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フィリエス家の内情と戦
第230話 リエットが来た理由
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月の魔女とよばれるまで
第230話 リエットが来た理由
沙更がミリアと共に孤児院の入口に顔を出すと、そこには辺境伯の屋敷に送り届けたリエットがいた。前みたいにみすぼらしい格好ではなく、少なくても上流階級らしい上質の布を使ったワンピース姿だった。
「幼い治癒士様、会いに来てしまいました」
リエットはそれだけを言うと沙更の側に寄る。その様子を見つつ、沙更はリエットの精神に余裕が無いのを感じていた。ジークと再会して、ある程度安定していたはずなのにだ。
それに、メイドのメアリーもいたはず。それなのに、こちらに来たと言う事は辺境伯の屋敷で何かあったのかと勘ぐってしまう。
「リエット様、家でなにかありましたか?」
「幼い治癒士様には分かってしまいますか…。わたくしが戻ってきたことを喜ばない者もいるのです」
「父親と他の兄弟ですか?」
沙更の言葉に、リエットは頷く。
元々、辺境伯家に子供が5人居る。リエットはその末娘で、辺境伯の正妻の唯一の子供なのだ。実際、辺境伯の他の兄弟は側室の子供で、継承権を認められていない。
シルバール王国は古い歴史を持ちつつも、女性の貴族に関しては寛容だ。それに、側室を持つ事は貴族として許されても相続できる人間は国王に認められた者のみとされている。
そもそも、今の辺境伯はリエットの母親の正妻が勤めている。女貴族として王から直々に認められていたのだ。が、今その正妻は出てこずに入り婿の辺境伯が好き勝手をやっている状態だと言うことをここ数日で知ることが出来ていた。結局の所、入り婿が辺境伯を継ぐことは王国の法律で禁じられていたからだ。
暴走する辺境伯の夫が、リエットの帰還を快く思わないことはそもそも想定の範囲内であったから助けを求められることも沙更の頭に入っていた。
「リエット様、心細いかも知れませんが私とミリアお姉さんが貴女をお守りします。なので、しばらくはお屋敷での生活よりも生活の質が下がってしまうことをお許しください」
辺境伯のお屋敷のような豪勢なものは孤児院では出せない。それでなくても今の孤児院は立て直している真っ最中であり、そこまでの余裕はなかった。
「幼い治癒士様、わたくしの事は気にしないでください。それで無くても盗賊に囚われたこともある身です。貴女が助けてくれると言ってくれる。それだけで十分なのですから」
リエットとしては、また沙更と一緒に居られる時点でそれ以上の物を必要と感じることはない。リエットの父親の手の者がリエットを害そうとしても沙更の魔力がそれに対抗してくれるからだ。
その力は、月女神の眷属をも退ける力があるとは知らずとも盗賊たちを相手にあっさりと叩きつぶせる位の力があることは自身の経験で知っていた。だからこそ、沙更を頼ってきたわけだが。
「ジークさんは動いているのですか?」
「ジークはお父様を止める気でいます。だから、わたくしに幼い治癒士様の所へ向かって欲しいと言われてお邪魔をさせて貰いました」
「なら、ジークさんとして勝つ算段が付いたと言う事なのでしょう。ならば、ジークさんの思うとおりに護衛をさせて貰います」
沙更がそう決めた時点で、ミリアはそれを拒否しない。それどころか、うんうん頷いていた。
「貴族はそういう所が面倒だよね。あたしとセーナちゃんはリエットさんの味方だよ。それに、ジークさんならもう冒険者ギルドに依頼入れてくれてるかもね」
「それなら、一回冒険者ギルドの方に行きましょう。護衛の依頼を受けないと行けませんし、ルーカさんに事情は説明しておいた方が動きやすいと思いますから」
沙更の言葉にミリアもリエットも頷くとすぐに動くことにした。
第230話 リエットが来た理由
沙更がミリアと共に孤児院の入口に顔を出すと、そこには辺境伯の屋敷に送り届けたリエットがいた。前みたいにみすぼらしい格好ではなく、少なくても上流階級らしい上質の布を使ったワンピース姿だった。
「幼い治癒士様、会いに来てしまいました」
リエットはそれだけを言うと沙更の側に寄る。その様子を見つつ、沙更はリエットの精神に余裕が無いのを感じていた。ジークと再会して、ある程度安定していたはずなのにだ。
それに、メイドのメアリーもいたはず。それなのに、こちらに来たと言う事は辺境伯の屋敷で何かあったのかと勘ぐってしまう。
「リエット様、家でなにかありましたか?」
「幼い治癒士様には分かってしまいますか…。わたくしが戻ってきたことを喜ばない者もいるのです」
「父親と他の兄弟ですか?」
沙更の言葉に、リエットは頷く。
元々、辺境伯家に子供が5人居る。リエットはその末娘で、辺境伯の正妻の唯一の子供なのだ。実際、辺境伯の他の兄弟は側室の子供で、継承権を認められていない。
シルバール王国は古い歴史を持ちつつも、女性の貴族に関しては寛容だ。それに、側室を持つ事は貴族として許されても相続できる人間は国王に認められた者のみとされている。
そもそも、今の辺境伯はリエットの母親の正妻が勤めている。女貴族として王から直々に認められていたのだ。が、今その正妻は出てこずに入り婿の辺境伯が好き勝手をやっている状態だと言うことをここ数日で知ることが出来ていた。結局の所、入り婿が辺境伯を継ぐことは王国の法律で禁じられていたからだ。
暴走する辺境伯の夫が、リエットの帰還を快く思わないことはそもそも想定の範囲内であったから助けを求められることも沙更の頭に入っていた。
「リエット様、心細いかも知れませんが私とミリアお姉さんが貴女をお守りします。なので、しばらくはお屋敷での生活よりも生活の質が下がってしまうことをお許しください」
辺境伯のお屋敷のような豪勢なものは孤児院では出せない。それでなくても今の孤児院は立て直している真っ最中であり、そこまでの余裕はなかった。
「幼い治癒士様、わたくしの事は気にしないでください。それで無くても盗賊に囚われたこともある身です。貴女が助けてくれると言ってくれる。それだけで十分なのですから」
リエットとしては、また沙更と一緒に居られる時点でそれ以上の物を必要と感じることはない。リエットの父親の手の者がリエットを害そうとしても沙更の魔力がそれに対抗してくれるからだ。
その力は、月女神の眷属をも退ける力があるとは知らずとも盗賊たちを相手にあっさりと叩きつぶせる位の力があることは自身の経験で知っていた。だからこそ、沙更を頼ってきたわけだが。
「ジークさんは動いているのですか?」
「ジークはお父様を止める気でいます。だから、わたくしに幼い治癒士様の所へ向かって欲しいと言われてお邪魔をさせて貰いました」
「なら、ジークさんとして勝つ算段が付いたと言う事なのでしょう。ならば、ジークさんの思うとおりに護衛をさせて貰います」
沙更がそう決めた時点で、ミリアはそれを拒否しない。それどころか、うんうん頷いていた。
「貴族はそういう所が面倒だよね。あたしとセーナちゃんはリエットさんの味方だよ。それに、ジークさんならもう冒険者ギルドに依頼入れてくれてるかもね」
「それなら、一回冒険者ギルドの方に行きましょう。護衛の依頼を受けないと行けませんし、ルーカさんに事情は説明しておいた方が動きやすいと思いますから」
沙更の言葉にミリアもリエットも頷くとすぐに動くことにした。
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