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最終章 目覚める神
第314話 迫るモンスターの氾濫
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月の魔女とよばれるまで
第314話 迫るモンスターの氾濫
エンシェントゲートの放棄により、補給路を断たれた沙更達は困ってしまっていた。そして、そこにモンスターの氾濫によるモンスターの群れの波が近づいてくる。
それに気付いたのは言うまでも無く沙更。だが、ミリアもなんとなく感づいたらしい。気配察知と言うよりも虫の知らせと言った方が良いだろう。本能と言って良い。
「セーナちゃん、気付いた?」
「ミリアさんもとなれば、かなりの数が近づいていると見て良いですね。どうします?ここで迎撃するのはなしですし、それに退くのも問題があります」
「ここまで来たら、やれるだけやるしかないかなってところかな」
ミリアもこれほどまでの気配を感じれば、ここで食い止める必要があることに気付いている。だからこそ、沙更にやれるところまでと返したのだ。
ある意味絶望的と言って良いこの状況で、あがくことを止めないミリアは優秀な冒険者である。諦めたらそこで人生が終わってしまう可能性が大きいだけに、生きることを止めないと言っているのだから。
「セーナちゃん、今の魔力で支援を何処まで延長できる?」
「ミリアお姉さんが欲しいのはエアウォークとマイティアップだけですよね?」
「それ以上はいらないよ。セーナちゃんの負担になりたいわけじゃ無いから」
ミリアの簡潔な答えに、沙更はムーンシルバーロッドに変化した事での魔力使用量の変化を頭に入れつつも答える。だが、それに魔法の進化は入っていなかった。
「今なら、数時間くらいなら維持出来るはずです」
「なら、お願い。ここであたしの出来る事を全てしきってくる」
ミリアの言葉に、ここを死に場所に決めたことを沙更は感じ取る。だけど、そうさせるわけにはいかない。そう、巻き込んだ側の沙更がミリアをここで死なせるわけには行かなかったからだ。
「食い止めるのは私も一緒です。ミリアお姉さんをみすみす死なせませんから」
二人のやりとりを聞いていたガレムがそこに待ったをかけた。
「ったく、二人して先走りすぎだっての。俺も混ぜろ」
「ガレムさんもですか?」
「ガレム、死ぬことになるけど大丈夫?」
「そもそも、セーナちゃんがそうさせると思ってるのかよ?それと出来る限りのことはしておかねえとな。リーダーとヘレナは厳しいだろうが、俺とミリアならある程度まで間引けるだろ?」
パウエルとヘレナよりもミリアとガレムの方が今となっては実力が上になってしまっている。それだけに、ここで食い止め役をするのは三人だけ。
「ミリア、ガレム。良いのか?まだ逃げられるかもだが」
パウエルがそう声をかけるが首を振る。どちらにしろ、逃げる人々にモンスター達を近づけさせるわけには行かない。少しでも良いから時間稼ぎをする必要があった。
余り長く時間を稼げないだろうとミリアもガレムも分かっては居る。それでもやらなければならないことだけは頭にあった。
第314話 迫るモンスターの氾濫
エンシェントゲートの放棄により、補給路を断たれた沙更達は困ってしまっていた。そして、そこにモンスターの氾濫によるモンスターの群れの波が近づいてくる。
それに気付いたのは言うまでも無く沙更。だが、ミリアもなんとなく感づいたらしい。気配察知と言うよりも虫の知らせと言った方が良いだろう。本能と言って良い。
「セーナちゃん、気付いた?」
「ミリアさんもとなれば、かなりの数が近づいていると見て良いですね。どうします?ここで迎撃するのはなしですし、それに退くのも問題があります」
「ここまで来たら、やれるだけやるしかないかなってところかな」
ミリアもこれほどまでの気配を感じれば、ここで食い止める必要があることに気付いている。だからこそ、沙更にやれるところまでと返したのだ。
ある意味絶望的と言って良いこの状況で、あがくことを止めないミリアは優秀な冒険者である。諦めたらそこで人生が終わってしまう可能性が大きいだけに、生きることを止めないと言っているのだから。
「セーナちゃん、今の魔力で支援を何処まで延長できる?」
「ミリアお姉さんが欲しいのはエアウォークとマイティアップだけですよね?」
「それ以上はいらないよ。セーナちゃんの負担になりたいわけじゃ無いから」
ミリアの簡潔な答えに、沙更はムーンシルバーロッドに変化した事での魔力使用量の変化を頭に入れつつも答える。だが、それに魔法の進化は入っていなかった。
「今なら、数時間くらいなら維持出来るはずです」
「なら、お願い。ここであたしの出来る事を全てしきってくる」
ミリアの言葉に、ここを死に場所に決めたことを沙更は感じ取る。だけど、そうさせるわけにはいかない。そう、巻き込んだ側の沙更がミリアをここで死なせるわけには行かなかったからだ。
「食い止めるのは私も一緒です。ミリアお姉さんをみすみす死なせませんから」
二人のやりとりを聞いていたガレムがそこに待ったをかけた。
「ったく、二人して先走りすぎだっての。俺も混ぜろ」
「ガレムさんもですか?」
「ガレム、死ぬことになるけど大丈夫?」
「そもそも、セーナちゃんがそうさせると思ってるのかよ?それと出来る限りのことはしておかねえとな。リーダーとヘレナは厳しいだろうが、俺とミリアならある程度まで間引けるだろ?」
パウエルとヘレナよりもミリアとガレムの方が今となっては実力が上になってしまっている。それだけに、ここで食い止め役をするのは三人だけ。
「ミリア、ガレム。良いのか?まだ逃げられるかもだが」
パウエルがそう声をかけるが首を振る。どちらにしろ、逃げる人々にモンスター達を近づけさせるわけには行かない。少しでも良いから時間稼ぎをする必要があった。
余り長く時間を稼げないだろうとミリアもガレムも分かっては居る。それでもやらなければならないことだけは頭にあった。
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