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フィリエス家の内情と戦
第282話 激突簒奪者軍対辺境伯軍3
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月の魔女とよばれるまで
第282話 激突簒奪者軍対辺境伯軍3
沙更が歩兵部隊を引きつけている間に、騎士ゼオンが率いる中隊とパウエル、ガレム、ミリアの面々は弓兵部隊に襲いかかっていた。
本当ならば、防衛の部隊がいるのだが沙更の魔力が鮮明に見えたことでその光に吸引されるがごとく進軍してしまっていたのだ。軍として、勝手に配置を離れるのは厳罰ものである。
だが、沙更が防衛の要であると踏んだアランが攻撃の合図を出してしまった。それが、弓兵を守る部隊がいないと言う最悪の事態を招いてしまっていた。
「さてと、セーナちゃんに無茶させてばかりもな」
「ったく、モンスターより弱いぜ。味気なさ過ぎる」
「さらっと終わらせて、セーナちゃんの所に戻らないとね」
「敵の弓兵を叩くぞ。中隊続け!!」
騎士ゼオンの号令と共に、パウエルたち三人も動く。弓兵は近接戦に弱いだけに、ここまで騎士や冒険者に近づかれたのは致命的であった。
騎士ゼオンが率いるは、クルシスでゼオンと共に動いている兵士達だけに練度は高い。一糸乱れぬ行軍で、一気に相手の弓兵隊を視界に捉えると猛然と襲いかかったのだ。
ゼオン率いる中隊とパウエルたち三人が弓兵に襲いかかったことで、完全に簒奪者軍とカタリーナ率いる辺境伯軍の兵力差は逆転することになる。
開戦して数時間、簒奪者軍の死者は数千人を超えているが辺境伯軍の死者はほんの僅か。重傷者は数十名かいるが、それ以外は軽傷以下。マイティアップで身体能力を上げたことによって、致命的な一撃を回避出来ていたことが大きい。そして、弓兵からの攻撃をウィンドプロテクションで防護していることもあって、驚異的な被害の少なさであった。
この時点で、完全に形勢は辺境伯軍に傾いてしまっていた。完全なる防戦用の陣形の方陣から、今は横陣に変化している。基本的な陣形に変化させたことで、攻撃も防御も出来る状態になっていた。
騎士ゼオンが動いているのを確認したカタリーナは、この戦いを制したことを確信した。騎馬を潰し、歩兵をつり出し、弓兵に打撃を与えている今、残るは少数の魔法兵と近衛のみ。
「本当に、幼い治癒士様は途方も無いわね。あれだけの範囲を魔法で援護してくれるなんて、他の魔法士では出来る話じゃ無いわ」
「お母様、幼い治癒士様まで戦争に出したことは他の貴族からすれば脅威に映ると思います。大丈夫でしょうか?」
「そこは今後、伯父様とも話をしなければいけないわね。それに、今回は防衛戦だから冒険者ギルドも手を貸してくれたけれどこちらから攻めるとなれば、手を貸してくれないでしょう。どちらにしろ、こちらから攻めるなんて野暮はしないわよ」
カタリーナとして、沙更の魔法の力が凄すぎる事を再確認する場であった。魔法士一人で、全軍を補助魔法で援護できるなんてあり得ない話であり、それが出来る時点でどれだけの戦力になるか考えなくても分かる話であった。
それだけに、他の貴族が沙更を欲しがるのは目に見えていた。高位の貴族達が欲しがらないわけが無い。だが、この戦いを超えない限り辺境伯領に明日は無い。だからこその苦渋の選択だった。
第282話 激突簒奪者軍対辺境伯軍3
沙更が歩兵部隊を引きつけている間に、騎士ゼオンが率いる中隊とパウエル、ガレム、ミリアの面々は弓兵部隊に襲いかかっていた。
本当ならば、防衛の部隊がいるのだが沙更の魔力が鮮明に見えたことでその光に吸引されるがごとく進軍してしまっていたのだ。軍として、勝手に配置を離れるのは厳罰ものである。
だが、沙更が防衛の要であると踏んだアランが攻撃の合図を出してしまった。それが、弓兵を守る部隊がいないと言う最悪の事態を招いてしまっていた。
「さてと、セーナちゃんに無茶させてばかりもな」
「ったく、モンスターより弱いぜ。味気なさ過ぎる」
「さらっと終わらせて、セーナちゃんの所に戻らないとね」
「敵の弓兵を叩くぞ。中隊続け!!」
騎士ゼオンの号令と共に、パウエルたち三人も動く。弓兵は近接戦に弱いだけに、ここまで騎士や冒険者に近づかれたのは致命的であった。
騎士ゼオンが率いるは、クルシスでゼオンと共に動いている兵士達だけに練度は高い。一糸乱れぬ行軍で、一気に相手の弓兵隊を視界に捉えると猛然と襲いかかったのだ。
ゼオン率いる中隊とパウエルたち三人が弓兵に襲いかかったことで、完全に簒奪者軍とカタリーナ率いる辺境伯軍の兵力差は逆転することになる。
開戦して数時間、簒奪者軍の死者は数千人を超えているが辺境伯軍の死者はほんの僅か。重傷者は数十名かいるが、それ以外は軽傷以下。マイティアップで身体能力を上げたことによって、致命的な一撃を回避出来ていたことが大きい。そして、弓兵からの攻撃をウィンドプロテクションで防護していることもあって、驚異的な被害の少なさであった。
この時点で、完全に形勢は辺境伯軍に傾いてしまっていた。完全なる防戦用の陣形の方陣から、今は横陣に変化している。基本的な陣形に変化させたことで、攻撃も防御も出来る状態になっていた。
騎士ゼオンが動いているのを確認したカタリーナは、この戦いを制したことを確信した。騎馬を潰し、歩兵をつり出し、弓兵に打撃を与えている今、残るは少数の魔法兵と近衛のみ。
「本当に、幼い治癒士様は途方も無いわね。あれだけの範囲を魔法で援護してくれるなんて、他の魔法士では出来る話じゃ無いわ」
「お母様、幼い治癒士様まで戦争に出したことは他の貴族からすれば脅威に映ると思います。大丈夫でしょうか?」
「そこは今後、伯父様とも話をしなければいけないわね。それに、今回は防衛戦だから冒険者ギルドも手を貸してくれたけれどこちらから攻めるとなれば、手を貸してくれないでしょう。どちらにしろ、こちらから攻めるなんて野暮はしないわよ」
カタリーナとして、沙更の魔法の力が凄すぎる事を再確認する場であった。魔法士一人で、全軍を補助魔法で援護できるなんてあり得ない話であり、それが出来る時点でどれだけの戦力になるか考えなくても分かる話であった。
それだけに、他の貴族が沙更を欲しがるのは目に見えていた。高位の貴族達が欲しがらないわけが無い。だが、この戦いを超えない限り辺境伯領に明日は無い。だからこその苦渋の選択だった。
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