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最終章 目覚める神
第294話 モンスターとの遭遇1
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月の魔女とよばれるまで
第294話 モンスターとの遭遇1
逃げてきた村人と出会った地点からさらに開拓村に向かって進む。加速したままではあるが、それでもモンスターの群れが動く気配はない。開拓村を壊滅し終えて、役目を終えたかのようだ。
だが、やはりというかモンスターの群れを離れたモンスターがかなりの数いた。それらを感知するまで、それほど時間は掛からなかった。距離もかなり近い。開拓村からこちら側に流れてきたようだ。
「パウエルさん、そろそろモンスターとぶつかります」
「ああ、分かった。みんな戦闘準備だ」
パウエルの言葉に、荒野の狼のメンバー全員が戦闘態勢に移る。沙更が警告を発してから20分後、モンスターたちが姿を現した。
Cランクモンスターのグレートパイソン、同ランクのスチールアント、Bランクモンスターのヒルジャイアントの混合編成というかなり珍しい組み合わせであった。
この時点で、エンシェントゲートの冒険者では対処不可能。数で当たったところで、モンスターの方が数が多いのだから押し負けてしまう。籠城戦はやるだけ無駄というのがよく分かる編成であった。
「最初からBランクモンスターとのやり合いか、難易度が高いな」
パウエルとしてはそうとしか言えない。実際、騎士団ですらこのモンスター編成の場合苦戦を強いられるのは否めない。これでほんの一部だというのだから、辺境伯側に未来は無いと言って良い程。
それでも、パウエル達荒野の狼のメンバーならこのモンスター達を相手取れる。沙更の補助がなくても負けない当たりが、あの古代遺跡での戦いが激しかった証拠であった。
大きいヒルジャイアントは、一番後ろ。中程にグレートパイソン、前衛にスチールアントという編成でこちらに向かってくる。大きさ的にヒルジャイアントが先に来そうなものだが、どうやらある程度思考をいじくられているらしい。
接敵する時には、既に沙更の補助は施されている。となれば、先に動くはミリア。スチールアントを飛び越えて、グレートパイソンに斬りかかる。スチールアントよりもグレートパイソンを優先したのは毒を持っていることを知っているからだ。
ただの傷ならば、沙更かヘレナの回復魔法でどうにか出来る。が、毒ともなれば解除する時間が必要になる上に、その間身体の動きが悪くなる。それを警戒しての事だった。
ミリア的に、スチールアントの注意をこちらに引きつける役目も受け持っていた。ミリアに集中すれば、その後ろからパウエルとガレムの二人がスチールアントを倒しやすくなると踏んでのことだ。その分、集中的に攻撃される為危険なんて話では無い。
が、それも考慮に入っての行動の時点で身体能力が跳ねている事を証明していた。そして、瞬時に白の直刀が閃く。グレートパイソンの皮は鉄の剣でようやく切れる程度には固い。だが、白の直刀を相手取るには強度が足りなすぎた。
ミリアが白の直刀を振るう度に、グレートパイソンの身が切れていく。その光景に、スチールアントも立ち止まってしまう。ヒルジャイアントは、そのままこちらに来るがミリアを捉えるには至らない。
スチールアントが立ち止まった所をパウエルとガレムが斬りかかる。青い魔鉄の剣と炭素鋼の斧の一撃は、鋼の固さを持つスチールアントの外皮を断ち切っていた。
第294話 モンスターとの遭遇1
逃げてきた村人と出会った地点からさらに開拓村に向かって進む。加速したままではあるが、それでもモンスターの群れが動く気配はない。開拓村を壊滅し終えて、役目を終えたかのようだ。
だが、やはりというかモンスターの群れを離れたモンスターがかなりの数いた。それらを感知するまで、それほど時間は掛からなかった。距離もかなり近い。開拓村からこちら側に流れてきたようだ。
「パウエルさん、そろそろモンスターとぶつかります」
「ああ、分かった。みんな戦闘準備だ」
パウエルの言葉に、荒野の狼のメンバー全員が戦闘態勢に移る。沙更が警告を発してから20分後、モンスターたちが姿を現した。
Cランクモンスターのグレートパイソン、同ランクのスチールアント、Bランクモンスターのヒルジャイアントの混合編成というかなり珍しい組み合わせであった。
この時点で、エンシェントゲートの冒険者では対処不可能。数で当たったところで、モンスターの方が数が多いのだから押し負けてしまう。籠城戦はやるだけ無駄というのがよく分かる編成であった。
「最初からBランクモンスターとのやり合いか、難易度が高いな」
パウエルとしてはそうとしか言えない。実際、騎士団ですらこのモンスター編成の場合苦戦を強いられるのは否めない。これでほんの一部だというのだから、辺境伯側に未来は無いと言って良い程。
それでも、パウエル達荒野の狼のメンバーならこのモンスター達を相手取れる。沙更の補助がなくても負けない当たりが、あの古代遺跡での戦いが激しかった証拠であった。
大きいヒルジャイアントは、一番後ろ。中程にグレートパイソン、前衛にスチールアントという編成でこちらに向かってくる。大きさ的にヒルジャイアントが先に来そうなものだが、どうやらある程度思考をいじくられているらしい。
接敵する時には、既に沙更の補助は施されている。となれば、先に動くはミリア。スチールアントを飛び越えて、グレートパイソンに斬りかかる。スチールアントよりもグレートパイソンを優先したのは毒を持っていることを知っているからだ。
ただの傷ならば、沙更かヘレナの回復魔法でどうにか出来る。が、毒ともなれば解除する時間が必要になる上に、その間身体の動きが悪くなる。それを警戒しての事だった。
ミリア的に、スチールアントの注意をこちらに引きつける役目も受け持っていた。ミリアに集中すれば、その後ろからパウエルとガレムの二人がスチールアントを倒しやすくなると踏んでのことだ。その分、集中的に攻撃される為危険なんて話では無い。
が、それも考慮に入っての行動の時点で身体能力が跳ねている事を証明していた。そして、瞬時に白の直刀が閃く。グレートパイソンの皮は鉄の剣でようやく切れる程度には固い。だが、白の直刀を相手取るには強度が足りなすぎた。
ミリアが白の直刀を振るう度に、グレートパイソンの身が切れていく。その光景に、スチールアントも立ち止まってしまう。ヒルジャイアントは、そのままこちらに来るがミリアを捉えるには至らない。
スチールアントが立ち止まった所をパウエルとガレムが斬りかかる。青い魔鉄の剣と炭素鋼の斧の一撃は、鋼の固さを持つスチールアントの外皮を断ち切っていた。
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