250 / 365
フィリエス家の内情と戦
第231話 猪の花亭での料理対決1
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第231話 猪の花亭での料理対決1
リエットの護衛の依頼があるかないかを確認しに冒険者ギルドへ向かう。
途中、猪の鼻亭でいつものように食事をしているパウエル達を見かけて、朝ご飯を食べていなかったのを思い出して中に入る。
中は相変わらずそれなりに混んでいるのが見て取れた。入ってきた沙更とミリアを見てガレムが声をかける。
「こっちに顔を出すのは久しぶりだな」
「セーナちゃんのご飯があるからね。リーダーたちはいつも通り?」
「変わりがあるわけがないだろ?確かにセーナちゃんの飯は美味しいからまた食べたいところだな」
パウエルたちは、なかなか孤児院には来ない。貧窮しているのを知っているし、ご飯をタカりに行っている感じがしてしまうからだ。
だから、猪の鼻亭に来ていたのだが塩たっぷりの飯に飽きてきていたのが本音で、沙更が作る料理は塩気はそんなにないけれど美味しいが荒野の狼の共通認識だったからだ。
「塩気がありすぎる食事に流石に飽きてしまったわ」
「セーナちゃんに慣らされたと言うべきだろうな」
ヘレナとパウエルがそう言っていると厨房からアンナがやってきた。しかし、今までの会話を聞いていたらしくちょっと機嫌が悪かった。
「塩気が多いのは身体を使って働く人が多いからよ。うちのご飯に文句があるならそれより美味しいのを作ってから言ってよ」
アンナの言葉に沙更が頷く。アンナの言い分に間違いはない。ここの食事に自信を持っている証拠でもあり、料理をしている人間の代弁していたから。
「なら、私が作って美味しいのなら文句はありませんね?」
沙更として、テコ入れするなら今しかないとここで動くことにした。いずれは話をするつもりだったがそういう意味ではいい機会と思ったからだ。
「えっ、この子が作るわけ?」
「アンナ、セーナちゃんを甘く見ると笑えなくなるよ。遠征中のあたし達のご飯、作ってくれるのこの子なんだから」
ミリアの言葉に尚更驚くアンナ。沙更は、そのまま猪の花亭の厨房へと向かっていく。それに慌てたのはアンナで、沙更を止めにはいった。
「流石に今は無理よ。もう少し後でまた来て」
「営業中ですしね、分かりました。また後で来ますね」
アンナの言葉に素直に頷く沙更。そのやり取りを見ていたお客が面白そうだと思ったのか、参加したいと言い出した。苦言を言う沙更の料理を食べてみたかったのだろう。
一人が言えば、それに参加したいと言うお客が続出する。娯楽も少ない時代だけに、料理対決なんて面白そうなものに参加しないわけがなかったのだ。
それを見て困った顔をしたのがアンナで、沙更はアンナ次第だと任せていた。そこに、猪の花亭の主人であるアンナの父親でマッグスが顔を出した。
第231話 猪の花亭での料理対決1
リエットの護衛の依頼があるかないかを確認しに冒険者ギルドへ向かう。
途中、猪の鼻亭でいつものように食事をしているパウエル達を見かけて、朝ご飯を食べていなかったのを思い出して中に入る。
中は相変わらずそれなりに混んでいるのが見て取れた。入ってきた沙更とミリアを見てガレムが声をかける。
「こっちに顔を出すのは久しぶりだな」
「セーナちゃんのご飯があるからね。リーダーたちはいつも通り?」
「変わりがあるわけがないだろ?確かにセーナちゃんの飯は美味しいからまた食べたいところだな」
パウエルたちは、なかなか孤児院には来ない。貧窮しているのを知っているし、ご飯をタカりに行っている感じがしてしまうからだ。
だから、猪の鼻亭に来ていたのだが塩たっぷりの飯に飽きてきていたのが本音で、沙更が作る料理は塩気はそんなにないけれど美味しいが荒野の狼の共通認識だったからだ。
「塩気がありすぎる食事に流石に飽きてしまったわ」
「セーナちゃんに慣らされたと言うべきだろうな」
ヘレナとパウエルがそう言っていると厨房からアンナがやってきた。しかし、今までの会話を聞いていたらしくちょっと機嫌が悪かった。
「塩気が多いのは身体を使って働く人が多いからよ。うちのご飯に文句があるならそれより美味しいのを作ってから言ってよ」
アンナの言葉に沙更が頷く。アンナの言い分に間違いはない。ここの食事に自信を持っている証拠でもあり、料理をしている人間の代弁していたから。
「なら、私が作って美味しいのなら文句はありませんね?」
沙更として、テコ入れするなら今しかないとここで動くことにした。いずれは話をするつもりだったがそういう意味ではいい機会と思ったからだ。
「えっ、この子が作るわけ?」
「アンナ、セーナちゃんを甘く見ると笑えなくなるよ。遠征中のあたし達のご飯、作ってくれるのこの子なんだから」
ミリアの言葉に尚更驚くアンナ。沙更は、そのまま猪の花亭の厨房へと向かっていく。それに慌てたのはアンナで、沙更を止めにはいった。
「流石に今は無理よ。もう少し後でまた来て」
「営業中ですしね、分かりました。また後で来ますね」
アンナの言葉に素直に頷く沙更。そのやり取りを見ていたお客が面白そうだと思ったのか、参加したいと言い出した。苦言を言う沙更の料理を食べてみたかったのだろう。
一人が言えば、それに参加したいと言うお客が続出する。娯楽も少ない時代だけに、料理対決なんて面白そうなものに参加しないわけがなかったのだ。
それを見て困った顔をしたのがアンナで、沙更はアンナ次第だと任せていた。そこに、猪の花亭の主人であるアンナの父親でマッグスが顔を出した。
0
あなたにおすすめの小説
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜
たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話
無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる