いて、月女神と異界の神々との戦いは数万年繰り広げられていた為に、慣れを超えてしまっていたのだ。

(下手に俺達が手を出すわけにも行かないよな)

(むしろ、下手な手出しは邪魔になると思う)

(神相手に人間が手出しできるか?無謀どころの話じゃねえよ)

(少なくても邪魔にならない位置にずれておくのは当然の話だわ。足を引っ張りかねないもの)

四人とも認識は一致していた為に、月女神が出てきた時点でその場から離れるようにしていた。邪魔をしないようにと。

そんな心遣いを感じつつも月女神は異界の神に、セレスティアルソードを向ける。

「いい加減に、自分たちの世界に帰りなさい。この世界に貴方たちが必要となることはないのです」

「ようやくこの世界に顕現出来るようになるかもと言う重要な時に帰れる訳がない」

「ならば、強制的に帰って貰いましょう」

月女神はその言葉を告げると共にセレスティアルソードが淡い光を纏う。それに、異界の神は恐れを抱いて避けようとするが時にすでに遅く。瞬速の踏み込みで異界の神を切り落とした。

淡い光が、異界の神を包み込むとそのままこの場から消えてしまった。強制的にこの世界から放出されたと知ったのは戦いが終わってからの事。

異形の者は自分たちの神がいともあっさり駆逐されたことに恐れを抱いた。月女神はその姿を見つつ、異形の者に再度セレスティアルソードを向けた。

「ここはわたくしの世界、貴方がたに渡す謂れはありません」

「貴様にはないだろうが我らにあるのだ」

その問答に、月女神が動く。瞬く間に、慈悲もなく異形の者を淡い光が包み込むとその場から消えていた。
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