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フィリエス家の内情と戦
第285話 戦後の後始末1
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月の魔女とよばれるまで
第285話 戦後の後始末1
子爵領を簒奪したアランと辺境伯カタリーナの戦いは、辺境伯カタリーナの軍が勝利を収めた。ガーゼルベルトも参戦した事により、被害自体は相当少ないものであった。
が、辺境伯領の半数の騎士と兵士をアランに抑えられた事で辺境伯領の兵士たちが足りない事態になってしまった。それに、子爵領が丸々放置されている状況になってしまい、子爵領の民が辺境伯領に難民として入ってきてしまっていたのも問題の元になってしまっていたのだ。
子爵領も子爵の子息が生きていることで、なんとか後を継がせると言う形で収まりそうだと冒険者ギルドでルーカが言っていたので、ほっとしていたりする。
ここウエストエンドを守る為だけに手を貸した冒険者ギルドだが、ミストヘイムも荒野の狼もきっちり生き残って帰ってきたことに安堵しているのがよく分かった。
ここで、また冒険者を失う形になってしまうと依頼が溜まりすぎてしまうと言う以前の状態に戻ってしまうからだ。その最悪の事態は沙更の補助により無事回避出来た。
戦後の後始末を語ったルーカがそう言えばと前置きして、荒野の狼とミストヘイムを見た。
「辺境伯様がミストヘイムと荒野の狼の面々に褒美を与えたいって来ていますがどうしますか?」
「カタリーナ様が?確かに、戦に出た報酬なんて考えてみれば聞いてなかったな」
「私たちは傭兵と同じ扱いで良いさ。どちらにしろ、そこまでがめついつもりもないしね」
セリエとしてみれば、必要以上にがっつくつもりはないらしい。ミストヘイム自体、敵兵から沙更を守る役目をしっかり果たしたが、それほど戦況を有利にさせたと思っていなかった。
が、沙更を守り切ったことで補助魔法を切らせること無く、味方を支援できたと言う事は戦況にかなりの影響を及ぼしていると言う事に気付いていない。だから、報酬に色が付くのも当然と言えば当然であった。
そして、荒野の狼は騎士ゼオンと共に弓兵部隊の掃討に一役買っていて味方の被害を小さくした功績があった。さらに沙更に至っては、戦自体を辺境伯側に傾かせたと言っても過言ではないだけに、報酬がどれだけ大きくなるか読めた物では無かったのだ。
と言っても、沙更としては今回の戦の報酬を辞退するつもりでいた。そもそも、カタリーナの体調やリエットの事を思って参戦しただけであり、確かにあれだけの魔法を維持したりはしたが補助魔法だけにした。
実際、本気であれだけの数を相手にしたとして攻撃魔法だけで対処可能である。今、使うことが出来る最大攻撃魔法ディバインブレードならば、敵軍全体を巻き込んで一撃で真っ二つに出来るだろう。空間軸、もしくは次元すら叩ききる神の刃だけに威力の程は真面目にしゃれにならないからだ。
だが、それをやる必要性がないと思って補助魔法だけに留めたのだ。相手の軍が壊滅してからは、治療にも魔法を使ったがそれくらいであった。
しかし、カタリーナが思う魔法兵の常識を遙かに超えてしまっていたのは否めない。それが故で、貴族達が動いていることも沙更には分かっていた。
(ど派手に動かなくてもこれなら、ど派手に動いていたらどうなっていたかは言うまでも無いかな。抑えて、これなんだものね)
沙更が困った顔をする。確かに、マイティアップとウィンドプロテクションにディヴァインベールの三つを維持する仕事であったがその範囲が広すぎたし、そもそも三つの魔法を同時に維持できる魔法士はごく僅か。
更に言えば、軍の陣地全体を覆える魔法士など聞いたことがあるわけがない。魔力が廃れて、今の魔法士の魔力はごく僅かなのだから。
第285話 戦後の後始末1
子爵領を簒奪したアランと辺境伯カタリーナの戦いは、辺境伯カタリーナの軍が勝利を収めた。ガーゼルベルトも参戦した事により、被害自体は相当少ないものであった。
が、辺境伯領の半数の騎士と兵士をアランに抑えられた事で辺境伯領の兵士たちが足りない事態になってしまった。それに、子爵領が丸々放置されている状況になってしまい、子爵領の民が辺境伯領に難民として入ってきてしまっていたのも問題の元になってしまっていたのだ。
子爵領も子爵の子息が生きていることで、なんとか後を継がせると言う形で収まりそうだと冒険者ギルドでルーカが言っていたので、ほっとしていたりする。
ここウエストエンドを守る為だけに手を貸した冒険者ギルドだが、ミストヘイムも荒野の狼もきっちり生き残って帰ってきたことに安堵しているのがよく分かった。
ここで、また冒険者を失う形になってしまうと依頼が溜まりすぎてしまうと言う以前の状態に戻ってしまうからだ。その最悪の事態は沙更の補助により無事回避出来た。
戦後の後始末を語ったルーカがそう言えばと前置きして、荒野の狼とミストヘイムを見た。
「辺境伯様がミストヘイムと荒野の狼の面々に褒美を与えたいって来ていますがどうしますか?」
「カタリーナ様が?確かに、戦に出た報酬なんて考えてみれば聞いてなかったな」
「私たちは傭兵と同じ扱いで良いさ。どちらにしろ、そこまでがめついつもりもないしね」
セリエとしてみれば、必要以上にがっつくつもりはないらしい。ミストヘイム自体、敵兵から沙更を守る役目をしっかり果たしたが、それほど戦況を有利にさせたと思っていなかった。
が、沙更を守り切ったことで補助魔法を切らせること無く、味方を支援できたと言う事は戦況にかなりの影響を及ぼしていると言う事に気付いていない。だから、報酬に色が付くのも当然と言えば当然であった。
そして、荒野の狼は騎士ゼオンと共に弓兵部隊の掃討に一役買っていて味方の被害を小さくした功績があった。さらに沙更に至っては、戦自体を辺境伯側に傾かせたと言っても過言ではないだけに、報酬がどれだけ大きくなるか読めた物では無かったのだ。
と言っても、沙更としては今回の戦の報酬を辞退するつもりでいた。そもそも、カタリーナの体調やリエットの事を思って参戦しただけであり、確かにあれだけの魔法を維持したりはしたが補助魔法だけにした。
実際、本気であれだけの数を相手にしたとして攻撃魔法だけで対処可能である。今、使うことが出来る最大攻撃魔法ディバインブレードならば、敵軍全体を巻き込んで一撃で真っ二つに出来るだろう。空間軸、もしくは次元すら叩ききる神の刃だけに威力の程は真面目にしゃれにならないからだ。
だが、それをやる必要性がないと思って補助魔法だけに留めたのだ。相手の軍が壊滅してからは、治療にも魔法を使ったがそれくらいであった。
しかし、カタリーナが思う魔法兵の常識を遙かに超えてしまっていたのは否めない。それが故で、貴族達が動いていることも沙更には分かっていた。
(ど派手に動かなくてもこれなら、ど派手に動いていたらどうなっていたかは言うまでも無いかな。抑えて、これなんだものね)
沙更が困った顔をする。確かに、マイティアップとウィンドプロテクションにディヴァインベールの三つを維持する仕事であったがその範囲が広すぎたし、そもそも三つの魔法を同時に維持できる魔法士はごく僅か。
更に言えば、軍の陣地全体を覆える魔法士など聞いたことがあるわけがない。魔力が廃れて、今の魔法士の魔力はごく僅かなのだから。
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