月の魔女と聖剣

空流眞壱

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極星騎士団と王都冒険者ギルド

第58話 辺境伯の屋敷に戻る

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月の魔女と聖剣

第58話 辺境伯の屋敷に戻る

 結局、ある程度のオークとオークの上級種の肉を王都冒険者ギルドに下ろして、魔石も売ることにした。それだけで大金貨7枚になり、あわせて大金貨22枚となった。

 今までのクエストで貰うことの無かった最高金額であり、本来ならばいろいろと入り用な物があれば買うところなのだが荒野の狼の面々の武器防具はそろっている上に、次のランクの物を買おうとしても手に入らない為しばらく保留となった。

 アクセサリーなどで追加効果があるものを買うのも今後視野に入れておく。とはいえ、鉱石があれば沙更がちゃっちゃと作ってしまいそうではあったが。

 そこまで終わらせたところで、既に時は夕方になっていた。そのまま冒険者ギルドを出る。出る時に、王都の他の冒険者達がパウエル達の偉業に喝采してくれたことにはちょっとほっとした。ここの出身ではないからやっかまれるかと思っていたからだ。

 オーク大発生ともなれば、駆り出されるのは上位の冒険者たちだが今回その上位の冒険者の大半が遠征などで出払っていた為、かなり危険だったのだ。そこをあっさり対処したパウエル達を褒めこそしてもけなす者は誰もいない。
そう言うところは、自分たちの力量を分かっているからこそと言える。

「そろそろウエストエンドに戻った方が良いかもしれないな。リエット様の護衛はもう終わっているし、離れても不義理にはならないだろう」

「少し、戻れるのなら戻っておきたいです。虚空庫の中の食材が大分さみしくなりました。ある程度買い足しはしておきたいです」

 パウエルの言葉に、沙更も頷く。王都よりもウエストエンドの方が野菜や牛乳の質が良い。沙更が辺境全域に魔力を振りまいたからだが、それでも効果が大きすぎた。王都の辺りは大地に魔力が少ない為、土壌としてあまり良くは無いのも響いているのだろう。

 どちらにしろ、ウエストエンドに長く住んできただけにあちらに愛着があるのも当然の話で、一時帰還を考えるのも分からなくは無い。心残りが多いのもあって、いったん戻ることを告げて置いた方が良いだろうと思い、辺境伯の屋敷に向かう。

 行きはリエットがいたから馬車まで加速していたことで無理はしなかったが、帰りはパウエル達だけになる。それなら街道を7日とは言わず、もっと縮めることが出来るだろう。街道沿いにひた走る必要が一切無いから、その分加速できるからだ。街道はどうしてもモンスターが出やすい場所を避ける為、曲がりくねってしまう。直線で突っ切れること自体が強者の証であった。

 辺境伯の屋敷に戻ると同時にリエットが駆け寄ってくる。オーク大発生のことをどこからか聞いたようで、心配してくれていたようだ。

「小さい治癒士様たちなら大丈夫とは思いましたが、オーク大発生なんて騎士団総出で対処しなければならないほどの大事件なんです」

「俺たちにはセーナちゃんがいますから、今回も大丈夫でした」

「やっぱり、小さい治癒士様は凄いです。学園でも少し噂が流れていましたし、上位貴族の生徒さん達が一時避難するって居なくなっていましたから」

 貴族が王都を見捨てて逃げ出した件もやはり学園でバレていたらしい。そもそも上級貴族専用のクラスがある時点でバレないわけが無いのだが、教員たちもそう言う点苦々しく思っているのだろうなと沙更は思う。

 そのまま、リエットに請われてサロンへ行くとメアリーが既にお茶の準備をしてくれていた。そろそろ夕食になると言うことも考えて、お茶菓子はそこまで大きくしてない沙更から貰ったレシピを使ったクッキーだった。
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