月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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フィリエス家の内情と戦

第232話 猪の鼻亭での料理対決2

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月の魔女とよばれるまで

第232話 猪の鼻亭での料理対決2

出てきたマッグスは、アンナを見てから沙更を見て口を開いた。アンナの声が大きかったことで事情は飲み込めていたからだ。

「塩気が多いのは、塩漬け肉を使っているからだ。それに今のウエストエンドで水は高いんだ」

ある程度の事情を話すと沙更としても納得がいった。水が豊富に使えない以上、下ごしらえにも限界がある。

言い出したのは、自分だけに謝る。

「ごめんなさい、そう言った事情を知らないまま口出しをしたのは公平ではありませんでした」

「こんな幼い嬢ちゃんが、料理に口出しするたあ。できる口か?」

「ある程度はと言っておきます」

沙更の言葉に、驚いた顔をしつつマッグスは面白そうな顔をした。

「確かにこの状態は良くねえ。嬢ちゃん、ある程度出来るならこの俺と同じ材料で何が作れるか見せてくれ」

「えっ、良いのですか?」

「俺とて、今のままじゃいけねえとは思いつつも対策を考えられなかった。そういう点では料理人の名折れだ」

マッグスは、しっかりと現状を分かっていたが対策を練ることが出来ずにいたことを悔しく思っていた。

そこに、沙更がこのままじゃいけないと言ってくれた。そのことに、自身が抱いていた危機感が間違って無かったことを証明した形になったからだ。

「今すぐは無理だ。お昼の営業が終わった頃に来てくれ」

「分かりました。それではお昼が終わった頃に来ます」

マッグスとそう約束して、沙更は席に戻る。そんな父親の後ろ姿にアンナが驚いた顔をした。

「お父さん、料理に対してそうなふうに思っていたなんて…」

「現状が良くないと分かっていても動けないことはあります。私の言葉で勇気が出たのなら、それは良いことだと思いますよ」

「うーん、なんか納得行かないけどね」

沙更の言葉にアンナがそう言う。親の事を分かってなかったと言うことといきなり口を出した沙更に父親が本音を話したことが納得いかないのだ。

感情的な部分はアンナ自身で折り合いをつけるしかない。二人の会話を聞いていたミリアは沙更に苦笑を浮かべる。

「もう、セーナちゃんはそういう点ですごく行動的だよね。マッグスさんにあそこまで話すと思ってなかったよ」

「塩気が多いのはあまり良くないのです。マッグスさんも気づいていましたが、無くても駄目ですが有りすぎても駄目。加減を気をつけないと身体をおかしくしてしまう」

塩分が強すぎるのは体に良くないのは、沙更としての知識故。この世界の人がそれを知っているかはわからないがそれでもマッグスはどうやら気づいているようだった。

騒動を起こしてしまいつつも、食事を終えたことで冒険者ギルドに向かうことにした。

森でのクエスト後、軽いクエストしか受けていなかっただけに難しい物もあるかもしれない。

沙更とミリアは、残る三人に冒険者ギルドでリエットの件を話すことにした。かなり大掛かりな話になるからだった、
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