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新たなる住処
第220話 瘴気の湧き出す先4
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月の魔女とよばれるまで
第220話 瘴気の湧き出す先4
異形の者は、残り少ない瘴気を糧に自身の能力を上増しすることに決めたようだった。
それを見て、沙更は判断が遅いと思うに留める。数で押すのは、ありではあった。それも沙更という存在が居なければだったが。
異形の者の能力が膨れあがると同時に、ミリアへの攻撃速度も上がる。先ほどよりも早い拳の動きに、一瞬反応が遅れるがそれでも白の直刀で受けきった。
「くっ、この速度でも対応できるとは…」
「流石にちょっと焦ったかな」
異形の者の攻撃速度は、Bランク冒険者以下なら回避出来ずに即死していてもおかしくないほどの威力を持つ。それを白の直刀の刀身の固さで抑えきったミリアの力量がおかしいとも言えた。
確実に人間の反応できる速度を超えているにも関わらず、反応できるのはマイティアップの加護のおかげである。そもそも自力が高いからこそとも言えるのだが、マイティアップで補正されている部分も無視できない。
ミリアの動きに、異形の者は驚愕の表情を浮かべる。少なくない瘴気で身体強化をしたはずだった。その動きですら一瞬の戸惑いしか与えられなかったことに驚きが隠せない。
(月女神が復活したことで、この世界の人間がこれほどまでに強くなっているだと!?)
完全に勘違いしているが、沙更たちに訂正するつもりもない。その事が、そのままその思念が他の異形の者に伝わる事になろうとはこの時の異形の者は思っても居なかった。
異形の者と交戦するミリアは、段々と異形の者の速度に慣れつつあった。最初こそ驚いたが、慣れてきた今ならいけるかもと思い始めていた。
交戦する二人を見ているガレムは、苦笑を浮かべていた。ミリアの思考を理解したからだ。
(まったく、あいつ楽しんでやがるな。まあ、泣いたりするよりはましだろうけどよ。セーナちゃんもそこまで動揺してねえか。それなら、しばらく静観するとするか)
いつでも動けるようにはしておくが、現状でそれは必要ないと判断する。ミリアの力量が一気に跳ね上がったのは、ガレム自身理解していたからだ。
パウエルもミリアの動きが更に磨きが掛かっていることに気付かざるを得ない。ギルドマスターのダイスとやり合って買ったのもつい先日のことだったのだから。
拳と切り結ぶ白の直刀。瘴気により強化されている拳の硬さは魔鉄を超えている。が、それでも白の直刀を折るには至らない。その事が異形の者にとって苛立ちとなっていた。
(くっ、我が力月女神に通じずか。力が力が足りない)
異形の者がそう思った時、一際異様な力が働く。灰色の力、破壊の力だ。
(その願い叶えよう。我が異界の神の権能を授ける)
異形の者を灰色の力が覆い尽くす。その力に、反応したのが月女神だった。
第220話 瘴気の湧き出す先4
異形の者は、残り少ない瘴気を糧に自身の能力を上増しすることに決めたようだった。
それを見て、沙更は判断が遅いと思うに留める。数で押すのは、ありではあった。それも沙更という存在が居なければだったが。
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「くっ、この速度でも対応できるとは…」
「流石にちょっと焦ったかな」
異形の者の攻撃速度は、Bランク冒険者以下なら回避出来ずに即死していてもおかしくないほどの威力を持つ。それを白の直刀の刀身の固さで抑えきったミリアの力量がおかしいとも言えた。
確実に人間の反応できる速度を超えているにも関わらず、反応できるのはマイティアップの加護のおかげである。そもそも自力が高いからこそとも言えるのだが、マイティアップで補正されている部分も無視できない。
ミリアの動きに、異形の者は驚愕の表情を浮かべる。少なくない瘴気で身体強化をしたはずだった。その動きですら一瞬の戸惑いしか与えられなかったことに驚きが隠せない。
(月女神が復活したことで、この世界の人間がこれほどまでに強くなっているだと!?)
完全に勘違いしているが、沙更たちに訂正するつもりもない。その事が、そのままその思念が他の異形の者に伝わる事になろうとはこの時の異形の者は思っても居なかった。
異形の者と交戦するミリアは、段々と異形の者の速度に慣れつつあった。最初こそ驚いたが、慣れてきた今ならいけるかもと思い始めていた。
交戦する二人を見ているガレムは、苦笑を浮かべていた。ミリアの思考を理解したからだ。
(まったく、あいつ楽しんでやがるな。まあ、泣いたりするよりはましだろうけどよ。セーナちゃんもそこまで動揺してねえか。それなら、しばらく静観するとするか)
いつでも動けるようにはしておくが、現状でそれは必要ないと判断する。ミリアの力量が一気に跳ね上がったのは、ガレム自身理解していたからだ。
パウエルもミリアの動きが更に磨きが掛かっていることに気付かざるを得ない。ギルドマスターのダイスとやり合って買ったのもつい先日のことだったのだから。
拳と切り結ぶ白の直刀。瘴気により強化されている拳の硬さは魔鉄を超えている。が、それでも白の直刀を折るには至らない。その事が異形の者にとって苛立ちとなっていた。
(くっ、我が力月女神に通じずか。力が力が足りない)
異形の者がそう思った時、一際異様な力が働く。灰色の力、破壊の力だ。
(その願い叶えよう。我が異界の神の権能を授ける)
異形の者を灰色の力が覆い尽くす。その力に、反応したのが月女神だった。
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