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フィリエス家の内情と戦
第272話 フィエリス家の内情
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月の魔女とよばれるまで
第272話 フィエリス家の内情
ガーゼルベルトとしては、別段困ったことになるとは思っていなかった。カタリーナもそこは心配していなかったと言うべきだろう。普通ならば、貴族のこういう話は別の貴族の家に聞かれてはいけないこと。格好の攻撃の対象になってしまうから。
気にするのは当然のことであり、冒険者側としてみれば深入りしすぎたと言っても良い。流石にこうなってくると沙更でもテンパってしまう。
「えっと、ここまで聞いたから明日背中からばっさりとか無いですよね?」
「幼い治癒士様にそんなことはしません。と言うより、なんでそこまで怖がっているのでしょう?」
リエットの言葉に、頷くガーゼルベルトとカタリーナ。その対応に戸惑うのは言うまでも無く沙更で、ミリアやパウエルにガレムは首をかしげているし、ヘレナに至っては苦笑を浮かべていた。
「流石にセーナちゃん、考えすぎ。フィエリス家を相手にけんかを売る貴族がいたら教えて欲しいわ」
ヘレナはそういう点、元貴族だけあってシルバール王国内の勢力図に詳しい。宰相になったガーゼルベルトを筆頭とするフィリエス家は、下手な大貴族でも喧嘩を売れない家なのだ。
そもそも、戦働きでは右に並ぶ者は居ない上に宰相と言う事で国内貴族の内情を全て調べ上げられている。そんな状態で、喧嘩を売ろうとする家があるのなら無謀としか言えないだろう。
「君たちが心配することは無い。わしがいる内に貴族同士の喧嘩をしようと思う輩はいないだろうよ」
宮廷内の権力闘争でも一目どころか、もの凄い勢いで敬服されている状況であるだけに陥れるにも無理がありすぎた。そもそも、辺境伯は下手な貴族で勤まるものではないのだから。
「それに、あいつが金を使ったとは言えわしとカタリーナでお金は分けていただけだ。わしの方にはあのくらいの金ならすぐ補填できるだけの財はある。そこまで心配すること無い」
「えっ、伯父様あのお金は…」
「わしからの詫び代わりだ。それに、一人であれだけの金は使い切れん。宰相になったことで更に膨れあがっているのだぞ。少しくらいなら大丈夫だろう」
「伯父様、それでは」
カタリーナがガーゼルベルトをたしなめるが、聞く耳を持たないと言う格好のようだ。どうやら、カタリーナとガーゼルベルトは相当仲が良いと思われる。
そんな様子を見ているリエットは驚きの顔をしていた。母親がこんなに表情豊かにしているのを初めて見るからだ。
「お母様、大伯父さまと凄く仲が良いの?お母様のそんな表情見たことが無い」
「カタリーナ、厳しくしすぎじゃ無いのか?娘にそう言われる時点で、余程硬い顔しかしていなかったのだろう?」
リエットに続き、ガーゼルベルトにまでそう言われてしまってはカタリーナも固まってしまう。どうやら、突っ込まれるとは思っていなかったらしい。
何というか、元通り以上に仲良くなったと言う事のようだ。ちらっとジークを見るともの凄い勢いで頷かれた。治療をしただけで、仲直りの仲裁まではしたわけじゃなかったのだけどもと沙更は思う。
第272話 フィエリス家の内情
ガーゼルベルトとしては、別段困ったことになるとは思っていなかった。カタリーナもそこは心配していなかったと言うべきだろう。普通ならば、貴族のこういう話は別の貴族の家に聞かれてはいけないこと。格好の攻撃の対象になってしまうから。
気にするのは当然のことであり、冒険者側としてみれば深入りしすぎたと言っても良い。流石にこうなってくると沙更でもテンパってしまう。
「えっと、ここまで聞いたから明日背中からばっさりとか無いですよね?」
「幼い治癒士様にそんなことはしません。と言うより、なんでそこまで怖がっているのでしょう?」
リエットの言葉に、頷くガーゼルベルトとカタリーナ。その対応に戸惑うのは言うまでも無く沙更で、ミリアやパウエルにガレムは首をかしげているし、ヘレナに至っては苦笑を浮かべていた。
「流石にセーナちゃん、考えすぎ。フィエリス家を相手にけんかを売る貴族がいたら教えて欲しいわ」
ヘレナはそういう点、元貴族だけあってシルバール王国内の勢力図に詳しい。宰相になったガーゼルベルトを筆頭とするフィリエス家は、下手な大貴族でも喧嘩を売れない家なのだ。
そもそも、戦働きでは右に並ぶ者は居ない上に宰相と言う事で国内貴族の内情を全て調べ上げられている。そんな状態で、喧嘩を売ろうとする家があるのなら無謀としか言えないだろう。
「君たちが心配することは無い。わしがいる内に貴族同士の喧嘩をしようと思う輩はいないだろうよ」
宮廷内の権力闘争でも一目どころか、もの凄い勢いで敬服されている状況であるだけに陥れるにも無理がありすぎた。そもそも、辺境伯は下手な貴族で勤まるものではないのだから。
「それに、あいつが金を使ったとは言えわしとカタリーナでお金は分けていただけだ。わしの方にはあのくらいの金ならすぐ補填できるだけの財はある。そこまで心配すること無い」
「えっ、伯父様あのお金は…」
「わしからの詫び代わりだ。それに、一人であれだけの金は使い切れん。宰相になったことで更に膨れあがっているのだぞ。少しくらいなら大丈夫だろう」
「伯父様、それでは」
カタリーナがガーゼルベルトをたしなめるが、聞く耳を持たないと言う格好のようだ。どうやら、カタリーナとガーゼルベルトは相当仲が良いと思われる。
そんな様子を見ているリエットは驚きの顔をしていた。母親がこんなに表情豊かにしているのを初めて見るからだ。
「お母様、大伯父さまと凄く仲が良いの?お母様のそんな表情見たことが無い」
「カタリーナ、厳しくしすぎじゃ無いのか?娘にそう言われる時点で、余程硬い顔しかしていなかったのだろう?」
リエットに続き、ガーゼルベルトにまでそう言われてしまってはカタリーナも固まってしまう。どうやら、突っ込まれるとは思っていなかったらしい。
何というか、元通り以上に仲良くなったと言う事のようだ。ちらっとジークを見るともの凄い勢いで頷かれた。治療をしただけで、仲直りの仲裁まではしたわけじゃなかったのだけどもと沙更は思う。
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