月の魔女と聖剣

空流眞壱

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王都へ

第8話 リエットの護衛の依頼2

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月の魔女と聖剣

第8話 リエットの護衛の依頼2

 ガーゼルベルトやカタリーナの譜代の騎士たちの腕は王国騎士団よりも上。それは、簒奪者アランと対峙した時にも聞いていたし、実際に戦場で味方として戦ったこともある。
 だが、学園に騎士を入れるわけにはいかないと言う事項があって、騎士では護衛が出来ない。騎士の代わりになるとしたら、騎士以上の力も持つ荒野の狼に頼む他無かった。

 貴族の体面もあるのかもしれない。となれば、断るのは不義理になってしまう。それに、リエットが沙更に同行を望むのならば、断るつもりはなかった。ムーンライトで癒やしたのは沙更だったから。

「どちらにしろ、カタリーナ様が望むのなら俺たちが断ることはしない。リエット様に道案内を頼む形になるがそれでも良ければだ」

「そもそも、セーナちゃんがリエットさんに関係することを断るとは思わないから同行は決定事項なんだよね」

「まあ、王都に一回は行っておきたかったのは確かだな」

「後学の為に、王都に行くのも良いと思うわ」

 ヘレナはある程度貴族について知っているだけに、それ以上の事は言わない。カタリーナの前でもあるから控えているのもあるが。

「どちらにしろ、リエット様が私たちと一緒が良いのなら断る理由はありませんから」

 五人ともの言葉に、カタリーナはほっとした表情を浮かべる、断られることはないとは思っていたが、それでも万が一があり得る。相手は冒険者、貴族とは価値観が違うのは重々承知していたからだ。

「リエットの護衛の報酬を先に決めておきましょう。大金貨2枚でどうかしら?」

 カタリーナから出た報酬の額に、ギョッとするパウエル達。確かにBランク冒険者として慣らしてはいるが、それでも大金貨2枚は報酬としてかなり多かった。

「報酬が多すぎませんか?」

「いいえ、貴方達ならこれでも安いと思うわ。冒険者ギルドにも相談して決めた額だから、心配しなくても大丈夫」

 先にルーカ達に話が行っているとなると、この頃依頼に関して余り言わなかったのはカタリーナから依頼をされることを分かっていたからと納得した。

「カタリーナ様が良いと言うのなら、俺たちはその提案を飲みます」

「少し、気を遣わせてしまったわね。でも、それだけ評価していると言う事でもあるの。あの子もわたくしも貴方達に助けられたのだから」

 カタリーナ的に、未だに借りを返せていないと思っているのはなんとなく沙更的に理解出来た。確かに、辺境自体壊滅する可能性が大きかったところを完全にひっくり返してしまった。それが、どれだけハチャメチャだったかはカタリーナやリエットよりもパウエルやミリア達の方がよく知っていた。

 高温ガスで敵を焼き払い、氷獄地獄に敵を叩き落とし、嵐を巻き起こして稲妻と共にモンスターを薙ぎ払ったりと魔法という枠を遙かに超えるスケールであった。古代魔法すら超えていたかもしれない。それは、沙更の異世界の知恵を活用した結果だった。
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