月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第221話 瘴気の湧き出す先5

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月の魔女とよばれるまで

第221話 瘴気の湧き出す先5

異界の神の力を感じ取った月女神は、沙更にコンタクトを取る。

(沙更、申し訳ありませんが一時で良いです。身体を貸しては貰えませんか?)

(月女神様、そう願うのなら私が断ることはしません。存分に動いてくださいませ)

(沙更、いきなり無理を言ってごめんなさいね。でも、異界の神に自由に立ち回されるわけにはいかないわ)

月女神として、この世界に異界の神が顕現すると言う事態がこの世界に破滅をもたらしかねないことを知っての行動だった。

実際の所、この世界を欲しがる異界の神とそれを退ける月女神の戦いでもあったりする。本来ならば、神と神が戦うことは禁じられている。が、異界の神の先兵では月女神の加護を持った人間達を滅ぼすには至らず、神自ら出てこざるを得なかったと言う歴史があった。

沙更の身体を借りた月女神に神の器が反応する。空間に魔力が一気に生成されていくのを異形の者が忌々しそうな表情を浮かべた。失われゆく魔力をここまで大量に生成出来るのは月女神だけだからだ。

「くっ、これだけの魔力を生成するだと!?月女神がいると言うのか!?」

(わが先兵をここまで追い詰めるとは…。だが、我が顕現出来るようになったことでここを拠点としてもらい受けよう)

異界の神の声に瘴気が生まれるが、月女神が生み出した魔力がそれを打ち消していく。瘴気よりも魔力の方が多いために、瘴気が定着することはなかった。

(くっ、月女神が復活しているだと!?)

(貴方がたが侵略しなければまだ眠っているつもりでしたが、出てくると言うのなら寝てもいられないでしょう?)

異界の神が苛立てば、月女神は澄ましてそう答える。暗にこの世界は月女神の加護の元だと言っていたのだ。その問答に、さらに異界の神が苛立つ。

(貴様さえ居なければこの世界は我の物だったのだ。邪魔をしよってからに)

(貴方がこの世界を手に入れることはないわ。太古の昔からその理に変化はないの)

月女神の声に応じて、神の器が月女神の元に戻ると一気に魔力が満ちていく。満ちた魔力から月女神はひと振りの剣を抜く。それはセーナの父親の形見の剣、聖鋼に変化したものだった。

月女神がセーナの父親の形見の剣を握るとさらに材質が変化し、内包する魔力が跳ね上がる。神具セレスティアルソードの復活であった。

余りにも用意が良すぎることに、異界の神は月女神に謀られたことを悟るしかない。

「月女神め、謀りおったな!!」

「ふふっ、貴方が考えなしなだけですわ。それに、いい加減になさい。神同士の戦いは世界にどれだけの被害をもたらすとお思いなのかしら?」

月女神は、そう言って異界の神を見据える。確実に役者は月女神の方が上であり、異界の神は道化の扱いになってしまっていた。
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