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第23話 王都手前の大戦(おおいくさ)3
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月の魔女と聖剣
第23話 王都手前の大戦(おおいくさ)3
小要塞を築き上げた沙更たちは、要塞の中に立てこもった。貴族の私兵たちが弓矢で攻撃するも岩で出来た壁には歯が立たない。魔法で仕掛けても今度は壁に施された沙更のディヴァインベールの魔法で包み込むようにかき消されてしまう。
遠距離からの攻撃を完全に防御されてしまうことに、貴族の私兵の隊長は頭を抱えることになった。数を頼りに時間を掛けずリエットの身柄を確保する予定が、完全に目論見を外されてしまったからだ。
こうなっては下手に近づかせるわけにも行かず、兵を退かせるしかない。いきなりの攻城戦に対応出来る訳がなかったからだ。
ここまでの要塞をあっという間に作る能力があるとは思ってもみなかったのが本音であり、他の兵士たちも同様だった。
「まさか、これだけの要塞を作り上げる力があるとはな」
「あまりにも想定外過ぎます。しかも弓矢のみならず、魔法も効果がないなどと考えられない事態になっており、兵士たちの士気は下がる一方です」
まさかの事態であった。街道側に小さいながらも要塞を作ることが出来る魔法士など聞いたことがない。土魔法を修める者でもあれだけの大掛かりな代物をあっさりと作ることなど出来はしなかった。
それをやってのける人材があちらにいる。魔法を同時にいくつも操れる時点で、魔法士として突出していることを意味する。他の人間に出来ないことをあっさりとやってのけることこそ、沙更が沙更たる所以であった。
貴族の私兵たちの攻撃が収まった後、兵が退いて行くのを見て沙更は夜襲を計画する。相手の数が問題なら減らしてしまうのが一番手っ取り早いし、相手が引きこもって時間を稼ぐだろうと読むと踏んでいた。少数だから、打って出るなど愚策だと思っているのを逆手に取る為だ。
「さてと引きこもってばかりでは、相手にこちらの強さは分かって貰えませんし、面白くもありませんからやり返しておきましょう」
「あまりにも大胆じゃないか?だが、敵が油断しているのなら効果はあるだろう」
「きちんと私の魔法て援護はしますし、補助もしっかり入れます。範囲攻撃魔法で驚かせますから、パウエルさんやガレムさんにミリアお姉さんは大暴れしてきてください。言われなくても、退路はきっちり確保しておきますから安心して下さい」
一番の問題である退路すら確保出来るなら、仕掛けることも視野に入ってくる。だが、沙更の攻撃魔法はどちらにしろ強力過ぎることがある為、怖さがある。やり過ぎてしまう可能性を秘めていた。
それでも反対意見が出ないのは、やられっぱなしは冒険者としての沽券に関わるからであり、沙更の作戦事態を効果的だと3人とも分かっていたからだ。
戦のセオリーを考えれば下策のはずだが、相手の心理の裏を付けばどれだけ効果的なのかは沙更の異世界の知恵が教えていた。
強いて注意するのは、退く場を作ることだけ。それさえ確保出来れば上々の結果になるだろうと誰でも想像がつく。
しかし、実行出来るのはほんのわずか。夜襲をやるとしたら今夜が一番適していた。相手はこちらが籠もって動かないだろうと高をくくっているだろうから。
第23話 王都手前の大戦(おおいくさ)3
小要塞を築き上げた沙更たちは、要塞の中に立てこもった。貴族の私兵たちが弓矢で攻撃するも岩で出来た壁には歯が立たない。魔法で仕掛けても今度は壁に施された沙更のディヴァインベールの魔法で包み込むようにかき消されてしまう。
遠距離からの攻撃を完全に防御されてしまうことに、貴族の私兵の隊長は頭を抱えることになった。数を頼りに時間を掛けずリエットの身柄を確保する予定が、完全に目論見を外されてしまったからだ。
こうなっては下手に近づかせるわけにも行かず、兵を退かせるしかない。いきなりの攻城戦に対応出来る訳がなかったからだ。
ここまでの要塞をあっという間に作る能力があるとは思ってもみなかったのが本音であり、他の兵士たちも同様だった。
「まさか、これだけの要塞を作り上げる力があるとはな」
「あまりにも想定外過ぎます。しかも弓矢のみならず、魔法も効果がないなどと考えられない事態になっており、兵士たちの士気は下がる一方です」
まさかの事態であった。街道側に小さいながらも要塞を作ることが出来る魔法士など聞いたことがない。土魔法を修める者でもあれだけの大掛かりな代物をあっさりと作ることなど出来はしなかった。
それをやってのける人材があちらにいる。魔法を同時にいくつも操れる時点で、魔法士として突出していることを意味する。他の人間に出来ないことをあっさりとやってのけることこそ、沙更が沙更たる所以であった。
貴族の私兵たちの攻撃が収まった後、兵が退いて行くのを見て沙更は夜襲を計画する。相手の数が問題なら減らしてしまうのが一番手っ取り早いし、相手が引きこもって時間を稼ぐだろうと読むと踏んでいた。少数だから、打って出るなど愚策だと思っているのを逆手に取る為だ。
「さてと引きこもってばかりでは、相手にこちらの強さは分かって貰えませんし、面白くもありませんからやり返しておきましょう」
「あまりにも大胆じゃないか?だが、敵が油断しているのなら効果はあるだろう」
「きちんと私の魔法て援護はしますし、補助もしっかり入れます。範囲攻撃魔法で驚かせますから、パウエルさんやガレムさんにミリアお姉さんは大暴れしてきてください。言われなくても、退路はきっちり確保しておきますから安心して下さい」
一番の問題である退路すら確保出来るなら、仕掛けることも視野に入ってくる。だが、沙更の攻撃魔法はどちらにしろ強力過ぎることがある為、怖さがある。やり過ぎてしまう可能性を秘めていた。
それでも反対意見が出ないのは、やられっぱなしは冒険者としての沽券に関わるからであり、沙更の作戦事態を効果的だと3人とも分かっていたからだ。
戦のセオリーを考えれば下策のはずだが、相手の心理の裏を付けばどれだけ効果的なのかは沙更の異世界の知恵が教えていた。
強いて注意するのは、退く場を作ることだけ。それさえ確保出来れば上々の結果になるだろうと誰でも想像がつく。
しかし、実行出来るのはほんのわずか。夜襲をやるとしたら今夜が一番適していた。相手はこちらが籠もって動かないだろうと高をくくっているだろうから。
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