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第二王子との邂逅
第98話 王立学園に初登校
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月の魔女と聖剣
第98話 王立学園に初登校
翌日、沙更はまたエアウォークで加速して学園へとやってくると女性教師が沙更に気づいて声をかけてきた。
「君が編入試験を受けた子か…。それだけの加速魔法を使いこなす時点で、下手な魔法士を超えているな。同僚から話は聞いていたがここまでとはね」
「大気の力を借りた魔法は珍しいですか?」
沙更がそう言うと女性教師は尚更驚いた顔をする。魔力だけでなく事象から力を借りるなんて精霊魔法でも無ければ難しい。しかも精霊魔法も使い手が年々減っているだけに、それだけの力を持つ者は数少なかった。
『よほどの腕を持っているのだろう。教師たる私でもその力を見抜くことが出来ないとは、恐ろしい子だ』
女性教師はそう思いつつも、沙更の本領を見てみたい気がした。それが途方もないことになるとは思いもせずに。
そんな女性教師を見つつ、沙更は頭を下げて校内へと入っていった。編入試験を受けた教室は校内でも一番の外れで、他の授業の邪魔にならないようにと配慮した結果であった。
編入試験を受けた教室に入るとワィズナーが既に待っていた。
「君が学園に来たと聞いてね。ここで待っていたよ」
「試験はどうでしたか?」
「その件なんだが、文句なしで編入試験は合格。だけど、君手を抜いたね」
ワィズナーはそう指摘すると沙更としては、それを肯定した。
「そこに関しては肯定します。編入試験で満点はどうしても目立ちますからね。どうせ、他の事で確実に目立つことになるのと思いますから」
「あのジークさんの推薦だからその時点で目立っているのは自覚したほうが良い。だが、君自身もかなり凄い人間なのはなんとなく分かる。魔力量を私が把握できない時点で相当なものだろう」
「学園の生徒さんと一緒の物差しは使えないと思ってください。魔力だけなら自信を持っていますし、他の人に引けを取るつもりはありません」
「その自信は分かるよ。いろんな生徒に会ってきたが君だけ魔力量が分からない。それだけ膨大なんだろうとは推測出来るし、他の学生と違うのも分かる」
辺境伯の懐刀であるジークが推薦する以上、下手な生徒ではないだろうと思ったがここまでとなるとワィズナー自身から興味を持たれるのも理解は出来る。沙更自身は、リエットの護衛をするためにここに来たわけでそれ以上でもそれ以下でもないのだが。
「そういえば、制服の方はもう用意してあるのかい?明日から登校して貰うから、もし用意していなければ王都の洋裁屋に行ったほうが良い」
「そこに関しては、既に手を打ってくれているそうです。私も辺境伯様に手助けされてる身なので…」
沙更の答えに、ワィズナーはなるほどと納得する。辺境伯が動いているのなら、制服その他諸々は既に用意されているのだろうと思ったからだ。
ワィズナーから編入試験の答案用紙を受け取ると沙更は一礼してから教室から出ることにした。その姿を見送りつつ、学園に波乱が起こるだろうがそれもそれで面白いことになるだろうとワィズナーは思った。
翌日、リエットと若干違う制服に身を包んだ沙更はリエットと共に馬車に乗っていた。
ちなみに、沙更の制服は言うまでも無く魔力の糸で作り出されたリエットの制服を模倣したものであり、平民と貴族でリボンの色が違ったりする為、そこは変化させてはあるが普通の制服よりもよほど頑丈な代物であった。
「あの、リエット様。平民枠の私が馬車に乗っているとおかしいのですが」
「平民枠だから治癒士様を歩かせて、私だけ馬車に乗るなんて出来るわけがないじゃないですか。恩人に対する扱い方ではないです」
「えっと、リエット様一緒に馬車で行ったら確実に目立ちすぎるんです。私が平民と言うことを忘れていませんか?」
沙更として、そこでリエットにそう言われてしまうと困ってしまう。どちらにしろ、このまま乗っているのもおかしな話になってしまうし、確かに護衛と一緒に乗っているほうが良いとは思うが平民と貴族が一緒の馬車に乗っていると言う事自体が異質であった。が、リエットとしてそこを譲ることはなかった。
第98話 王立学園に初登校
翌日、沙更はまたエアウォークで加速して学園へとやってくると女性教師が沙更に気づいて声をかけてきた。
「君が編入試験を受けた子か…。それだけの加速魔法を使いこなす時点で、下手な魔法士を超えているな。同僚から話は聞いていたがここまでとはね」
「大気の力を借りた魔法は珍しいですか?」
沙更がそう言うと女性教師は尚更驚いた顔をする。魔力だけでなく事象から力を借りるなんて精霊魔法でも無ければ難しい。しかも精霊魔法も使い手が年々減っているだけに、それだけの力を持つ者は数少なかった。
『よほどの腕を持っているのだろう。教師たる私でもその力を見抜くことが出来ないとは、恐ろしい子だ』
女性教師はそう思いつつも、沙更の本領を見てみたい気がした。それが途方もないことになるとは思いもせずに。
そんな女性教師を見つつ、沙更は頭を下げて校内へと入っていった。編入試験を受けた教室は校内でも一番の外れで、他の授業の邪魔にならないようにと配慮した結果であった。
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「君が学園に来たと聞いてね。ここで待っていたよ」
「試験はどうでしたか?」
「その件なんだが、文句なしで編入試験は合格。だけど、君手を抜いたね」
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「そこに関しては肯定します。編入試験で満点はどうしても目立ちますからね。どうせ、他の事で確実に目立つことになるのと思いますから」
「あのジークさんの推薦だからその時点で目立っているのは自覚したほうが良い。だが、君自身もかなり凄い人間なのはなんとなく分かる。魔力量を私が把握できない時点で相当なものだろう」
「学園の生徒さんと一緒の物差しは使えないと思ってください。魔力だけなら自信を持っていますし、他の人に引けを取るつもりはありません」
「その自信は分かるよ。いろんな生徒に会ってきたが君だけ魔力量が分からない。それだけ膨大なんだろうとは推測出来るし、他の学生と違うのも分かる」
辺境伯の懐刀であるジークが推薦する以上、下手な生徒ではないだろうと思ったがここまでとなるとワィズナー自身から興味を持たれるのも理解は出来る。沙更自身は、リエットの護衛をするためにここに来たわけでそれ以上でもそれ以下でもないのだが。
「そういえば、制服の方はもう用意してあるのかい?明日から登校して貰うから、もし用意していなければ王都の洋裁屋に行ったほうが良い」
「そこに関しては、既に手を打ってくれているそうです。私も辺境伯様に手助けされてる身なので…」
沙更の答えに、ワィズナーはなるほどと納得する。辺境伯が動いているのなら、制服その他諸々は既に用意されているのだろうと思ったからだ。
ワィズナーから編入試験の答案用紙を受け取ると沙更は一礼してから教室から出ることにした。その姿を見送りつつ、学園に波乱が起こるだろうがそれもそれで面白いことになるだろうとワィズナーは思った。
翌日、リエットと若干違う制服に身を包んだ沙更はリエットと共に馬車に乗っていた。
ちなみに、沙更の制服は言うまでも無く魔力の糸で作り出されたリエットの制服を模倣したものであり、平民と貴族でリボンの色が違ったりする為、そこは変化させてはあるが普通の制服よりもよほど頑丈な代物であった。
「あの、リエット様。平民枠の私が馬車に乗っているとおかしいのですが」
「平民枠だから治癒士様を歩かせて、私だけ馬車に乗るなんて出来るわけがないじゃないですか。恩人に対する扱い方ではないです」
「えっと、リエット様一緒に馬車で行ったら確実に目立ちすぎるんです。私が平民と言うことを忘れていませんか?」
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