月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

文字の大きさ
335 / 365
最終章 目覚める神

第311話 魔力、それは月女神の祝福

しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで

第311話 魔力、それは月女神の祝福

 大地に魔力が戻っていく。それは、失われし月女神の祝福そのものでありこの世界に元々あったもの。それ故に、失った力を取り戻していくことで活力すらも取り戻していく。

 そもそも、月女神が生み出した魔力はこの世界を祝福していた。月女神がいなくなるとその祝福は失われて、大地の活力も失われてしまった。そのおかげで、作物も良いのが取れずにこの世界の人間が困る形となってしまったのだがそれも沙更の存在が月女神の代わりを果たそうとしていた。

 それは、月女神の眷属が復活させる手段としていたもの。だが、今となっては不要のもの。それに気付いていないのも滑稽と言うしか無い。

「あの魔力は、まさか御方は既に目覚めていると言うのか!?」

 流石にあれだけの魔力を扱えるのは、沙更と月女神くらいだろう。古代魔法士でもあれだけの魔力を扱える人間はほとんどいない。それだけの魔力量を使っているからだ。

 大地に魔力の祝福を与えられるほどに、魔力を満ちさせたとなればそう判断するのも納得出来てしまう。

 一方、三度のモンスターを沙更の魔法で排除したことで、沙更のスターサファイアのロッドが再度の変化を起こした。膨大な魔力を三度操りきったことで役目を終えたと言う事なのだろう。そもそも、沙更の魔力に反応して成長してきただけに、次の形態が気になるのもまた確か。

 スターサファイアのロッドが役目を終え、その形を変えていく。スターサファイアのロッドからバトンタッチされたのは、持ち手をムーンシルバーで作られ、先端にディープブルーのサファイアがはめ込まれたロッド。ムーンシルバーロッドに切り替えられた格好だ。

「また形が変わったけど、それほどに私の魔力って凄いってことなのかな?」

 沙更は実感してはいないが、プロミネンスもニブルヘイムもテンペストも神しか扱えないと言われるほどの魔法である。そもそも大地を焼き焦がしたり、氷に閉ざしたり、人知を越える風で大地を削ってみたりなんて他の魔法では出来るはずも無い。

 沙更の前世の知識があるからこそ扱えるとは言え、それでもその威力はまさに天災と呼べるレベルなのだ。それをあっさり操れるあたりは神の器を持つ者と言う事なのだろう。

「セーナちゃん、一回エンシェントゲートに戻ろう。ここで、ずっと迎撃しているわけにもいかないでしょ?魔法でで迎撃して貰ってるけど、このままはちょっとね」

「確かに、波状攻撃をされたら体力が持ちませんね。私の魔力はもう戻ってますから大丈夫ですけど、ずっととなると厳しいですし」

 ミリアの提案に沙更も頷く。既にモンスター数百体を消滅させた格好になっている。モンスターの氾濫のごく一部とは言え、冒険者のパーティー五人だけで、それだけの数を潰したとなれば大事になるのはなんとなく理解出来た。それに、魔石なども抱え込んでいる事で少しでも換金しておきたいと言う頭もあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【完結】溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子から逃げ出したい~絶世の美女の悪役令嬢はオカメを被るが、独占しやすくて皇太子にとって好都合な模様~

うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
 平安のお姫様が悪役令嬢イザベルへと転生した。平安の記憶を思い出したとき、彼女は絶望することになる。  絶世の美女と言われた切れ長の細い目、ふっくらとした頬、豊かな黒髪……いわゆるオカメ顔ではなくなり、目鼻立ちがハッキリとし、ふくよかな頬はなくなり、金の髪がうねるというオニのような見た目(西洋美女)になっていたからだ。  今世での絶世の美女でも、美意識は平安。どうにか、この顔を見られない方法をイザベルは考え……、それは『オカメ』を装備することだった。  オカメ狂の悪役令嬢イザベルと、  婚約解消をしたくない溺愛・執着・イザベル至上主義の皇太子ルイスのオカメラブコメディー。 ※執着溺愛皇太子と平安乙女のオカメな悪役令嬢とのラブコメです。 ※主人公のイザベルの思考と話す言葉の口調が違います。分かりにくかったら、すみません。 ※途中からダブルヒロインになります。 イラストはMasquer様に描いて頂きました。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

私の存在

戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。 何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。 しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。 しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…

みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る

伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。 それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。 兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。 何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

処理中です...