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フィリエス家の内情と戦
第281話 激突簒奪者軍対辺境伯軍2
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月の魔女とよばれるまで
第281話 激突簒奪者軍対辺境伯軍2
沙更のマイティアップにウィンドプロテクションの効果により、簒奪者軍からの損害を軽微にしつつ戦は進んでいく。数は相手の三分の一とは言え、経験豊富な辺境伯軍は簒奪者軍を効果的に迎撃していく。
既に、騎馬部隊は壊滅させ、弓兵と歩兵の対処の為ファランクスを下げて騎士と冒険者主体の遊撃部隊が的確に仕掛ける。身軽な歩兵に長槍のファランクスでは動きで翻弄されかねない。それならば、同じ動きが出来る騎士と冒険者の方が良い。
「さてと、こちらの出番と言ったところか」
「ようやく出番だな。とは言っても、無茶して倒れるのはセーナちゃんを悲しませるなあ」
「どちらにしろ、突出するのは無しだよ?セーナちゃんあれだけの魔法を維持してくれてるから、治癒魔法まで使わせたら厳しいでしょ?」
「だよな。まあ、昔の俺じゃねえし深追いは無しな」
パウエル、ガレム、ミリアの三人が話をしていると騎士ゼオンが近づいてきた。
「君たちもいたか、なら一緒に付いてきてくれ。敵の弓兵の迎撃に当たる」
「分かりました」
「了解したぜ」
「ついて行かせて貰いますね」
ゼオンの言葉に追随する三人。その三人の動きを見つつ、沙更は魔法の効果範囲を更に広げる。三人の援護をと思ったからだ。効果範囲を広げても敵味方を識別して効果を与える。それがどれだけ魔法を使う者に取って難しいかは言うまでも無い。
(ごめんね、私の魔力よ。願いに応えて)
沙更の中の魔力が、その願いに応える。内にある膨大な魔力が更に渦巻くように沙更の側に集まっていく。その光景に簒奪者軍が沙更めがけて動く。
「彼女に敵を近づけさせるな!わしに続け!!」
ジーク率いる辺境伯近衛部隊が、沙更のフォローに回る。カタリーナは昔からの古参騎士に守られている事とジークが個人的に沙更の補助に回ることをカタリーナに願ったからだ。
(彼女の魔法の力は途方も無い。戦に使って貰う形になって、否応なく注目を集めてしまう結果になってしまった。だからこそ、わしがあの子を守ろう)
沙更に次々と迫る矢と歩兵部隊。矢はウィンドプロテクションの効果により無効化されているが、隙を突いての歩兵は見過ごすことが出来ない。ジークに続くは、ミストヘイムの面々だ。
「ミリアたちが抜けたところで、この子まで行かせないよ!!」
沙更の周囲には、マイティアップの魔法が自動的に掛かるようになっているだけに、兵士たちにセリエたちがいつも以上の動きが出来る下地は揃っていた。
騎士達やセリエ達の動きがいつも以上に冴える。弓矢を考えなくて良いとなれば、前の敵を屠るのみ。集中出来るだけに、次々と相手の兵士達を倒していく。
その頃、アランは余りにもこちらが押されていることに驚きを隠せずに居た。三倍の数で攻め立てているのに、既に騎馬隊は壊滅。歩兵と弓兵にも徐々に損害が広がって行っているとの報告を受けていた。
「何故だ!?三倍の兵力で仕掛けているのだぞ!?」
確かに、三倍の兵ならば籠城戦をされても攻めきれる可能性はあった。しかも野戦ならば、その数で押し込めるはずであった。が、その計算が狂った。そう、カタリーナの用兵と沙更の存在である。
それとアランの用兵のまずさが出て、三倍の差をひっくり返される所まで来てしまっていたのだ。今では、優位だったはずの兵の数もそこまで有利と言えない所まで来てしまっていた。
第281話 激突簒奪者軍対辺境伯軍2
沙更のマイティアップにウィンドプロテクションの効果により、簒奪者軍からの損害を軽微にしつつ戦は進んでいく。数は相手の三分の一とは言え、経験豊富な辺境伯軍は簒奪者軍を効果的に迎撃していく。
既に、騎馬部隊は壊滅させ、弓兵と歩兵の対処の為ファランクスを下げて騎士と冒険者主体の遊撃部隊が的確に仕掛ける。身軽な歩兵に長槍のファランクスでは動きで翻弄されかねない。それならば、同じ動きが出来る騎士と冒険者の方が良い。
「さてと、こちらの出番と言ったところか」
「ようやく出番だな。とは言っても、無茶して倒れるのはセーナちゃんを悲しませるなあ」
「どちらにしろ、突出するのは無しだよ?セーナちゃんあれだけの魔法を維持してくれてるから、治癒魔法まで使わせたら厳しいでしょ?」
「だよな。まあ、昔の俺じゃねえし深追いは無しな」
パウエル、ガレム、ミリアの三人が話をしていると騎士ゼオンが近づいてきた。
「君たちもいたか、なら一緒に付いてきてくれ。敵の弓兵の迎撃に当たる」
「分かりました」
「了解したぜ」
「ついて行かせて貰いますね」
ゼオンの言葉に追随する三人。その三人の動きを見つつ、沙更は魔法の効果範囲を更に広げる。三人の援護をと思ったからだ。効果範囲を広げても敵味方を識別して効果を与える。それがどれだけ魔法を使う者に取って難しいかは言うまでも無い。
(ごめんね、私の魔力よ。願いに応えて)
沙更の中の魔力が、その願いに応える。内にある膨大な魔力が更に渦巻くように沙更の側に集まっていく。その光景に簒奪者軍が沙更めがけて動く。
「彼女に敵を近づけさせるな!わしに続け!!」
ジーク率いる辺境伯近衛部隊が、沙更のフォローに回る。カタリーナは昔からの古参騎士に守られている事とジークが個人的に沙更の補助に回ることをカタリーナに願ったからだ。
(彼女の魔法の力は途方も無い。戦に使って貰う形になって、否応なく注目を集めてしまう結果になってしまった。だからこそ、わしがあの子を守ろう)
沙更に次々と迫る矢と歩兵部隊。矢はウィンドプロテクションの効果により無効化されているが、隙を突いての歩兵は見過ごすことが出来ない。ジークに続くは、ミストヘイムの面々だ。
「ミリアたちが抜けたところで、この子まで行かせないよ!!」
沙更の周囲には、マイティアップの魔法が自動的に掛かるようになっているだけに、兵士たちにセリエたちがいつも以上の動きが出来る下地は揃っていた。
騎士達やセリエ達の動きがいつも以上に冴える。弓矢を考えなくて良いとなれば、前の敵を屠るのみ。集中出来るだけに、次々と相手の兵士達を倒していく。
その頃、アランは余りにもこちらが押されていることに驚きを隠せずに居た。三倍の数で攻め立てているのに、既に騎馬隊は壊滅。歩兵と弓兵にも徐々に損害が広がって行っているとの報告を受けていた。
「何故だ!?三倍の兵力で仕掛けているのだぞ!?」
確かに、三倍の兵ならば籠城戦をされても攻めきれる可能性はあった。しかも野戦ならば、その数で押し込めるはずであった。が、その計算が狂った。そう、カタリーナの用兵と沙更の存在である。
それとアランの用兵のまずさが出て、三倍の差をひっくり返される所まで来てしまっていたのだ。今では、優位だったはずの兵の数もそこまで有利と言えない所まで来てしまっていた。
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