月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第219話 瘴気の湧き出す先3

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月の魔女とよばれるまで

第219話 瘴気の湧き出す先3

ミリアの持つ白の直刀がまばゆく輝く。それもそのはず、白の直刀の刀身は魔力で形成された物。異界の者に取っては劇毒と言うしか無い。そして、セーナと沙更の魂が重なった時に戻ってきた魔力で作られた物だからか、月女神の影響を受けている。

そもそも魔力で作られる剣など他で聞いたことも無い。この世界に無い武器を作り上げたのは沙更の知識ゆえ。異世界の知識を元に神の器が作り出した武器なのだから。

確かに、刀身自体はそれほど長くは無い。だから、扱いにかなりの技量を必要とする。だが、魔力の塊だけに認められれば魔力を纏わせる事くらい余裕で出来るようになってしまう。

異形の者は、ミリアの白の直刀自体の魔力量を感じ取っていた。余りの膨大な量に、脅威を感じざるを得ない。

(魔力で出来た武器だと!?月女神め、対我ら用の武器を生み出していたと言うのか!?)

異形の者はその点、勘違いしていた。生み出したのは月女神だと思っていた。だが、これは沙更の思い描いた物を神の器が反応して作りだした物。この世界が認めた物と言い換えることになる。

そういう点では、成長している沙更のスターサファイアのロッドも同じ扱いなのだが。

月女神が作った物では無いが神の器が作ったために、神具ではないがそれに準じる代物という扱いになっていることを沙更は知らない。

月女神の神具は失われて久しい。なので、今は沙更のスターサファイアのロッドと白の直刀が準神具の扱いなのだった。

そんな代物を見せられて、異形の者が黙っているわけが無かった。

「くそっ、我らの侵攻を月女神は許さないという証か!?」

異形の者は、沙更を狙って近接戦を仕掛けるがそれを妨げるのは言うまでも無くミリアだった。異形の者の拳を白の直刀の刀身で受け流す。

その動作すら流れるような動きで、異形の者はミリアの力量を認めるしか無かった。実際、人間の反応速度を超える速度で攻撃していたのだから。

「あの速度の攻撃をいなすだと!?」

「白の直刀の防御力なめないでよね」

短い刀身ならではの防御は、異形の者の力量でもそう簡単に抜けるとは思えなかった。そして、それだけではなくミリアをなんとかしたとしてもガレムがにらみを効かせている。すぐにカバーリングされるのは見えていた。

それだけに、直接沙更を叩こうにも上手くいかない。

ミリアの力量は、異形の者が思っていた以上に高い水準にあった。沙更の補助魔法がかなりの効力を持つのもそうだが、白の直刀を使いこなしているのを見るだけで分かるレベルになっていたからだ。

いかんせん、瘴気をモンスター喚びに使ったのがそもそも間違いだったと気付いていない。自身が強ければ、どうにかなったかも知れないが、今となってはどうしようも出来なかった。
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